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JUGEMテーマ:連載 第五章 玄丈先生と如雪の対決3 笹木誠一との会談(4) ここで海老芋の粕汁が運ばれてきた。加藤さんは、椀に手をつけて言った。「なかなかうまいですね。このお店は」 一同がうなずいているのを見て、加藤さんは話をつづけた。「そうですか。活伝協会さんの現場を預からせていただけるとは……」 加藤さんはそう言ってから、急に笹木に声をかけた。「あの笹木さん」「はい、なんでございましょうか?」「先ほどのお話ですと、如雪会長は事業経営に専念するということのようですな」「はい。なにしろ、新...
ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.09.14 Mon 09:40
登場人物紹介 アイリスは最後尾で、ディングレーの背に隠れたテテュスを、見つめた。 ディングレーが気づいて振り向く。 その、男らしい引き締まった表情と深い青の煌めく瞳は、強い意志が籠もり微動だにせず、アイリスは心から信頼してその男に、自分の命とも言える息子を、託す。 ディングレーの瞳は、決して裏切らない。と告げていて、アイリスは鮮やかに微笑むと一声、叫んだ。 「用意は、いいぞ!」 ローフィスはそっ、と背後のオーガスタスを振り向くと、彼の返答を待たず拍車をいきなり掛け、ゼイブンはそれに直ぐ呼応し...
アースルーリンドの騎士 | 2009.09.13 Sun 15:11
JUGEMテーマ:連載 「明日、この時間…」男は胸ポケットから名刺を取り出した。「約束は守る。金は問題じゃない、あんたが殺ってくれるかどうかそれだけが重要なんだ。私も…その…あんたを信用しているというわけじゃないからな」 おれは後藤をにらみつけていたが、こいつがおれを信用していない…この言葉には真実味があると思った。「会社は垂網か」名刺を見ながら言った。「ああ」藤田はいどむような視線をよこした。「それから秘密は守ってくれるんだな。そのように聞いたんだが」「都敷からか?」 藤田は頷いた。「あの男はおれの...
天使のヒットマン。(小説ブログ) | 2009.09.12 Sat 02:39
JUGEMテーマ:連載 第五章 玄丈先生と如雪の対決3 笹木誠一との会談(3)「正直申しますと……」 笹木はこれまでと違って、声をやや沈ませて言った。「私のような浅学非才の者では、如雪会長の手足となるにはいかにも力不足です。なんとか玄丈先生にお力添えをいただけないでしょうか」 笹木はテーブルに頭をこすりつけんばかりである。「これはこれは。どうぞお顔をおあげください。そこまでしていただくのはいくらなんでも恐縮です」 加藤さんは笹木の態度に感じ入ったという顔をした。「加藤顧問。如雪会長は玄丈道場さんに私...
ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.09.11 Fri 08:30
JUGEMテーマ:連載 第五章 玄丈先生と如雪の対決3 笹木誠一との会談(2)「いえ」 笹木は少しためらうように言った。「協会には三年ほど在籍しております。それまでは、機械加工メーカーの経理部に勤めておりました」「そうですか」 加藤さんはなにくわぬ顔でうなずきながら、話をつづけた。「道場経営には専門の管理者が必要でしょうからね。整体の先生は、技術の面はともかく、経営面にはうといですからなあ」「いや、いや、私などは管理者と呼ばれるのはおこがましい人間です。私はただ如雪会長の方針のとおり動いているだけ...
ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.09.10 Thu 10:03
JUGEMテーマ:連載 第五章 玄丈先生と如雪の対決3 笹木誠一との会談(1) 激動の十一月もようやく終わろうとしていた。ところが、三十日になって、活伝協会の経理責任者である笹木誠一が、突然道場に電話をかけてきた。十二月初めに、玄丈先生に会いたいと言うのである。 しかし、玄丈先生は地方に出張予定が入っているため面談は難しいと断ると、それなら責任ある立場の人でよいから会いたい、と笹木は強く主張した。 そこで、玄丈先生は戦略チームの加藤チーフに急遽代役を依頼することにした。 話を聞いた加藤さんは、玄丈...
ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.09.09 Wed 09:04
JUGEMテーマ:連載 第五章 玄丈先生と如雪の対決2 さらなる苦境(9)「如雪が気を使ったって……。ぼくは、ついでということ?」 ぼくは急に身体の力が抜けてきた。「げっしんがかわいそう」というような同情の眼で、晴美がぼくを見ている。それが少しうれしいんだから、情けないったらない。「しっかりせい」 落胆しているぼくの背中を、突然スシボンがバシンと叩いた。 ――このときから、ぼくとスシボンの間には友情が芽生えていたのかもしれない。 新人なんだからまあ仕方ないかと、ぼくは気を取り直して言った。「...
ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.09.08 Tue 09:39
登場人物紹介 アイリスが使用人から受け取った地図を広げ、皆がそれを見つめる。 「街道を、見張ってると思うか?」 オーガスタスの言葉に、アイリスは静かに口を開く。 「ギュンターが対立候補だからと侮って、楽させてくれるとは思えない。 奴らはディアヴォロスを阻む為、全力で阻止しようとする筈だ。 推挙が得られなければ、ギュンターが護衛連隊長に就任するのは、不可能だしな…!」 皆がアイリスの集中力に、つい地図を見つめる。 「直線で行けば『西の聖地』迄僅か、四点鐘(四時間)程だな」 ディンダーデンが言う...
アースルーリンドの騎士 | 2009.09.07 Mon 15:43
詐欺 「よくもまぁこんだけ集まったもんだわ」 札隠し当日20:00。 集まった参加者の群れを懐中電灯で照らしながら、佐ノ助が感心したような声を上げた。 暗いのと身長の都合とで、視界が悪くて無二にはよく見えない。 だが耳に聞こえてくるざわめきと、“皮膚から入ってくる”ざわめきで、確かにかなりの人数がいることはわかる。 “胴元”から配信された告知のメールには例の札束の写真が添付してあったらしい。 見せれば集まると言った写楽の言葉どおり、参加料がふだんの倍額であるにもかかわらず参加希望...
き み は ぼ く の ひ か り | 2009.09.06 Sun 22:59
登場人物紹介 ディンダーデンはまだ、文句を言った。 「俺は補佐の役職の承認を貰う為に否応なしに、随行しなきゃならないんだぞ!」 ギュンターはそっと言った。 「なら俺が補佐に成ろうか? それ位なら反発も多少は、マシだ」 ディンダーデンは噛み付くようにギュンターに振り向くと、怒鳴った。 「だから…! お前が補佐だと俺が! 中央護衛連隊長に成らなきゃならなくなるだろう!」 「成ればいいじゃないか…」 ゼイブンがぼそりと言うと、ディンダーデンはその軽い色男を睨め付けた。 「人事だと、気楽でいいな!」 ...
アースルーリンドの騎士 | 2009.09.06 Sun 14:02
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