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JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの ふわり、と四人は何か柔らかいクッションのようなものに落ちた。 「なにこれ。暗くて何も見えないじゃないの」 アミルが騒ぐ。 「ここはいったいどこなのでしょうか」 カミュもフェリアナを敵から守るようにかばう気配がフェリアナにはわかった。 カミュ、暗闇でも私がわかるんだ。早鐘のような鼓動が伝わりはしないかとフェリアナは心配する。勇者の出でも乙女心はあるのである。そとからがやがやと声が聞こえてくる。それにつれて明かりも近づいてくる。 「月の女...
やりなおしアリス | 2016.11.16 Wed 16:17
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 少女―リトル・フェリアナはずんずん怒りにまかせて足をうごかしていた。 なぜ16歳にもなってリトルがつくのか? 簡単な理由ではあるが。母親のフェリアナの長女としてフェリアにそっくりに生まれ、みんなから可愛い母の小さいバージョン、リトルということとしてつけられた。いまだにその名前は残っている。だがリトルとしては承服しかねる年齢である。いい加減やめてほしい。今日成人の儀を迎えるのだ。これできっぱりやめてもらう。そう思ってずんずん森の中を進むととたん...
やりなおしアリス | 2016.11.07 Mon 19:04
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 私は恨んでいた。あのいとしい人を奪ったやつらを。いや、やつなのかもしれない。 元凶はやつなのだから。だから私は街々をさまよい、情報を集めた。だけどやつの居所は20年も前から姿を消していた。そんなときに耳にしたのは死神一族のことだった。 妖魔を退治する専門の一族。あそこでなら誰かはなしを知っているかもしれない。 そうして私は一族の村を探して回った。そこであの人に出会った。 青年、ラグーはただ祈っていた。静かにずっとその墓石の...
やりなおしアリス | 2016.11.07 Mon 13:01
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 天舞天龍外伝恋人たちの戯言2 ピンポーンと真琴の家のチャイムが鳴った。母親があけに行く。真琴は二階で適当に過ごしていた。聞き覚えのある声がする。 「まこちゃーん。あそぼー」 ずる。 五歳の子供か? 真琴は美希の天真爛漫な声にずっこけた。 「まこちゃーん」 いかないと連呼されそうな気分に襲われて真琴は階下へ降りた。 「美希。馬鹿でかい声でなにしにきたの?」 「んー。ダブルデートしようかなぁと思って」 はぁと真琴は口をあけてし...
やりなおしアリス | 2016.11.07 Mon 12:37
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「あははは。このテレビ面白よね。冬樹さん」 テレビを見て真琴はけたけた笑う。 「そのさんつけやめていただけませんか?」 たまりにたまったというように冬樹は言う。 「冬樹でいいのですから」 「じゃ姫様っていうのもやめてくれる?」 むっとした表情で真琴がこたえる。 「姫様は姫様です。私のたった一人のかけがえのない姫様です」 「以前まこと呼んでくれたじゃないの」 「あれは・・・」 以前翼一族の道場で倒れかけた真琴を抱き上げてまこと...
やりなおしアリス | 2016.11.06 Sun 16:14
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 雨が降っていた。 走ってもぬれるだけだ。天使の力を使えば飛べるが大勢の中で使うのは馬鹿というもの。どちらにしてもぬれる。走って一気に事務所へ帰るかと迷っているとすいっと傘が差しだされた。人間嫌いの私に傘を出しだすとはなんと楽観的な人物だろうとみれば事務員の香だった。 「私もちょうど事務所に行くところです。よろしかったらどうぞ」 香はしっかりとした口調で話している。普段は大変スローだがんぜかレイに対しては普通だった。同じ立場故悪くはないがレ...
やりなおしアリス | 2016.10.24 Mon 01:07
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 目を覚ました美希は見慣れた顔に囲まれていて安心した。 「晴美姉ぇ。諒」 「よかった〜〜〜〜。もう一生目を覚まさないかと思った」 そういって諒はベッドのわきにつっぷした。肩が小刻みに震えている。 「泣いてるの?」 「恥ずかしいことにな」 突っ伏したまま諒が答える。 「お子様ねぇ。それじゃ美希ちゃんをお嫁にできないわよ。これ以上の組み合わせがないっていうのに」 晴美が諒の背中をたたく。するとむせる諒の咳が聞こえてきた。 「ちょっと...
やりなおしアリス | 2016.10.24 Mon 01:06
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 王宮からきた使者を先に行かせるとアンテと公爵となった兄、カイルもまた離宮を離なれていった。 穏やかな表情で見送るアベルにメリーはそっと言う。 「アベル様もお帰りにならなくていいのですか? お兄様の式典ですのよ?」 「兄は兄。私は私だよ」 そっとまたアベルが耳打ちする。メリーはそのたびにどきりと胸の鼓動がたかまる。 その仲の良い様子をマリーベルは意地悪そうな目で見ていた。 アンテたちが去ってからというものアベルは本当にプレゼント攻撃...
やりなおしアリス | 2016.10.24 Mon 01:04
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 所長室で晴美は朱里の代行筆記をしていた。なんでも諒と料理をしていて指にやけどをおったらしい。傷の程度は軽いが労災はおりない。仕事でも長くパートナーである晴美がポメラで臨時にその役を引き受けていた。もっとも所長室がオフィスラブの現場というのもあたっている。 「で朱里。次は?」 なにやらぼっとしていた朱里に晴美がせかす。 「ファイル整理もおわってないんだかんね」 「ああ。悪い」 気を取り直すと朱里はまた書類のことを話し始めた。 しばらく...
やりなおしアリス | 2016.10.23 Sun 19:45
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの メリーは必死になって指輪をはずそうとしていた。石鹸から指輪を取るオイルまであらゆる侍女道具から取り出してきてがんばっているところにコンコンとドアをたたく音がした。 「はい。今、参ります」 いつもの口調でドアを開けると侍女仲間のジェニファーがにっこりと笑ってたっていた。 「じぇ・・・」 口を開きかけたメリーの口を手で押さえるとジェニファーは部屋に入り込んだ。 「話はアンテ様たちから聞いたわ。おめでとう。クーグル男爵夫人ね。あ、伯爵だ...
やりなおしアリス | 2016.10.23 Sun 19:41
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