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JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 薄靄の中をゆいるは彷徨っていた。見覚えのない風景だがどこかで知っている不思議な空間だった。妙に懐かしい気持ちを覚えながら歩く。しばらくして空間が開けた。そこには一頭の白い獅子がいた。 「ライオン?」 『ゆいるちゃん。惑わされないで。あれは地獄の番犬ケルベロスだよ』 「ケルベロス?」 ゆいるは不思議そうにつぶやく。すると三つの顔を持った大型犬に変わった。まがまがしい気配が辺りを支配する。 『よく見破ったな。聖なる者よ。私が悪しき者だ。先代の挑戦...
やりなおしアリス | 2017.02.11 Sat 19:53
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 王の私室の前には衛兵がたっていた。厳重な警戒ぶりだ。暗殺事件があったのだからしかたないだろう。衛兵たちはアイラの顔を知らない。不審げに見つめる。アイラは名を告げ王家の紋章の付いた十字架をみせた。衛兵はあっというまに中に入って行った。 「アイラ様がおいでになりました」 アイラの耳にはそう聞こえた。 「何!!」 王がいきなり飛び出てきた。 「人払いを」 王はそういうと三人を招き入れた。 それからエドウィンの顔をまじまじと見る。 「...
やりなおしアリス | 2017.01.25 Wed 14:03
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「今度こそ機会を逃すものか」 男は黒い執念を表してつぶやく。 やがて、男は動き出すために部屋を出て行った。 「わかった。引っ張ってくればいいんでしょ? うまく行ったらごほうびくれる?」 甘えた声でねだると相手の答えに満足そうにうなずく。やがて携帯電話は切れた。 「それでこそ。あたしの羅門だわ」 目は笑っていない。冷酷な雰囲気を出していた。その容姿とは別の・・・。 毎回の日曜日の出勤。ミリもなれてきた。相変わら...
やりなおしアリス | 2017.01.25 Wed 13:58
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「・・・まだわからないわ。チップのありかは。見当はついてるけど・・・。え? あの子? いたって普通よ。気にするほどのことはないけど・・・。それに羽根ならあたしだって・・・ちょっといきなり切らないでよ!」 少女は声を荒げたがすでに携帯電話は切れていた。 「羅門・・・。あたしはどうしてあなたを好きになってしまったの・・・?」 問いかけるような言葉をつぶやき悲しみの雨粒を頬に転がせた。 「おっはよー!!」 アリスがポニーテールを揺ら...
やりなおしアリス | 2017.01.16 Mon 23:15
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 翌日二人が宿へ向かうとジャンは旅支度していた。 「帰って王様になるの?」 アイラの純真な問いにジャンはなんともいえない顔をした。 「かわいい妹を死刑台に送りたくないのでね・・・」 「本当にいいの?」 「ああ。ここは私の非難所だった。逃げても何もならないのは知っている。どうせペテロ神父に見つかるまで時間はそう長くない」 「あの・・・。ペトロ神父はいったいどういった人なんですか? 妖精の森に来てお茶会ばかり開いてましたけど」 「さぁ...
やりなおしアリス | 2017.01.16 Mon 23:07
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「あら。今日もまだ帰らないの?」 メモリーがしつこく居残っているミリに向かって声をかける。ミリは退屈そうにファイリングしたものをぱらぱらめくっている。仕事で残っているわけではなさそうだ。 「ええ。ちょっと怖い人が現れて家に帰えるのが怖いんです」 「怖い人?」 いぶかしげにメモリーは首をかしげる。さっと肩までのストレートの髪がゆれる。 「ラモン、という人が毎回来るんです。日曜日の夜に・・・」 「羅門! もしかしてこうい...
やりなおしアリス | 2017.01.05 Thu 22:28
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 夜も明けようとした頃エドウィンは帰ってきた。 「遅いじゃない」 ベッドの上で両膝を抱えていたアイラが言う。 「お前、眠らなかったのか?」 驚いたエドウィンが逆に問い返す。ううん、とアイラは首を振る。 「少し寝たけどすぐ起きちゃって」 心配そうなアイラの頭をエドウィンはぐりぐりなでる。 「なにすんのよぅ」 「いいや。ありがとさん」 チュッとアイラの頬にキスを落とす。 「ちょ・・・」 「あんまりにもかわいいんでな」 殴りかか...
やりなおしアリス | 2017.01.05 Thu 22:15
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの ミリはそれから日曜日ごとに出かけることとなった。正確には出勤だが、家族にそれは内緒であった。友達の家に行くとか遊んでくるとか山ほどいいわけをつくって通い始めた。 「おはようございます」 ミリは入るなり大声で挨拶をした。いつも視線の先にはメモリーが座っていた。 「おはよう。ミリ。今日の調子はどう?」 うーん、とミリは考え込む。 「ただ羽根があるだけで代わり映えありません」 申し訳なさそうに答えるミリにメモリーは微笑んで言...
やりなおしアリス | 2017.01.04 Wed 23:32
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 男装したアイラとエドウィンはサウスノーラの安めの宿をとった。男女なので部屋は別々にしたかったところだが兄弟という設定故一緒の部屋になった。幸いベッドは二つありアイラの貞操は守られたのであった。エドウィンには苦笑いしか出なかったが。その夜は宿に併設してある酒場で食べた。散策していい店で食べたいところだが夜である。物騒な夜にアイラを連れて行きたくなかったのがエドウィンの心情である。実際この町の治安の悪さは計り知れなかったので安全策を取ったというところである。...
やりなおしアリス | 2017.01.04 Wed 23:26
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 羽根は夢を与えるのか。それとも何を与えるのだろうか―――。 羽根が生えてそろそろ一週間。違和感もなくなってきた。たまに背中の羽根をぱたぱたしてみるのが密かな楽しみなミリである。普段は長いミリの髪の毛からちょこんとでているだけなので灰色と言う異端的な要素は目立たなかった。 そんな日々をすごすミリの元へ手紙が舞い込んだ。ネット社会が世界を席巻している現代でそれはアナグロなにおいをかもし出していた。家族の好奇の目に...
やりなおしアリス | 2017.01.03 Tue 21:22
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