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JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 女王は慈愛に満ちた目でエドウィンを見つめた。手にはなにか小さな箱がある。 「エドウィンこちらへ」 エドウィンはいつものように近づくと膝づいた。 「もうそれはいいのですよ。もうすぐ引き継ぎの儀式が行われます。私たちは普通の姉弟になるのです」 そういって女王はエドウィンの手を取って立たせた。そして一族に伝わるという指輪が入っている小箱を手渡した。 「早くあの子にはめてあげなさい」 エドウィンは感謝の視線を女王にむけると後ろの方でぼーっと...
やりなおしアリス | 2017.02.13 Mon 16:53
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 薄靄の中をゆいるは彷徨っていた。見覚えのない風景だがどこかで知っている不思議な空間だった。妙に懐かしい気持ちを覚えながら歩く。しばらくして空間が開けた。そこには一頭の白い獅子がいた。 「ライオン?」 『ゆいるちゃん。惑わされないで。あれは地獄の番犬ケルベロスだよ』 「ケルベロス?」 ゆいるは不思議そうにつぶやく。すると三つの顔を持った大型犬に変わった。まがまがしい気配が辺りを支配する。 『よく見破ったな。聖なる者よ。私が悪しき者だ。先代の挑戦...
やりなおしアリス | 2017.02.11 Sat 20:03
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 伊勢ツアーも無事終わり、そろそろ受験シーズンに差し掛かるころ子松はまた部員に招集をかけた。 「今度は何ですか?」 もうお手上げな子松の暴走に松島がため息をつく。 「熱田神宮に行くぞ」 「秋に伊勢神宮に行ったばかりじゃないですか」 またも松島がつっこむ。 「それとこれは別の話だ。我々には使命がある。これはその通過点だ」 「神道と民俗学にどんな関係が・・・」 ひ弱な声で関口が口をはさむ。 「欠席の了解はすべてとってある。...
やりなおしアリス | 2017.02.11 Sat 20:02
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 薄靄の中をゆいるは彷徨っていた。見覚えのない風景だがどこかで知っている不思議な空間だった。妙に懐かしい気持ちを覚えながら歩く。しばらくして空間が開けた。そこには一頭の白い獅子がいた。 「ライオン?」 『ゆいるちゃん。惑わされないで。あれは地獄の番犬ケルベロスだよ』 「ケルベロス?」 ゆいるは不思議そうにつぶやく。すると三つの顔を持った大型犬に変わった。まがまがしい気配が辺りを支配する。 『よく見破ったな。聖なる者よ。私が悪しき者だ。先代の挑戦...
やりなおしアリス | 2017.02.11 Sat 19:53
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 王の私室の前には衛兵がたっていた。厳重な警戒ぶりだ。暗殺事件があったのだからしかたないだろう。衛兵たちはアイラの顔を知らない。不審げに見つめる。アイラは名を告げ王家の紋章の付いた十字架をみせた。衛兵はあっというまに中に入って行った。 「アイラ様がおいでになりました」 アイラの耳にはそう聞こえた。 「何!!」 王がいきなり飛び出てきた。 「人払いを」 王はそういうと三人を招き入れた。 それからエドウィンの顔をまじまじと見る。 「...
やりなおしアリス | 2017.01.25 Wed 14:03
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「今度こそ機会を逃すものか」 男は黒い執念を表してつぶやく。 やがて、男は動き出すために部屋を出て行った。 「わかった。引っ張ってくればいいんでしょ? うまく行ったらごほうびくれる?」 甘えた声でねだると相手の答えに満足そうにうなずく。やがて携帯電話は切れた。 「それでこそ。あたしの羅門だわ」 目は笑っていない。冷酷な雰囲気を出していた。その容姿とは別の・・・。 毎回の日曜日の出勤。ミリもなれてきた。相変わら...
やりなおしアリス | 2017.01.25 Wed 13:58
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「・・・まだわからないわ。チップのありかは。見当はついてるけど・・・。え? あの子? いたって普通よ。気にするほどのことはないけど・・・。それに羽根ならあたしだって・・・ちょっといきなり切らないでよ!」 少女は声を荒げたがすでに携帯電話は切れていた。 「羅門・・・。あたしはどうしてあなたを好きになってしまったの・・・?」 問いかけるような言葉をつぶやき悲しみの雨粒を頬に転がせた。 「おっはよー!!」 アリスがポニーテールを揺ら...
やりなおしアリス | 2017.01.16 Mon 23:15
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 翌日二人が宿へ向かうとジャンは旅支度していた。 「帰って王様になるの?」 アイラの純真な問いにジャンはなんともいえない顔をした。 「かわいい妹を死刑台に送りたくないのでね・・・」 「本当にいいの?」 「ああ。ここは私の非難所だった。逃げても何もならないのは知っている。どうせペテロ神父に見つかるまで時間はそう長くない」 「あの・・・。ペトロ神父はいったいどういった人なんですか? 妖精の森に来てお茶会ばかり開いてましたけど」 「さぁ...
やりなおしアリス | 2017.01.16 Mon 23:07
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「あら。今日もまだ帰らないの?」 メモリーがしつこく居残っているミリに向かって声をかける。ミリは退屈そうにファイリングしたものをぱらぱらめくっている。仕事で残っているわけではなさそうだ。 「ええ。ちょっと怖い人が現れて家に帰えるのが怖いんです」 「怖い人?」 いぶかしげにメモリーは首をかしげる。さっと肩までのストレートの髪がゆれる。 「ラモン、という人が毎回来るんです。日曜日の夜に・・・」 「羅門! もしかしてこうい...
やりなおしアリス | 2017.01.05 Thu 22:28
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 夜も明けようとした頃エドウィンは帰ってきた。 「遅いじゃない」 ベッドの上で両膝を抱えていたアイラが言う。 「お前、眠らなかったのか?」 驚いたエドウィンが逆に問い返す。ううん、とアイラは首を振る。 「少し寝たけどすぐ起きちゃって」 心配そうなアイラの頭をエドウィンはぐりぐりなでる。 「なにすんのよぅ」 「いいや。ありがとさん」 チュッとアイラの頬にキスを落とす。 「ちょ・・・」 「あんまりにもかわいいんでな」 殴りかか...
やりなおしアリス | 2017.01.05 Thu 22:15
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