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JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー Third day 恐ろしいほどに、食料で困ることはなさそうだった。 「食べても食べても減らないとはまさにこのことだろうな」 彼はむしゃくしゃとおいしそうに食べる皆を見ながら言った。それを後ろに居る30(サン)は聞いていた。 「そうかもしれませんね。しかし、これは考えられないことではないはずですよね、シェルター」 「そうだろうな。彼らは他のことで“殺そう”としている」 彼の顔が歪んだ。眉間にしわを寄せ、近くには居ない「敵」の様子を想像しているようだった。 彼女も...
朽ち逝きる、最期の棲み処 | 2012.10.23 Tue 21:22
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー One day 何度も走る光と轟音に戦慄を覚え、彼は重い瞼を開けた。しかし彼はもう一度目を閉じる。目を閉じても開いても、視界は同じ暗闇だった。 彼は目を開けると、今度は上半身を起こし、辺りを見回した。 暗闇でははっきりと見えなかったものに、一瞬の光が照らされる。 彼のほかに何人かいるらしく、皆死んだように横たわっている。ここは、彼がいつも通う学校のようだった。それならばと、彼は教室の電気をつけ、職員室というプレートの下がる部屋に向かった。その間、あの教室以外に人...
朽ち逝きる、最期の棲み処 | 2012.10.23 Tue 21:10
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー 「……はじめてだったんだ」 俺は、思わず固まった。 ……な、なんだって……? 「もしかして……アルス、お前……今まで誰かと、キスしたことない……?」「ああ! ねぇよッッッ!」 えええっ!? じ、じゃあさっきのがコイツのファーストキッス……? 俺が、アルスのはじめての相手っつうことになんのか……? ……な、な、なんじゃそりゃあ……(滝汗) 彼女がいないのは知っちゃいたが、お前そんなにハンサムで頭良くて背も高くて逆ナンされるくらいモテモテのクセ、今まで17年の生涯...
三日月の聖書〜Crescent Bible 波濤の戦士達 | 2012.01.13 Fri 01:24
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー エピローグ 「へえ〜、それで結局ふられちゃったのね、あんたってば」「そうなんですよ閣下ぁ。エヴィンさんってばつれなくって……。でも人間、あきらめも肝心ですよね」「あんたも成長したねえ〜」「ええ。やっぱり僕は、お美しい閣下のために、一生を捧げたいと思います!」「……あ、ああ、そう……。そりゃど〜も……。でもちょっと近寄らないでね」 パレスにある国軍聖大使の執務室にて、俺はティルラドとイールのそんな会話を聞きながら、部屋の隅っこにうずくまり、深い悲しみに打ちひしがれ...
三日月の聖書〜Crescent Bible 波濤の戦士達 | 2012.01.13 Fri 00:45
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー 突然、俺が取り付いていた扉付近から、真っ白な煙が吹き出した。「な、なんだこりゃ!!」 一瞬にして煙に巻かれ、俺は視界を奪われる。その上煙が気管に入り込み、激しくむせてせき込んだ。 し、しまった……! 「……エ、エヴィンっ!」 せっぱ詰まったシェーダの声が聞こえる。 ……シェーダ? 何かあったのか……! しかし、俺も咳が止まらなくて踏み出すタイミングがとれないっ……! しかも更に悪いことに、ふと見上げれば、白く染まった俺の頭上に剣を振り上げた傭兵の影!……用意周到に...
三日月の聖書〜Crescent Bible 波濤の戦士達 | 2012.01.12 Thu 23:37
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー 5 そしてすべては愛のために 死闘が始まる。 細身のレイピアをすらり抜きはなったシェーダは、まるで優雅な舞いを踊るように、次々鋭い突きを繰り出していく。 俺は思わず見とれた。やさしい微笑みすら浮かべながら、敵の剣を受け流し、または軽やかにはじきとばし。華麗に刃振るうシェーダの姿は、あくまで女らしくたおやかですらあるのに、その迫力はまさに圧巻。思わず息を呑まされる。 彼女の瞳には怒りがある。気高くも猛々しい誇りがある。彼女の剣には、熱い魂がこも...
三日月の聖書〜Crescent Bible 波濤の戦士達 | 2012.01.12 Thu 23:19
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー 「エヴィン! 気がついたか?」 ……てか……。 お前、……アルス? いやいやいや、何も見なかったことにしよう。これは悪夢だ。そうに違いない! もっかい寝て起きればきっと醒める! 「ちょ……せっかく気がついたのにどうしてまた寝ちゃうの! 馬鹿ね、君がいけないのよアルスッ! エヴィンも、いい加減、起きなさいっ!」「は、はいっ!」 今度ははっきりと聞こえたその女性の声に、俺は無意識のうちについ返事までして、勢いよく起きあがってしまった。 呆然としつつ、辺りを見...
三日月の聖書〜Crescent Bible 波濤の戦士達 | 2012.01.12 Thu 18:19
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー 「さて……お話はよくわかりましたわ。貴女とイールは愛し合っている。それは確かなようですわね」 立ち上がり、窓辺で腕を組んで、考え込むように言うイリーア。 どおして今のくだりで、それが確かになっちゃったのか……。ま、まあ結果オーライっちゃオーライなんだが……うう、フクザツだ。 しっかし、高い声で喋るというのもひどく喉を酷使するもんだ。 少しいがらっぽくなってしまった喉を潤そうと、俺は出されていた紅茶に手を伸ばした。 「でもね、お姫様。好きだの嫌いだの、そ...
三日月の聖書〜Crescent Bible 波濤の戦士達 | 2012.01.12 Thu 17:47
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー 4 ヒロイン(?)最大の危機! 暇だぁぁぁ……。 俺はソファーにひっくり返りながら、大きくあくびをした。 商売柄やんなきゃいけないのはやまやまなんだが、俺は裏でこそこそ調査したりとかが、どうにも苦手で仕方ない。 ……理由としちゃ、頭脳労働全般がキライ、というのはアリアリなんだが……。 だからな。本人にとっととカマかけてしまえ、という作戦で、俺はこうして本人のところに押しかけたのだ。そもそも、イリーアのような狡猾なタイプは、どんなに洗った...
三日月の聖書〜Crescent Bible 波濤の戦士達 | 2012.01.12 Thu 17:37
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー 困惑しつつちらと窓の外を見遣ると、雨が激しくなっていた。音をたてて風が吹き荒れ、木々がたわみ薔薇が散る。それは午後の嵐。風と雨とに翻弄され、見えなくなっていた太陽の光が如き真実、その在処に、俺は唐突に気づいた。 目は口ほどにものを言う。だが俺は、表面的な言葉に邪魔され、全て見落としていたのではないだろうか? 瞳の奥に込められた、真実(ほんとう)の気持ちを……。 「イール、俺はちょっとアルスの様子を見てくるから、お前はここでケーキでも食ってろ。残りやるから...
三日月の聖書〜Crescent Bible 波濤の戦士達 | 2012.01.12 Thu 15:52
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