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JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「それはな・・・おっと・・・」 ラサはクレドたちに近寄ってくるとよろけた。老齢に老齢を重ねたラサは自由に歩くことすらままならなかった。レティシアの手に導かれていすのひとつに座る。 「人間になることじゃ」 「人間?」 「人に?」 「人間にって?」 三者三様の反応を哲学者ラサは面白げに見つめた。 「神に仕える半神の司祭が罪を起こして証をつけられても人になれば消える。人となったお前さんはもう罪人でないからじゃ。神に仕えなけれればなら...
やりなおしアリス | 2016.09.29 Thu 10:51
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「愚か者!」 自分のいる天上の住まいに神は戻ると第一声にこう発した。相手は司祭のポロンである。「なぜ助けなかった?」 激怒する神の体から怒りのオーラがゆらゆらと湯気のように湧き出ていた。ポロンは以前黙ったままである。 「もうよい。神に仕えぬ司祭など要らぬ。どこぞへでも行くがいい。この証とともに」 突然ポロンは額に熱さを感じた。とっさに手を額に当てる。だが、何が起こったのかはわからな...
やりなおしアリス | 2016.09.25 Sun 16:00
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの あれだけ毎日のように殺人事件が起こっていた街に静けさが戻っていた。あっという間に人々は平和慣れしてなかったかのように生活していた。それが予兆とも知れず。 朱里は迷っていた。いますぐ妖魔に近づくのか来るのを待つか。来るのを待てば守るのにも人材がかかる。兵力が減る。かといって得体のしれない本体にむやみに近づくのもためらわれた。また晴美の解雇の時期もまよっていた。香には話はつけてある。晴美とは最後の最後まで一緒にいたかった。珍しい朱里のわがままで...
やりなおしアリス | 2016.09.25 Sun 15:47
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの それからひっきりなしに事務所には何らかの形で地上に降りた天使たちがやってきた。 中でも大物は蒼系大天使エンであった。天上で暮らしてるのだが妻が人間界出身でその願いで降りてきたという。しばらく朱里の家で生活をすることになった。きっと家では諒が天使の知らなさすぎる現状に頭を抱えているだろう。物を買うにはお金がいるなど人間にとっては必要最低限だが天上界のお偉い大天使はつかいっぱしりがしっかり揃えてくれる。ましてや妻がいるなら妻が財布のひ...
やりなおしアリス | 2016.09.23 Fri 00:56
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 突然つかまれた神はとまどった。 「何をする。この役立たずが。はなせ」 「離さない。父上、母上を守るためなら私はなんでもする。幸いあなたの力をもらった。これで相殺できる」 クレドは体中の力を振り絞って神に力をぶつけようとした。これほど近ければ神も滅んでしまうだろう。まるで正と負の力のぶつかり合いになった。光がほとぼしる。 「離せ。この人間風情が!」 神が抵抗する。 「いやだね。あんたの思い通りになるのはポロンだけだ。どうせなら一...
やりなおしアリス | 2016.09.23 Fri 00:53
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「朱里♪。おにりぎりだよ。一緒に食べよ」 一人所長室にいる朱里の元へおにぎりを二人分もって晴美は所長室へ入った。 「ああ。そこへおいておいてくれ」 放っておいてほしいとでも言わんばかりに朱里が言う。 「いつなの? 妖魔の襲来は」 「はっきりとは分からない。辞令が出たばかりだ。いきわたるまでは待っていてもらいたい」 「そんときがあたしと朱里の終わるときなのね」 「晴美?」 朱里が振り向くと目に涙を必死でこらえる晴美がいた。 「...
やりなおしアリス | 2016.09.21 Wed 17:10
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 二人はまばゆい光に包まれ何も見えなくなった。クレドは必死にレティシアの名を呼ぶ。 「レティ! どこだ!」 「クレド!」 互いに名を呼び、求め合う。手探りで二人は相手を探した。手がぶつかる。クレドはその手をしっかり握った。光が去り、目を開けるとそこは異次元だった。見たこともない景色が広がっている。二人は戸惑いながらも強く手を握っていた。だが、顔が見えるとなると急に恥ずかしくなって二人ともばっと手を離してしまった。照れた顔が二人の顔に浮かぶ。 「...
やりなおしアリス | 2016.09.21 Wed 11:21
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 真っ赤なマタニティドレスを来た女性は驚くこともなくただこの事務所の主人の名を挙げただけだった。 「朱里はいるの?」 「なんですか。うちの所長に」 うちの、に相変わらず強調して晴美が応対する。 「いいから案内しなさい」 「いわれなくてもいるが?」 冷たい声でシルヴィアに声をかけたのは朱里本人だった。 「近々妖魔が襲うようね」 「それが」 「ってあたくしも参戦すると言えば?」 「君は人間になったんだろう? しかも妊婦にでき...
やりなおしアリス | 2016.09.20 Tue 12:26
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 翌朝、クレドは何気ない顔で起きてきた。だが、長い付き合いのレティシアにはすぐにわかった。クレドがどことなく緊張していることを。何かを抱えている。まるで爆弾を抱えている、そんな気がした。ふてぶてしかったクレドにどことなく繊細な雰囲気が加わっていた。 朝の酒場は閑散していた。酔いつぶれた客が二、三人いるだけだった。そしてその場に不釣合いな客が一人、僧侶が一人いた。 「依頼を受けよう」 クレドは仏頂面をして男に告げた。それ以外の言葉はな...
やりなおしアリス | 2016.09.20 Tue 12:05
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「イツキ。イツキ・・・」 美希は薄靄のの中に立っていた。どこからか自分を呼ぶ声が聞こえる。自分の名ではないのになぜか自分だとわかっている。懐かしい声。 「イツキ・・・イツキ・・・」 「誰? 誰なの?」 美希は薄靄の中をみまわした。 ふっと気配を感じてみるとそこにはまるで仙人のような男性とうら若い青年が立っていた。知らず知らず言葉がもれる。 「お父様・・・。天羅」 そこには五百年前に生きていたときの父親と双子の弟が立って...
やりなおしアリス | 2016.09.19 Mon 11:11
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