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JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 死神の村に黒い影がひとつ、ふたつ、みっつ・・・。幾数の異形の者たちが降り立った。静かに任務をこなしてく。誰かを探しているようだ。違えば殺していく。もっとも用のある人間も殺すように命じられていたが。だが、死神一族はそう簡単にはやられない。誰かが非常用の鐘を鳴り響かせた。 カン。カン。カン。 三度鳴って警戒態勢に村は変わった。男たちが出てくる。 返り討ちにあって倒れるもの。異形のものをしとめていく者。さまざまいる。ぐっすり眠...
やりなおしアリス | 2016.08.10 Wed 08:42
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの フェリアナに支えられてシャインは帰ってきた。穴があったら入りたい。シャインは切実に願った。失敗してさらに恋人に助けられたというのでは男の面目丸つぶれである。出来損ないの勇者など聞いたことがない。だが、村人たちは温かく迎えた。下手すれば宴会でも起こしそうな勢いだ。 いったい何なんだ? シャインが目をも丸くしてみていると一人の青年がその答えを与えてくれた。 「よく生きてもどってこれたな。あそこへ行ったら死じまうか首を持って帰るかのどちら...
やりなおしアリス | 2016.08.09 Tue 00:35
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「なんだってー?! フェリアナと結婚するのにまだ儀式が必要だってー?」 シャインのすっとんきょうな声がフェリアナの里、死神の渓谷に響き渡った。最後の審判を終えたシャインは自分の里には帰らずフェリアナの里にいついてしまった。フェリアナと離れたくなかったというのが一番の理由だが、他にもエミリア回避問題もあったからだ。死神の里といわれる割にはそこはほのぼととした空間だった。子供がかけまわり老人がひなたぼっこをしている、そんな普通の日常がそこにあった。ただ人並...
やりなおしアリス | 2016.08.08 Mon 22:17
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 言われるままに彼ら四人は階段を下りていく。姿の見えないその女性の姿をすでにカイルは見つけていた。そして振り返り様につぶやいた。アイリーン、と。 万感の思いでつぶやいたカイルに女性は頷いた。カイルはそれをみると狂気の顔から青年の顔に戻り、階段を下りていった。 階段はどこまでも続く。地の底へよりも深いのではないかと思わせられる階段だった。一歩進むごとに壁にかけられた明かりが足元を照らしていく。 シャインはフェリアナの手をしっかりとつない...
やりなおしアリス | 2016.08.07 Sun 20:36
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 図書館の文献はなし、さらに古い文献を伝えているクーグル家のものもだめ。シャインたちは頭を抱えた。 もう本の字などみたくはない、と思っているシャインがめんどくさそうにクーグルに問う。 「第四の聖具。すでにお前のにーちゃんが持っているんじゃないのか? アンの覚醒のとき俺の剣が共鳴してた。フェリアナもそうだと思う。たんにアンの聖杯に共鳴してアンを目覚めさせるだけではおかしいぐらいだった。黙っていたけれどねー」 シャインは軽く言う...
やりなおしアリス | 2016.08.07 Sun 19:13
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「うー。頭ががんがんするぅー」 見事にシャインはクーグルにつぶされ二日酔いになってしまった。その倍以上飲んでけろりとしているのがクーグルである。 「うさばらしには酒が一番だからね」 とさらりと前髪をかきあげる。いいかげんこの気障な行動も見慣れてしまった。 そこへおえーとシャインがえづく。 「動くな。吐くのをがまんしろ」 バースの無理な注文にアンメリーが笑う。その少女の笑い声にフェリアナの笑い声がかさなる。酒で忘れられるぐらい...
やりなおしアリス | 2016.08.04 Thu 22:33
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「もういやよっ。こんなの読めるわけはないわっ」 フェリアナは本をどさっと卓上においた。年代ものへの扱いはひどかろうと思うが、フェリアナのいらいらからすると破って捨ててしまいたいほどだ。 「もう少しでも我が伝統を大事にしてもらいたいものだね」 のびやかな声でカイルが言う。こうしてみているとあのまがまがしい闇の気配が嘘のようだ。 「一度休憩を取りたまえ。苦手なことを延々する必要はない」 カイルはそういうとまた別の本を取り...
やりなおしアリス | 2016.08.03 Wed 20:36
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 魔術という未知の方法で連れ去られたフェリアナは驚いていた。一瞬の間で違う場所に行きかうことができるとは思いもしなかった。わざわざ兄弟二人で身代わりごっこをする必要はなかったのでは、と思うがかなり体力を消耗するようだ。カイルはどこか疲れた顔をして言った。 「今のうちに別れを告げておくんだね」 その言葉にフェリアナは鋭く反応した。 「私は戻るわ。必ず。大好きな人のいるところに・・・」 強く自信にあふれた言葉にカイルは冷笑する。 「...
やりなおしアリス | 2016.08.03 Wed 14:50
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「僕ら・・・いや私達はどちらがアイリーンの愛を得られるかふざけあいながら競っていた。まだ若かったから本当の愛がなんたるかも知らなかった・・・」 クーグルはそこで口を閉ざした。たが、意を決したように顔を上げて話し出した。 「あの日、暑い夏の日だった。私たちは小川でまたふざけあっていた。私は・・・。兄をつきおとした。殺意がなかったとはいえない。ただ、ふざけあいの延長上に落としたのだ。すぐにカイルは戻ってくる。だからいつにもまして悦...
やりなおしアリス | 2016.08.02 Tue 23:29
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「うへー」 ボートから降りるなりシャインは言葉を吐き出した。船は内海までいけず外海からボートを使ってきたのである。一応港らしきものは見えたが原形をとどめていないようだった。こぎ役はもちろんバースの使い走りシャインと力に自信のあるバースが担当した。もちろんフェリアナは女の子ということで除外され、クーグルは最初からやる気なしだったのでこの二人しかいなかったのだ。 「こんなところに第三の聖具があるわけ?」 荒れ果てた土地を見てシャインは口を滑らす。 ...
やりなおしアリス | 2016.08.01 Mon 13:27
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