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JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「朱里♪。おにりぎりだよ。一緒に食べよ」 一人所長室にいる朱里の元へおにぎりを二人分もって晴美は所長室へ入った。 「ああ。そこへおいておいてくれ」 放っておいてほしいとでも言わんばかりに朱里が言う。 「いつなの? 妖魔の襲来は」 「はっきりとは分からない。辞令が出たばかりだ。いきわたるまでは待っていてもらいたい」 「そんときがあたしと朱里の終わるときなのね」 「晴美?」 朱里が振り向くと目に涙を必死でこらえる晴美がいた。 「...
やりなおしアリス | 2016.09.21 Wed 17:10
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 二人はまばゆい光に包まれ何も見えなくなった。クレドは必死にレティシアの名を呼ぶ。 「レティ! どこだ!」 「クレド!」 互いに名を呼び、求め合う。手探りで二人は相手を探した。手がぶつかる。クレドはその手をしっかり握った。光が去り、目を開けるとそこは異次元だった。見たこともない景色が広がっている。二人は戸惑いながらも強く手を握っていた。だが、顔が見えるとなると急に恥ずかしくなって二人ともばっと手を離してしまった。照れた顔が二人の顔に浮かぶ。 「...
やりなおしアリス | 2016.09.21 Wed 11:21
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 真っ赤なマタニティドレスを来た女性は驚くこともなくただこの事務所の主人の名を挙げただけだった。 「朱里はいるの?」 「なんですか。うちの所長に」 うちの、に相変わらず強調して晴美が応対する。 「いいから案内しなさい」 「いわれなくてもいるが?」 冷たい声でシルヴィアに声をかけたのは朱里本人だった。 「近々妖魔が襲うようね」 「それが」 「ってあたくしも参戦すると言えば?」 「君は人間になったんだろう? しかも妊婦にでき...
やりなおしアリス | 2016.09.20 Tue 12:26
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 翌朝、クレドは何気ない顔で起きてきた。だが、長い付き合いのレティシアにはすぐにわかった。クレドがどことなく緊張していることを。何かを抱えている。まるで爆弾を抱えている、そんな気がした。ふてぶてしかったクレドにどことなく繊細な雰囲気が加わっていた。 朝の酒場は閑散していた。酔いつぶれた客が二、三人いるだけだった。そしてその場に不釣合いな客が一人、僧侶が一人いた。 「依頼を受けよう」 クレドは仏頂面をして男に告げた。それ以外の言葉はな...
やりなおしアリス | 2016.09.20 Tue 12:05
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「イツキ。イツキ・・・」 美希は薄靄のの中に立っていた。どこからか自分を呼ぶ声が聞こえる。自分の名ではないのになぜか自分だとわかっている。懐かしい声。 「イツキ・・・イツキ・・・」 「誰? 誰なの?」 美希は薄靄の中をみまわした。 ふっと気配を感じてみるとそこにはまるで仙人のような男性とうら若い青年が立っていた。知らず知らず言葉がもれる。 「お父様・・・。天羅」 そこには五百年前に生きていたときの父親と双子の弟が立って...
やりなおしアリス | 2016.09.19 Mon 11:11
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 真夜中の街中を小走りに逃げながらレティシアはクレドにたずねた。 「これからどうするの?」 「カディスに渡ろうと思っている」 クレドは淡々と答えた。 「カディスってあの異教徒の・・・?」 一応聞き及んではいたがどんなところか詳細をレティシアは知らなかった、ラディス、ハディス、ミディスで崇拝されているエンヤ、モイヤ、ハイヤの三神とはまったく違う神を祭っていると聞いている。その風俗はまたいっそう違っているらしい。このミディ...
やりなおしアリス | 2016.09.19 Mon 11:07
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「加瀬君! 加瀬君!」 美希が一生懸命声をかけているとそれを遮る声が降ってきた。 「心配ない。気を失っているだけだ」 その言葉に反射的に美希が反論する。 「怪我してるんですよ!」 「それでは聞くが。君は自分自身をイツキと認めるのか? 「それは・・・」 美希が躊躇する。 「ではそいつと何の関係もない。帰りたまえ」 冷たく一瞥すると朱里は背を向けた。あとからいたサイ・レイが涼を担ぐ。 「これだからぼんぼんさんはねぇ」...
やりなおしアリス | 2016.09.18 Sun 13:47
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 主都へは難なく進んだ。ラディスより治安がいいいようだ。夜盗もでない。二人は一頭の馬に乗って進路を進む。体が触れ合って体温が伝わっていく。人の温かみに触れて二人とも安心感を感じながら進んでいた。だが、クレドがからかっていると気に入らないかのように仏頂面になることもしばしばだった。 主都に到着してすぐに大臣のいるところへ行った。門兵のところでいささか時間を取ったが秘書にクーグル伯爵家の封筒を見せるとことはとんとん拍子に進んだ。 ...
やりなおしアリス | 2016.09.18 Sun 09:20
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの クーグル伯爵家の取り計らいで最新の速船を使用することができた。これだと通常の半分でミディスにつく。 「それでは幸運を祈っているよ」 見送りに来たアベルが言う。となりにいるカイルもうなずく。 「一ヶ月はいるようにいってある。それまでに戻ってくるように」 期限は一ヶ月。クレドは必ずレティシアのクリスタルの片方を探そうと心を新たにした。 船に乗り込む。さすがは伯爵家というということだろうか。船室は手の込んだすばらしいものだった。船自...
やりなおしアリス | 2016.09.15 Thu 09:24
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 天界、天上界、人間界。この三つの世界が織り成す世界がある。この物語はその世界をめぐった少年少女たちの戦いの記録である。 「所長〜。いとこがケーキ持ってきてくれました。おやつにしましょー」 青木晴美が言う。馬鹿みたい、と諒は思う。三歳児の子供じゃあるまいし。 「じゃぁ。私はここで」 「あ。帰っちゃうの? 一緒にどうかと思ったんだけど」 「ううん。お仕事邪魔しちゃ悪いから晴美姉ぇたちで食べて」 「サンキュー。美希...
やりなおしアリス | 2016.09.13 Tue 08:54
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