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時空を超えて 第四話 取り戻した私

JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの     暗い部屋、私はそこにずっと座っていた。夜が来れば休み、朝がくれば起きる。そんな当たり前をこなすのは苦にもならなかった。機械的に日常を送る。でも明るい日の光の当たる世界に戻るつもりはなかった。カーテンで部屋を締め切り私はそのうすぐらい部屋にずっとすわっていた。  ドアをノックする音が聞こえた。どうぞ、と声をかける。どうせいつものようにマイクロフトなのだから。 「シャーロックから君へのプレゼントだ」 「何を持ってきても気持ちは変わら...

やりなおしアリス | 2017.02.27 Mon 00:14

時空を超えて 第三話 もう一人の私

JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの         まぶたを開けると白い四角い天井が飛び込んできた。最初に監禁されたときと同じような部屋だ。  研究所ってみんなそうなのかしら?  少し面白く思いながらも今度はご丁寧にベッドご招待されていた。体も自由だ。だが、窓はない。相変わらずドアがひとつだけだ。ふとみじろぎした拍子に手首が痛んだ。 縄抜けで手首を怪我したんだっけ。 今度は何をされるのだろう? 漠然とした不安がつきあげてくる。   「やぁ、お姫様...

やりなおしアリス | 2017.02.26 Sun 21:51

時空を越えて 第二話 かたまっていく確信

JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの     「シャーロック?」  書斎でぼんやりと外を眺めていた夫に私は声をかけた。苦しげな顔をしている。 「病院で何かあったの? それとも・・・」 「いいや」  彼は私の唇に人差し指を当てながら制する。  それじゃぁ、なんでこんな暗い顔をしているの?  結婚してからだんだんとシャーロックの顔にかげりが増え始めていた。  それに一向に抱いてもらえない。時折熱い視線で私を見るのに指一本触れない。  私は愛されていないの?  漠然...

やりなおしアリス | 2017.02.20 Mon 23:10

時空を越えて 第一話 謎の始まり

JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの    うふふ、と私は笑った。テーブルの向こうで夫がどうした?、と視線で尋ねてくる。 「ないしょ」  私はわざと気持ちを隠して食器を持ってテーブルをたった。  これが幸せでなくてなんだろう。優秀な外科医シャーロックにプロポーズされたときは本当に天地がひっくり返るかと思うほど驚いた。でも私はもう彼の虜になっていたからすぐに承諾した。それから幸せな新婚生活を満喫している。  現在は三十世紀。そして歴史の違う地球。日本の本能寺の変もなければ第一次世...

やりなおしアリス | 2017.02.13 Mon 22:23

アイラの物語第三部完 最終話 新女王

JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの   女王は慈愛に満ちた目でエドウィンを見つめた。手にはなにか小さな箱がある。 「エドウィンこちらへ」 エドウィンはいつものように近づくと膝づいた。 「もうそれはいいのですよ。もうすぐ引き継ぎの儀式が行われます。私たちは普通の姉弟になるのです」 そういって女王はエドウィンの手を取って立たせた。そして一族に伝わるという指輪が入っている小箱を手渡した。 「早くあの子にはめてあげなさい」 エドウィンは感謝の視線を女王にむけると後ろの方でぼーっと...

やりなおしアリス | 2017.02.13 Mon 16:53

神様ご光臨  最終話 御伽高校文芸部

JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 薄靄の中をゆいるは彷徨っていた。見覚えのない風景だがどこかで知っている不思議な空間だった。妙に懐かしい気持ちを覚えながら歩く。しばらくして空間が開けた。そこには一頭の白い獅子がいた。 「ライオン?」 『ゆいるちゃん。惑わされないで。あれは地獄の番犬ケルベロスだよ』 「ケルベロス?」  ゆいるは不思議そうにつぶやく。すると三つの顔を持った大型犬に変わった。まがまがしい気配が辺りを支配する。 『よく見破ったな。聖なる者よ。私が悪しき者だ。先代の挑戦...

やりなおしアリス | 2017.02.11 Sat 20:03

神様ご光臨 第十二話 共鳴する三種の神器

JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの     伊勢ツアーも無事終わり、そろそろ受験シーズンに差し掛かるころ子松はまた部員に招集をかけた。 「今度は何ですか?」 もうお手上げな子松の暴走に松島がため息をつく。 「熱田神宮に行くぞ」 「秋に伊勢神宮に行ったばかりじゃないですか」 またも松島がつっこむ。 「それとこれは別の話だ。我々には使命がある。これはその通過点だ」 「神道と民俗学にどんな関係が・・・」 ひ弱な声で関口が口をはさむ。 「欠席の了解はすべてとってある。...

やりなおしアリス | 2017.02.11 Sat 20:02

神様ご光臨  最終話 御伽高校文芸部

JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 薄靄の中をゆいるは彷徨っていた。見覚えのない風景だがどこかで知っている不思議な空間だった。妙に懐かしい気持ちを覚えながら歩く。しばらくして空間が開けた。そこには一頭の白い獅子がいた。 「ライオン?」 『ゆいるちゃん。惑わされないで。あれは地獄の番犬ケルベロスだよ』 「ケルベロス?」  ゆいるは不思議そうにつぶやく。すると三つの顔を持った大型犬に変わった。まがまがしい気配が辺りを支配する。 『よく見破ったな。聖なる者よ。私が悪しき者だ。先代の挑戦...

やりなおしアリス | 2017.02.11 Sat 19:53

アイラの物語第三部 六話 王と息子

JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの   王の私室の前には衛兵がたっていた。厳重な警戒ぶりだ。暗殺事件があったのだからしかたないだろう。衛兵たちはアイラの顔を知らない。不審げに見つめる。アイラは名を告げ王家の紋章の付いた十字架をみせた。衛兵はあっというまに中に入って行った。 「アイラ様がおいでになりました」 アイラの耳にはそう聞こえた。 「何!!」 王がいきなり飛び出てきた。 「人払いを」 王はそういうと三人を招き入れた。 それからエドウィンの顔をまじまじと見る。 「...

やりなおしアリス | 2017.01.25 Wed 14:03

羽根の生まれる街 第五話 プロジェクトWING

JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの   「今度こそ機会を逃すものか」 男は黒い執念を表してつぶやく。 やがて、男は動き出すために部屋を出て行った。   「わかった。引っ張ってくればいいんでしょ? うまく行ったらごほうびくれる?」 甘えた声でねだると相手の答えに満足そうにうなずく。やがて携帯電話は切れた。 「それでこそ。あたしの羅門だわ」 目は笑っていない。冷酷な雰囲気を出していた。その容姿とは別の・・・。   毎回の日曜日の出勤。ミリもなれてきた。相変わら...

やりなおしアリス | 2017.01.25 Wed 13:58

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