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JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの さて、とエドウィンは財布からコインを一枚取り出すと勝手に話し出した。 「サウスノーラが表、パドア大陸が裏・・・と」 エドウィンはまだぶつぶつ言っている。そしてコインを空高く放り投げると落下してきたコインを手の甲でうけとって掌を当てた。 「どっちだと思う?」 唐突に聞かれてアイラはもごもごいいかけるがただでさえ面倒な兄探しだ。パドアまで行きたくない。パドア大陸はかつて異文化が栄えた大陸だという。興味がないとは言えないがこれ以上事情をややこ...
やりなおしアリス | 2017.01.03 Tue 21:13
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの この世界には背中に羽根が生える特別な人たちがいるという。そんな人たちが織り成す世界の物語・・・。 背中にこぶができて三日。痛みは増すばかり・・・。鎮痛剤も効かない。 「痛い。痛いよ。お母さん」 氷嚢を取替えに来た母親にミリは訴える。 「羽が生えるのは特別ななんだからもうちょっとの辛抱よ」 母親はにこやかに微笑むと部屋を出て行った。できあがったこぶにそっと氷嚢をのせる。 「気持ちいい・・・。冷たい・・・」 ...
やりなおしアリス | 2017.01.02 Mon 17:56
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「まぁ。よくも探し物ばかりみつかること」 王宮をでて人を避けるように裏通りにでるとエドは肩を上下させた。 「知らないじゃない。あくまでもママの心を知るためにもぐりこんだのに。ペトロ神父までぐるだなんて」 そこへちょいちょいと二人を招く手が見えた。 「誰?!」 アイラが詰問する。 「私ですよ。アイラ。妖精の森に一度戻るのでしょう? その前に耳よりな情報がありますよ」 「って王の手先じゃねーだろうな」 エドウィンも警戒する。 「...
やりなおしアリス | 2017.01.02 Mon 17:50
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 翌日からアイラは毎日ヨハン王のもとにかよう。 毎日薬がくるのだがアイラが来る前にそれは終わっていた。ほのかなジギタリスの香りがただよっている。きっと心臓が悪いんだわと甘く見ていた。 それから王の部屋へ通うこと幾日か・・・。 思わず早く到着して樫の扉の前でうろうろしているうちに薬が運ばれてきた。 アイラは危機を感じた。運ばれている薬にはジギタリスの規定値を超えたものが入っていた。ちまたで王の跡継ぎが帰ってきたと...
やりなおしアリス | 2017.01.01 Sun 20:50
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 今、アイラの前にでーんと建物が建っていた。 「床屋」である。 まさかよね? とアイラは眼でエドウィンを問いかけるがエドウィンはだまって首を振る。 「あたしは女の子だからふつーは美容院でしょう?」 「うんにゃ。路銀も少ないからここでばっさりと髪の毛を切ってもらう。ついでにだてメガネもいるか」 エドウィンはせっせと路銀の残りを数えるとずるずると抵抗しているアイラを引きずってつれていった。 が...
やりなおしアリス | 2017.01.01 Sun 00:18
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 村に宴が始まる。紫夜は今宵の主役だ。村人の中に混じって宴を楽しんでいる。一方、流花は眠っていた。いや、眠っているというか疲れて横になっていた。外に一瞬出ようかと思ったが、つらくていけなかった。血の惨劇が脳裏によみがえる。 炎。 血。 煙。 幼きころの記憶があふれていた。優しい顔をした母、そして父。そしてもう一人自分とそっくりな顔をした幼子。弟、だ。だが、名前は思い出せない。両親の顔をもおぼろげだ。感じ、がわかるだけだ。血...
やりなおしアリス | 2017.01.01 Sun 00:11
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 二人は歩いて歩いてやっと西の地区ナントにやってきた。一度来ているので西の都市ナントにはすんなり到着したものの、そこからが大変だった。町は放射線状に通路がありいたるところに坂道と階段があった。また方角によって家の各付けが違うのか西に行けばあっちは貧乏だ、東に行けばあっちは金持ちで鼻持ちならんと長々と話を聞かされた。 そして迷路のような袋小路を歩いてやっとミュリーの店にたどりついた。 「すいませーん。アイラです。誰かいませんかー?」 店の中は空っぽだ...
やりなおしアリス | 2016.12.03 Sat 05:14
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「この中に入るの?!」 不安げに流花は紫夜にたずねた。きらびやかな衣装を着せられて流花は酒の入る大きな甕にいれられるところだった。足を縮めて座れば小柄な流花は楽々入れる。 「窒息しないでしょうね?」 「当たり前だ。ふたに通気口がある。息苦しくなることはない」 紫夜ははやく入れとでも言わんばかりに流花を見つめる。 「わかったわよ」 流花はあきらめのため息をつくと甕の中に身を沈めた。 かぱん。 ふたが閉められ...
やりなおしアリス | 2016.12.03 Sat 05:12
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 二人は街道を歩いていた。街道といってもちゃんと整備された道ではない。まるで獣道だと流花は思う。「なんでこんな道なのよ」とかなんとかいって足先の小石をけって歩いてはぶつぶつ言っている。 「これからどこに行くの?」 ようやく独り言から立ち返って相手がいることを思い出した流花は紫夜にたずねた。 「まずは草薙の剣を探す。伝承によれば御星の崎にあると伝わっている。ここから七日もあればたどり着くだろう」 七日、と聞いて流花は下品に叫...
やりなおしアリス | 2016.12.01 Thu 17:01
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「シェリーおばさん。お世話になりました」 アイラはぺこりと律儀に頭を下げた。 ディナーで祝杯をあげての翌日である。エドウィンはなぜか恥ずかしげである。正式に婚約したわけではないが実質結婚の約束を交わしたのである。幾多の女性を手のひらで転がしていた男も土壇場になると委縮してしまうものである。 「まぁ。エドったら。そんなに緊張しなくていいわよ。結婚なんてタイミングなんだから」 シェリーがエドウィンの背中をばんと叩く。こほこほ...
やりなおしアリス | 2016.12.01 Thu 16:55
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