[pear_error: message="Success" code=0 mode=return level=notice prefix="" info=""]
JUGEMテーマ:ショート・ショートJUGEMテーマ:日記・一般 あてがわれていたゲストルームに戻ると、妻がベッドで寝息を立てていた。よほど疲れていたのか、私の足音にも気付かないようである。子供たちはここへ来る途中、ホールで見つけて確保した。ゲストルームに戻るように言ったとき、ぐずるかと思っていたが、案外あっさりとついてきた。気になって聞いてみると、この建物を探検するのは早い段階でやめたという。「だってここ怖いの」上の娘が眉をひそめて言った。ちらりと見れば息子のほうはケロリとしているから、探検...
つらつら | 2009.09.04 Fri 20:40
JUGEMテーマ:ショート・ショートその日、センが帰宅したのは午前零時を少し回った時刻だった。軍人であるセンは、この日も勤務を終えた後、地下活動の会合に顔を出した。その会合が、思いの外長引いてしまったのだった。酒臭い息を吐いた彼は、外套のポケットから鍵を取り出すと、寝ているであろう妻たちを起こさぬようにそっとドアを開けた。靴を脱ぎ、リビングへと向かった彼は、キッチンでお湯を沸かしていた妻の姿を見止めて苦笑を零した。そしてそんな夫の姿を見て、トゥマはにこりと微笑んだのだった。
Le Figuier Commun | 2009.09.01 Tue 20:27
JUGEMテーマ:ショート・ショートこの前空みておもったこと。っていうか今日は選挙の日だった!あと少しで20なのにいけないなんて・・・;;
六つの花 | 2009.08.30 Sun 18:09
JUGEMテーマ:ショート・ショート マークスが家を飛び出したのは当然と言えば当然の結果だった。来ない手紙を待つのが嫌だった。昨日とか、去年の6月くらいの事とかを考えると、喉の奥からハイトーンシャウトを出しながら、携帯で手足を殴る事を止められなかった。マークスは、己の精神の弱さを恥じ、それを克服しようと西瓜仙人の弟子になる事にした。家族に別れを告げると、みな曖昧な顔をした。別れを告げる相手の少なさに、マークスは早くも心を打ちのめされた。西瓜仙人の家は呑川(大田区)の水門の所にあった。西瓜仙人は一見た...
牛乳拭いた後の雑巾臭いブログ | 2009.08.30 Sun 05:12
紅く染まった楓が公園の地面に散らばっていた。踏んで歩くたびに乾いた音をたてるそれらが、寒さで赤くかじかんだ小さな手のひらのように見える。そう思った老人は、奇妙な罪悪感を覚えて足を止めた。そして、今度は温もりを求める手に囲まれたような気持ちになり、身動きがとれなくなってしまった。 そんな妄想にとりつかれ、立ちすくんでいる老人のすぐ傍を小さな女の子が走り抜けた。暖かそうな白いコートを着ていて、真っ赤な手袋をしている女の子だ。その真っ赤な手袋を目にして、老人は我に返った。楓は楓だ、どうして罪悪感...
カメレオンの憂鬱 | 2009.08.30 Sun 00:17
いつもまどのそとみてるまほーつかいさんまほーつかいさんはきむずかしくてなかなかわたしのはなしにこたえてくれないのわたしがおくりものをわたしてもずっとまどのそとみてる「なにがみえるのですか?」まほーつかいさんはしぶいかおをしてわたしにせをむけたべつのひまほーつかいさんすこしにこにこまほーつかいさんまわりのものピカピカにしてたそのひはまどのそとはみていなかったわたしにまほーつかいさんのいえのはなしをしてくれたたのしそうなまほーつかいさんまたべつのひきょうまほーつかいさんまたまどのそとみてた「なに...
ENT | 2009.08.29 Sat 22:25
捜し求めていた景色はカラスの飛び立つ衝撃に備えたたった一瞬の瞬きで終わりを告げたどこまでも広がる空にいつかはたどり着けると信じていたあの頃ははるか昔に封じ込めた記憶の中隣で笑う人に向ける笑顔はいつまでたっても偽者に感じる私の笑顔はどこだろういつ別れたんだろういつまでもどこまでも一緒にいる影とは違ういつかどこかで忘れてきてしまったんだ振り向いた時にはもうどこにもいなかったそう私の笑顔誰かにあげてしまったのだろうかそれならそれでいいそれとも
ペシミスティックと謳われて(β | 2009.08.29 Sat 13:58
JUGEMテーマ:ショート・ショート音楽くらいかけてほしい。いまだ慣れない座席でシートベルトを絞めて、それだけで窮屈だと感じるのに、途切れがちな会話がさらにまた息の詰まる空気をつくりだす。それでも、もう五回目の乗車になる。密閉された空間に乗り込んだ僕たちはどちらもぎこちなく笑っている、のだと思う。僕の方の携帯電話は充電されていたのだが向こうはそうじゃなかったらしく、いそいそと「じゃあ寿司にしよう、寿司食べに行こう」と言われたので、無条件にうんと頷いた。次に、何一つとして食べたいものが言えなかったこ...
記憶と夢―短編集― | 2009.08.29 Sat 01:09
親戚の結婚式に行く準備をしている時だった。父も母もいつもよりきれいな服装をしていて、私自身もきれいな服を着せられた。何をしに行くのかよく分かっていない私は、母の首に下がるものをみて、目を輝かせた。「おかあさん、それ、おさとうみたいだね」私の言葉を聞いて、母は首を傾げる。その動きに合わせて、白い粒の連なりが揺れた。「どうして?」「こないだ、おかあさんが作ったクッキーについてたのににてる」 ああ、と母は手を叩き、やわらかく微笑んだ。 母が作ってくれたクッキーは、銀色の小さな粒で飾られてい...
カメレオンの憂鬱 | 2009.08.29 Sat 00:14
私は実家に帰省していた。独り暮らしとは違い、何もしなくても食事の用意がされるというのは本当に素晴らしい。 母親のありがたさをひしひしと感じながら、パソコンをつけて、ネットサーフィンをしていた。 ふと気付くと、足下に実家で飼っている猫がいたので抱き上げた。 白くて柔らかい身体。前に見たときより一回り大きくなっていた。 抱き上げて、気付いた。 猫の首が、頭部が、ない。「え?」 あまりにも異様な猫の姿に、一瞬頭が真っ白になった。何が起きているのだろう。これはなんだろう。 本来首がついているはずの...
カメレオンの憂鬱 | 2009.08.29 Sat 00:11
全1000件中 991 - 1000 件表示 (100/100 ページ)