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JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「弓大会?」 食事を取りながら流花は問う。なんだか毎回、問いかけている気がしないでもないがそれは気にせず、流花は青年を見た。もちろんここは竹取の翁の家である。近くに竹林がありその竹で竹細工を作っては生活をしている。この使っている箸も翁の手製である。そう翁たちから聞いた。 あれからこっそりと抜け出そうと何度か試みたがすぐにばれて部屋に寝ているように説教された。ここが現在の流花の居場所であるということを散々言い聞かせて。しぶしぶ流花...
やりなおしアリス | 2016.11.30 Wed 14:58
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 満腹といってはおなかをさすっておよそ乙女らしからぬアイラを呆れ顔でエドウィンは見ていた。こんな女にほれた俺が馬鹿だったんだろうか・・・と。 「で、これからどこへ行くんだ」 「パーヴの離宮」 がくっとエドウィンは体がいすから転げ落ちそうになった。 「馬鹿か。お前。あれはメイドの案内で入れたんだぞ。普段の人間が簡単に入れるか」 あんまりにもアイラがのほほんとしているのにいらいらしていたエドウィンは声を荒げた。 「今度は道を知ってるじゃないの...
やりなおしアリス | 2016.11.30 Wed 14:55
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの ささささ。 すがすがしい竹の葉の音色が聞こえてくる。 流花はゆっくりとまぶたを開けた。見覚えのない天井が視界に入ってくる。 ここはどこ? まるで昔話のようだ。あれは黒い柱? ううん、確か梁という柱。黒ずんでいる。ああ、いろりの煙で黒ずんでいるのだ。自然とそんな知識が浮かんできた。 「あたしは・・・?」 薄もやに支配されているようで記憶があいまいだ。放心状態でぼけっとしていると老婆、媼がやってきた。 「誰?...
やりなおしアリス | 2016.11.29 Tue 23:06
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの アイラは荷物を詰め込むとトランクのふたにお尻をおくとぎゅっと中を詰め込んだ。ありったけのものを入れたのでふたが閉まらないのだ。無事荷物を作り終えるとアイラはそっと妖精の女王の私室の前まで来た。ドアにこんと額をおしつける。 「ママ。ありがとう。行ってきます」 小さな声でアイラはそういうとトランクを持って宮殿の廊下を歩き出した。 アイラは宮殿を出ると周りの妖精たちに挨拶しようとしていたが皆、事情を知っているのか出てこなかった。 悲し...
やりなおしアリス | 2016.11.29 Tue 20:18
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの あたしは知らなかった・・・。 あたしがあたしでないことに・・・。 生きていた場所も違うって・・・。 時折ふっと思い出す優しい子守唄。 それがどこからくるのか知らなかった。 どこで聞いたの? あたしはどこの人間なの? 時折感じていた違和感。 それが本当のことだなんて知らなかった・・・。 燃え盛る炎。あたり一面を炎が焼き尽くす。残虐な殺戮の舞台。血があたりに広がり、死体が転がっている。切られて死んだ者。炎に焼か...
やりなおしアリス | 2016.11.29 Tue 15:11
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 歩きに歩いてまるで足が棒になるほど歩いてやっとフェリアナたちは月の神殿についた。太陽の者と出会わなかったのは喜ばしいことであったが嫌な予感がフェリアナたちについて回っていた。その予感は当たった。月の神殿を後ろにして立つルールがいた。 そしてそれにつらなる太陽の神殿側の人間。一気にフェリアナは理解した。ルールは裏切っていたのだと。最初からこのつもりで途中で別れたのだ。心だけを操っておいて。 「どういうことなの。ルール。いえ太陽側の人間さん。その服装はラ...
やりなおしアリス | 2016.11.28 Mon 21:51
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの フェリアナは今までの元気が嘘のようになりとぼとぼ歩いていたがアミルに突き飛ばされそうになった。 「なんて顔してんのよ。あっちは異世界人じゃないの。うまくいくと思ったの?!」 アミルの言葉が胸につきささる。ルールと会えなくなったらどうしよう・・・、そう思うだけで恋に目覚めた乙女心は痛かった。その心細い心を助けたのはカミュだった。 「大丈夫ですよ。ルールにまた会えます」 にっこり微笑まれてフェリアナはこの人はこんなに強い人だったのかと思う...
やりなおしアリス | 2016.11.28 Mon 21:38
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「お待たせしました。薬です。でも短時間しか効きません。それと五回分です。最後まで飲めばカミュ・・・あなたは死にます。気を付けて使ってください」 死にます、重すぎる言葉だった。 フェリアナが泣きそうな顔になる。こみ上げてきた感情を必死で抑え込む。 「なーにしけた顔してんのよ。飲まなきゃいいじゃない」 「口出さないでよ。私とカミュの事なんだから」 一歩も譲らない。仲の悪さは相当ひどいようだ。ハミルとカミュも苦笑いを禁じ得ない。 「さて。そろそろ旅...
やりなおしアリス | 2016.11.16 Wed 22:54
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの ふわり、と四人は何か柔らかいクッションのようなものに落ちた。 「なにこれ。暗くて何も見えないじゃないの」 アミルが騒ぐ。 「ここはいったいどこなのでしょうか」 カミュもフェリアナを敵から守るようにかばう気配がフェリアナにはわかった。 カミュ、暗闇でも私がわかるんだ。早鐘のような鼓動が伝わりはしないかとフェリアナは心配する。勇者の出でも乙女心はあるのである。そとからがやがやと声が聞こえてくる。それにつれて明かりも近づいてくる。 「月の女...
やりなおしアリス | 2016.11.16 Wed 16:17
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 少女―リトル・フェリアナはずんずん怒りにまかせて足をうごかしていた。 なぜ16歳にもなってリトルがつくのか? 簡単な理由ではあるが。母親のフェリアナの長女としてフェリアにそっくりに生まれ、みんなから可愛い母の小さいバージョン、リトルということとしてつけられた。いまだにその名前は残っている。だがリトルとしては承服しかねる年齢である。いい加減やめてほしい。今日成人の儀を迎えるのだ。これできっぱりやめてもらう。そう思ってずんずん森の中を進むととたん...
やりなおしアリス | 2016.11.07 Mon 19:04
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