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第二部アイラの物語  七話 出会いと別れ

JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの     翌日からアイラは毎日ヨハン王のもとにかよう。  毎日薬がくるのだがアイラが来る前にそれは終わっていた。ほのかなジギタリスの香りがただよっている。きっと心臓が悪いんだわと甘く見ていた。    それから王の部屋へ通うこと幾日か・・・。  思わず早く到着して樫の扉の前でうろうろしているうちに薬が運ばれてきた。  アイラは危機を感じた。運ばれている薬にはジギタリスの規定値を超えたものが入っていた。ちまたで王の跡継ぎが帰ってきたと...

やりなおしアリス | 2017.01.01 Sun 20:50

アイラの物語 第二部 第六話 新しい生活

JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの     今、アイラの前にでーんと建物が建っていた。 「床屋」である。   まさかよね?   とアイラは眼でエドウィンを問いかけるがエドウィンはだまって首を振る。 「あたしは女の子だからふつーは美容院でしょう?」 「うんにゃ。路銀も少ないからここでばっさりと髪の毛を切ってもらう。ついでにだてメガネもいるか」  エドウィンはせっせと路銀の残りを数えるとずるずると抵抗しているアイラを引きずってつれていった。   が...

やりなおしアリス | 2017.01.01 Sun 00:18

第五章 宴からまた旅へ(執筆途中ですが最新版です)

JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの   村に宴が始まる。紫夜は今宵の主役だ。村人の中に混じって宴を楽しんでいる。一方、流花は眠っていた。いや、眠っているというか疲れて横になっていた。外に一瞬出ようかと思ったが、つらくていけなかった。血の惨劇が脳裏によみがえる。   炎。 血。 煙。    幼きころの記憶があふれていた。優しい顔をした母、そして父。そしてもう一人自分とそっくりな顔をした幼子。弟、だ。だが、名前は思い出せない。両親の顔をもおぼろげだ。感じ、がわかるだけだ。血...

やりなおしアリス | 2017.01.01 Sun 00:11

アイラの物語 第二部 第五話 虹色の光

JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 二人は歩いて歩いてやっと西の地区ナントにやってきた。一度来ているので西の都市ナントにはすんなり到着したものの、そこからが大変だった。町は放射線状に通路がありいたるところに坂道と階段があった。また方角によって家の各付けが違うのか西に行けばあっちは貧乏だ、東に行けばあっちは金持ちで鼻持ちならんと長々と話を聞かされた。 そして迷路のような袋小路を歩いてやっとミュリーの店にたどりついた。 「すいませーん。アイラです。誰かいませんかー?」  店の中は空っぽだ...

やりなおしアリス | 2016.12.03 Sat 05:14

第四章 オロチ退治 

JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの   「この中に入るの?!」  不安げに流花は紫夜にたずねた。きらびやかな衣装を着せられて流花は酒の入る大きな甕にいれられるところだった。足を縮めて座れば小柄な流花は楽々入れる。 「窒息しないでしょうね?」 「当たり前だ。ふたに通気口がある。息苦しくなることはない」  紫夜ははやく入れとでも言わんばかりに流花を見つめる。 「わかったわよ」 流花はあきらめのため息をつくと甕の中に身を沈めた。   かぱん。   ふたが閉められ...

やりなおしアリス | 2016.12.03 Sat 05:12

第三章 旅立ち

JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの      二人は街道を歩いていた。街道といってもちゃんと整備された道ではない。まるで獣道だと流花は思う。「なんでこんな道なのよ」とかなんとかいって足先の小石をけって歩いてはぶつぶつ言っている。 「これからどこに行くの?」  ようやく独り言から立ち返って相手がいることを思い出した流花は紫夜にたずねた。 「まずは草薙の剣を探す。伝承によれば御星の崎にあると伝わっている。ここから七日もあればたどり着くだろう」  七日、と聞いて流花は下品に叫...

やりなおしアリス | 2016.12.01 Thu 17:01

第二部 第四話 旅の向こう

JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの     「シェリーおばさん。お世話になりました」  アイラはぺこりと律儀に頭を下げた。  ディナーで祝杯をあげての翌日である。エドウィンはなぜか恥ずかしげである。正式に婚約したわけではないが実質結婚の約束を交わしたのである。幾多の女性を手のひらで転がしていた男も土壇場になると委縮してしまうものである。 「まぁ。エドったら。そんなに緊張しなくていいわよ。結婚なんてタイミングなんだから」  シェリーがエドウィンの背中をばんと叩く。こほこほ...

やりなおしアリス | 2016.12.01 Thu 16:55

燎原の炎 第二章 姫君と男君

JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの     「弓大会?」  食事を取りながら流花は問う。なんだか毎回、問いかけている気がしないでもないがそれは気にせず、流花は青年を見た。もちろんここは竹取の翁の家である。近くに竹林がありその竹で竹細工を作っては生活をしている。この使っている箸も翁の手製である。そう翁たちから聞いた。 あれからこっそりと抜け出そうと何度か試みたがすぐにばれて部屋に寝ているように説教された。ここが現在の流花の居場所であるということを散々言い聞かせて。しぶしぶ流花...

やりなおしアリス | 2016.11.30 Wed 14:58

アイラの物語 第二部  第三話 結婚?!

JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの  満腹といってはおなかをさすっておよそ乙女らしからぬアイラを呆れ顔でエドウィンは見ていた。こんな女にほれた俺が馬鹿だったんだろうか・・・と。 「で、これからどこへ行くんだ」 「パーヴの離宮」  がくっとエドウィンは体がいすから転げ落ちそうになった。 「馬鹿か。お前。あれはメイドの案内で入れたんだぞ。普段の人間が簡単に入れるか」  あんまりにもアイラがのほほんとしているのにいらいらしていたエドウィンは声を荒げた。 「今度は道を知ってるじゃないの...

やりなおしアリス | 2016.11.30 Wed 14:55

燎原の炎 第一章 炎のはじまり

JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの     ささささ。   すがすがしい竹の葉の音色が聞こえてくる。  流花はゆっくりとまぶたを開けた。見覚えのない天井が視界に入ってくる。  ここはどこ? まるで昔話のようだ。あれは黒い柱? ううん、確か梁という柱。黒ずんでいる。ああ、いろりの煙で黒ずんでいるのだ。自然とそんな知識が浮かんできた。 「あたしは・・・?」  薄もやに支配されているようで記憶があいまいだ。放心状態でぼけっとしていると老婆、媼がやってきた。 「誰?...

やりなおしアリス | 2016.11.29 Tue 23:06

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