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JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「それがね・・・」 真美子は一拍置くと名前を出した。 「あの冴子ちゃん」 明らかにげんなりとして真美子がいう。埋没した個性が逆に光っていたらしい。個性派ぞろいのクラスでは冴子がひとつだけ浮いていたのかもしれない。 「ええ〜??」 「うそでしょ〜」 「信じられないっ」 さんざん冴子を「軽蔑」しているという口調で女生徒達が騒ぐ。 冴子自身はぞんざいにも「はぁ?」である。 口もきいたことのない人間とどうやって恋愛沙汰になろうか。しかし女生徒の痛い視...
星空のスピカ | 2016.04.05 Tue 23:48
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの ふわり、と四人は何か柔らかいクッションのようなものに落ちた。 「なにこれ。暗くて何も見えないじゃないの」 アミルが騒ぐ。 「ここはいったいどこなのでしょうか」 カミュもフェリアナを敵から守るようにかばう気配がフェリアナにはわかった。 カミュ、暗闇でも私がわかるんだ。早鐘のような鼓動が伝わりはしないかとフェリアナは心配する。勇者の出でも乙女心はあるのである。そとからがやがやと声が聞こえてくる。それにつれて明かりも近づいてくる。 「月の女神さまの使者が降りられ...
素人さんのファンタジーblog | 2016.04.05 Tue 19:05
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 満月(フルムーン)に連れて行って 第一話 少女―リトル・フェリアナはずんずん怒りにまかせて足をうごかしていた。 なぜ16歳にもなってリトルがつくのか? 簡単な理由ではあるが。母親のフェリアナの末っ子として生まれみんなから可愛い妹のリトルということとしてつけられた。いまだにその名前は残っている。だがリトルとしては承服しかねる年齢である。いい加減やめてほしい。今日成人の儀を迎えるのだ。これできっぱりやめてもらう。そう思ってずんずん森の中を進むととたんに視界が開け...
素人さんのファンタジーblog | 2016.04.04 Mon 18:41
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの はぁ、と青空を見上げて冴子はため息をついた。 ぱっとしない容姿、目立たない性格。いちじるしく埋没した個性。さえないとはまさにこのことだろう。 だが、そんなさえない冴子すら恋はする。 サッカー部の諸星先輩にあこがれているのだ。そっとフェンスの外から見ることしかできないがそれでも冴子は満足していた。 「よぉ。さえない冴子ちゃん。また来たのか?」 幼馴染で腐れ縁の康平がフェンスの向こう側から声をかけた。 「なによ。あんたなんてお呼びじゃないわよ」 ...
星空のスピカ | 2016.04.04 Mon 18:32
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 太郎と出会ってから都は旅を続けた。同じような道をてくてく歩く。歩く人数がだんだん増えていく。やはり「黒の森」、そこが救いの場所になるのか。だが、同時に危機感を都は持っていた。大勢が集まるところだけが真実ではない。都だけに知りえた真実だった。なぜなら・・・・。 なぜなら。 都には力があったからだ。サイコキネシス。そういえば通じるであろうか。都は手に触れず物を動かすことができた。そして聞こえないはずの声を聞く能力。テレパシー。ただ人の...
星空のスピカ | 2016.04.03 Sun 18:21
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの はじめに一つの光があった。光の神は娘と息子を作った。神は娘に天を支配させた。息子は娘の傍らにいた。やがて人々は息子の光を望むようになった。息子の光の方が明るかったからである。息子が天に登るようになると人々は歌い舞い踊った。娘はやがて忘れられるようになり地下に隠れるようになった。息子は娘の存在を忘れて行った。娘の涙をみた神は交互に世を支配するようにした。だが娘の涙は止まることはなかった。息子と一緒にいられないからである。月の世新月は嘆きを激しくした娘...
星空のスピカ | 2016.03.26 Sat 08:52
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 第一章 灰色の乙女 明日、入学式を迎える藤原都はなげやりな気持ちでスーツを広げていた。今頃うまくいけば第一志望への大学への希望に胸膨らんでいるところはずだった。夜が更けていくとともに段々、情けなくなってくる。それなりに勉強したはずだった。模試もいい結果だった。でも結果は女子短大。別に短大を卑下しているわけではない。それでも行きたいところに行きたかった。地獄の受験から解放されて華のように広がるキャンパルライフを送る予定だった。それなのに・・・。 ...
星空のスピカ | 2016.03.25 Fri 14:26
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 次の日、葵は寝ぼけ眼で瞼を開けて見慣れない天井にはっと我に返った。 自室ではない。カルマに案内された客間の一室だった。天井の幾何学模様が美しい。 「お寺みたい・・・」 ぼそっとつぶやくと自然に昨日来ていた制服を探す。 「ない・・!! 私の制服はどこ?!」 「おや?お目覚めですか?」 扉の隙間からカルマが顔を出した。 「私の制服はどこ?!」 かみつかんばかりに葵が言う。 「そう心配せずともこちらで預かっていますよ。こちらでは用意した服を着てい...
星空のスピカ | 2016.03.20 Sun 15:17
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 黄金色(きん)の子供 プロローグ 核兵器。それはなんと恐ろしいものだろうか。あれほど核防止策を練っていたのに一つ使うと次々と紛争は現れ、核は恐ろしいほど使われていった。それにより人口は激減した。緑は枯れ、荒涼した土地に変貌した。恐ろしいまでの事件の後、人々は気づいたがすでに遅かった。放射能を浴びすぎた人々と世界は変貌を遂げた。今まで夢物語であった魔術が使えるようになったのだ。人々は狂喜した。それが悪魔のわなとも知らずに。いつしか魔術と機械のおりまざっ...
星空のスピカ | 2016.03.20 Sun 12:00
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの スカイブルー〜序章 それはそれは小さな光だった。 小さな小さな・・・。 それが希望の光となった。 世を照らす光となった。 人々は喜び歌い舞い踊った。 明るい世界は希望で満ち溢れた。世を照らすモノは思う。もう一対の光はどこへ行っただろうか。行くへ知れずの光を思うが人々の喜びにまぎれていく。 そして光は太陽になった。 「いいんちょ〜。あづいよ〜」 「その呼び名はやめてといってるでしょう?」 心底嫌そうに葵は言う。委員長なんて押し付けられた...
星空のスピカ | 2016.03.16 Wed 16:43
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