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JUGEMテーマ:ショート・ショート 急に寒くなると、人間は少しだけ親密になる。「今日は冷えますね」「そうですね、突然寒くなりましたね」そんな会話が、見ず知らずの、偶然隣り合った誰かと交わされる。皆がいつもより少しずつ近づいて、他人の体温で暖まりたいのかもしれない。だけど君はそんな輪の中に入ってこない。僕が待っているのに、寒いから出て行きたくないとか、手袋が見当たらないとか、服に合うマフラーがないとか、いろんな口実をつけて、家から出まいとしているんだ。君が寒さが苦手なのは知っているよ。でもどん...
Infinity With You | 2009.11.02 Mon 23:56
今日はメゾと遊ぶ日。カレンダーには赤で丸がついていた。タータは、長い髪の毛にくしをいれた。お気に入りのワンピース着た。鏡を見てにっこりほほえんだ。買ったばかりの革靴をはき、キリエと名のついた大好きな人形を手にして、家を出た。タータは、メゾと大きな池のある公園で待ち合わせをしていた。まだメゾは来ていない。タータは腕時計を見た。3時をさしていた。「私ったら、早くきすぎちゃったみたい。」そう言って公園の時計を見た。夕方の4時だった。腕時計は、タータの作ったおもちゃの時計だった。タータはメゾが来るまで...
ENT | 2009.10.31 Sat 22:34
JUGEMテーマ:ショート・ショート昔住んでいた家から、歩いて1分も掛からなかった空き地は金網で囲われ、1か所だけ錆付いた扉があった。私は友人とそこでいつも遊んでいた。とはいえ、空き地は小学生の私や友人の背丈ほどある雑草が生い茂り、喘息持ちでキリンソウがよくないと言われていた私は空き地の奥までは入れず、入り口付近に無造作に置かれた土管に腰掛け、友達と一緒に絵を描いた。その空き地は、秋になるとススキとコスモスでいっぱいになり、絵が苦手だった私は無心でコスモスを描いた。そのせいか、未だに絵は不得手な私だ...
Infinity With You | 2009.10.27 Tue 20:56
JUGEMテーマ:ショート・ショート煙草の煙が霧のように立ち込めている店内に、一人の男が来客した。景気の良さそうな音を立てながら進み、迷い無くカウンターへ座り込む。分厚いコートを着込んだまま、その男はウイスキーを頼んだ。注文した後、男は面倒くさそうに曇ってしまった眼鏡のレンズを拭いた。その様子に、隣に座っていた髭面の男が笑う。煙が吐き出されるその様に、眼鏡を掛け直した男は眉をひそめた。「そう睨むな。今日は、軍服を着てないがどうしたんだ?ウサライエ。」「こんな場所では、軍服は目立つ。まだ自由に泳ぎた...
Le Figuier Commun | 2009.10.25 Sun 23:47
こくこくとうなずく。聞いてるよ、と何も言わずに反応を返す。本当は私の話なんか一つも聞いちゃいないの、知ってたわ。目だっていっさい合わせないでずっと顔を横に向けて壁の時計ばっか眺めて、本当、頭にくるわ。ふんっ、と思いながらまだ話を続けたわ。彼に話を続ける私の姿が好きだったのよ、私が。それはもう、幸せそうに話したわ。明日への希望や期待、過去への輝きや楽しさを、それから前の通りを歩いている人達を観察して思ったことから、街路樹の枝ぶりの美しさは太陽が愛おしくてたまらないからだ、とか。とにかくたくさん...
ENT | 2009.10.25 Sun 13:03
JUGEMテーマ:ショート・ショート僕らは一人の人間のように育ち、同じ女性を愛した。彼女が僕らを両方とも受け入れてくれたのは奇跡とも言えることだ。彼女はより言葉を器用に操る僕に愛を囁き合い、より美しい容姿と肉体を持つ弟と体を重ねた。彼女にとってそうすることは初めから抵抗がなかっただろうかと、彼女と愛を語り合いながら僕は考えるが、弟は気に留めないようだ。 そういった意味で、彼女は僕より弟により近い性質を持っているかもしれない。彼女は僕たちをそれぞれに愛していると言うが、果たして本当にそうなのだろうか...
Infinity With You | 2009.10.24 Sat 11:05
JUGEMテーマ:ショート・ショート三ヶ月前に気まぐれで書き上げた小説です。見つけたので載せてみようと思います。これからは少しずつ小説もあげていきたいなぁ。
紺碧の灯 | 2009.10.22 Thu 16:18
どちらが先に、 ----------------------------JUGEMテーマ:ショート・ショート
星月夜〜gestirnte nacht〜 | 2009.10.21 Wed 15:10
JUGEMテーマ:ショート・ショート 互いに手に触れているのは好きでも、手を繋いでいるのが嫌いだった僕らは、人混みではぐれないように最初はしっかり指を絡ませて手を繋いでいるのに、すぐにどちらからともなく手を離してしまった。はぐれると必ず泣くのは彼女だった。僕は一瞬彼女がいなくなっても、またすぐに見つけられる自信があったんだ。いつも騒々しい人混みが僕らを取り囲んでいたけど、僕らはいつも二人だけの世界にいると思っていたから、僕の目に映るのはいつも彼女だけだった。でも彼女はそうではなかったようで...
Infinity With You | 2009.10.20 Tue 13:16
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