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JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの そんなこんなで始まった旅道中だが、そもそもうまくいくはずがなかった。なにしろ、フェリアナは異端扱いされども里を出て稼ぐようになると貴族級の生活をしてきおり、金銭感覚が狂っている。他人にかかわる時だけせこくなる。一方シャインは伝え続けられた伝説の剣を家に生まれたはいいが、生活は中の下である。重箱の隅をつつくような生活をしてきたのだ。唯一の楽しみは食事。シャインのアイデンティティはそこだけによっていることが多い。これだけ生活スタイルが...
星空のスピカ | 2016.06.29 Wed 21:29
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「さぁさぁ。アキ。こちらですよ」 「はい」 陰ではなんとでも言えるがいざ面と向かっては少女趣味のおばさんとはいえない。これでも現王妃なのだから。 何度目かわからないドレスの仮縫いをしながら亜紀は王妃に尋ねる。 「そんなに女の子がほしかったのですか?」 「もちろんよ。念願の娘ですよ。娘」 嬉々として段取りを運ぶ王妃は満面の笑みだ。 「でも・・・まさか・・・」 ある事実を思いついて口が止まる。 王妃の顔に影がかかる。 「そうね...
星空のスピカ | 2016.06.22 Wed 16:30
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 2004/06/20 光と闇交わりし時、世界の裁きは起こる。 彼女の名前はフェリアナ。 闇の一族の末裔。世の影で世界を動かすために戦う少女。 彼女は今日も戦っていた。 世を騒がす妖魔と。 戦いながらじれったそうにフェリアナは額から前髪を払った。 汗が額に浮かぶ。 だが、踊りのようなテンポいい戦いの中でも彼女の顔は憂いに満ちていた。 戦いは戦いしか産まない。人の負の感情は永遠に続き。そのたびに妖魔が増えていく。 だけど...
星空のスピカ | 2016.06.20 Mon 17:05
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 亜紀とフィナンスはいつもの泉に来ていた。 静かな時間が心を穏やかにさせていく。 すべてのことが終わり二人ともほっとしていた。 ファラ国のことも何もかも忘れて二人きりで甘い時間を過ごしていた。 「ねぇ。フィー」 亜紀はたずねる。 「なんだい?」 「来たのが私でなかったら好きにならなかった?」 反対を言えば違う人間だったらどうなのということだ。 「いや。俺は初めてここで亜紀を見てから一目でとりこになったと思うよ。それほど亜紀はきれい...
星空のスピカ | 2016.06.20 Mon 15:58
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 男は木箱をあけて琥珀色の指輪を愛おしそうになでた。ぴかりと指輪が光る。 「ついにこの時が来た。三つの指輪を私のものに」 眠っている亜紀はぱっちりと目をあけた。天井が見慣れない。ああ。ここはファラ国だと認識する。なにやら外が騒がしい。 思うや否やばん、と大きな音をたてて扉が開けられた。衛兵が入ってくる。 「何? ロールは?」 亜紀は真っ先に尋ねていた。この宮殿を一切預かっているのはロールだと昨日フィナンスが言っていた。 「ここ...
星空のスピカ | 2016.06.19 Sun 18:42
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの ファラ国へ通じる道はファンダ峠しかない。もっとも翼馬なのでどこでもひとっとびだがフィラ山脈は標高が高い。一番低いのが唯一のつなぎであるファンダ峠である。そこを通ってフィナンス達はファラ国へと向かっていた。 ファラ国はフィラ山脈をはじめとする盆地で成り立っている。季節が春夏秋冬とありさまざまな季節が体験できる。サンダールとは一風変わった地域である。また果実がおいしいところでも有名である。亜紀はフィナンスから教えてもらったことを反芻しなが...
星空のスピカ | 2016.06.18 Sat 20:13
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 亜紀は宮殿のテラスでフィナンスとこそこそ隠れて指輪をつきあわせていた。フィナンスの王の指輪、亜紀の王妃の指輪。この二つがそろえば次の指輪、世界の指輪のありかがわかると思ったのに指輪は一向にその気配を見せなかった。 「おかしいわねぇ。フリィナクの言い方だとこの二つの指輪がそろえばわかるはずなんだけど」 フリィナクの名を出したとたん亜紀の心がちくり、と傷んだ。かわいそうなフィリナク。本当は優しい人だったかもしれないのに。生まれた境遇であんな最後を迎...
星空のスピカ | 2016.06.17 Fri 19:13
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「またしても王妃の指輪ははずれなかったか・・・」 総長の一人が薄暗い部屋の中で言う。 「あともう一歩だったのがだが・・・」 「あのフィリナクを利用したのが悪かったか・・・」 「こうなれば皇太子を狙うか?」 大胆な発言が飛び出す。 「王妃がだめなら皇太子か・・・。それもよかろう」 「カタールの栄光のために」 「栄光のために」 ぞろぞろと五人の総長は部屋を出て行った。だが、一人だけ残ったものがいた。そしてその総長は一人の名を呼んだ。ヨタカと。 す...
星空のスピカ | 2016.06.17 Fri 00:03
サイスは薄暗い林の中を歩く。亜紀は黙ってそのまま進んだ。時折飛び出た枝が亜紀の腕や体を引っかく。血がにじむ。それと同じくして亜紀の心の中にも血が流れていた。愛するフィナンスと離れてフィリナクと結婚させられると思うと胸が張り裂けそうだった。だが、ここでめそめそしていられない。自分たちの道を自分で切り開かねばならない。 亜紀は毅然として胸を張って歩いた。 うっそうとした林を抜けると視界が開けた。そこには一軒の見慣れないみずぼらしい民家があった。 「こちらです」 サイスは低い声で小...
星空のスピカ | 2016.06.16 Thu 23:19
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 日本とサンダール国融合のいささか手前の時刻、ある薄暗い一室で術が行われようとしていた。 長身で黄金の髪の毛が色白な顔を縁取り、見目麗しい青年だ。だが、瞳には何か違う、まるで地の底に暗いものを宿すような色があった。 青年は古びた本を片手に詠唱を始めた。青年の声が反響してまるで多重音楽のような状態を作り出し麗しく、そして不気味だった。部屋の外では側近サイスが控えていた。 そう。この青年こそ、フィリ国第一王子フィリナクであった。事前に謀反の事実を知...
星空のスピカ | 2016.06.12 Sun 15:54
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