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JUGEMテーマ:小説/詩 「あー……っぶなかったぁ」低く囁くように声を洩らしたのは住吉だった。 「まこと」石上も安堵に肩を落とす。「罪なき人の命の無益に奪われゆくところであった」 「ってかあいつ」伊勢は苛立ちを顔に表していた。「どこに隠れていやがんだ」 「地球に」大山がぼそりと提案する。「……は、わかるのかな」 「地球に?」皆が訊く。 「うん」大山は頷く。「スサノオのいる、場所が」 「鯰」天津が洞窟の中で声を張り上げる。「地球と話せるか」 「え...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2021.12.10 Fri 14:42
JUGEMテーマ:小説/詩 彼らの話はこうだった。 片方の男の彼女がコンビニで働いているが、その店に、里帰りした不動産屋のひとり娘が幼娘(おさなご)を連れてよく買い物に来ていたという。一歳ちょっとのその子は、ありさという名前で、とてもかわいいのでよく覚えていたらしい。 あの地震のとき、その彼女は高台へ逃げ、そこでその子を見かけたそうだ。赤ちゃんが激しく泣くのでまわりを見ると、若い男が懸命にあやしている。不動産屋の子だと気づいて助けてやろうと近寄ったが、迷惑そうにスッと離れ...
狙われた男 | 2021.12.10 Fri 11:16
本日、こんな診断を発見致しました。 その名も、『文体診断ロゴーン』!! このロゴーンの部分が一体何語なのかはわかりませんが、ともかく自分の書いた文章を打ち込むと、自分の文体がどの作家さんに似ているかを診断してくれるものでございます。 イラストとか漫画だと、どの絵描きさん・漫画家さんに似ているかというのは見ていてわかりやすいと思うのですが、文体って結構判断するのが難しくないですか?雪乃には、判断出来ません← しかしこの診断は、それをやってのけて下...
雪乃に!サイコロ振らせろ!! | 2021.12.09 Thu 23:04
スクリーンには雑木林。その一角に近づいていく。映像が揺れ、ざくざくと木の葉を踏みしめる音がする。陰溜まりに一軒の小屋が建っている。壁は剥がれ、屋根も崩れ、緑に飲まれつつある廃屋。黒く塗りつぶされた入り口に踏みこみ、瞳孔が開くようにカメラが暗順応する。闇のなかに浮かび上がる、ちぎれた足、折れた腕。バラバラ殺人? そうじゃない……人間は、あんなところに目はついてない……皮膚から歯は生えてない……人間じゃない。胸に鼻が埋もれ、隣には何か赤黒い臓器が脈打つように動いている。生きている! 目蓋のない眼球、...
水平線上の雨 | 2021.12.09 Thu 20:24
JUGEMテーマ:小説/詩 喫茶店で彩恵子は、突然姿を消した幸一をなじりはしなかった。 留守電で佐伯に会うといっていたがと幸一が彩恵子に訊くと、殺される前の日に東京駅で会ったという。 これ以上ゆするのはやめてください。今度したら警察にいいますよというと、佐伯は、バカをいっちゃいけないよ。これからも、ときどき一緒に幸一を脅そうじゃないかと持ち掛けたそうだ。もちろん断ったわと彩恵子はいった。 「人をこばかにしたような笑いをして。あのひと、頭にくる」 彩恵子は怒っていうが、余計なこ...
狙われた男 | 2021.12.08 Wed 13:57
JUGEMテーマ:小説/詩 マクドナルドに入り、朝のメニューを食べていると、またもや何度も携帯が震え、とうとう幸一は留守電のメッセージを聞いてしまった。 (こうちゃん) 彩恵子の声だ。 (電話にでないのね。いいわ、わたし、佐伯さんに会うから……。会ってどうするか、気になるでしょ?) ――佐伯に会う? (でも、そんなことより、なんで電話にでてくれないの? きのうのことまだ怒ってるの? こうちゃん、わたしあなたのことが大好きなの。あなたのおカネがどんどん取ら...
狙われた男 | 2021.12.08 Wed 13:43
JUGEMテーマ:小説/詩 翌月になり、天気の良い週末、彩恵子と映画にでも行こうかと話していたときである。突然、佐伯庄一から電話があった。 月曜日に東京へ行くからそのときにカネを渡せというのだ。 先月一千万円を渡し、今月も月末頃に上京してくると思っていたが、やけに早い。それも日帰りでカネを取りに来るというのだ。 約束の月曜日になり、幸一は佐伯に会って一千万円を渡した。これで約束の二千万は終わった。 上機嫌になった佐伯は、安心しろ、このことは誰も知っちゃいねえんだ。ム...
狙われた男 | 2021.12.07 Tue 11:16
JUGEMテーマ:小説/詩 ふたりで暮らすようになってすぐ、幸一は佐伯庄一に呼び出された。 口止め料の返事を延ばしているうちに、しびれを切らした佐伯が北海道から東京へ出てきたのだ。 待ち合わせ場所のホテルで待っていると、佐伯が背広姿で入ってきた。 幸一を見つけると、オッと手をあげたが、そのままフロントでチェックインを済ませ、エレベーターで上にあがると、ラフな格好に着替えておりてきた。二人は外に出た。 「それにしても、あんたもよくやるもんだねえ」 歩きながら佐伯が幸...
狙われた男 | 2021.12.07 Tue 00:44
佐伯は続けた。 「おまえと本店で電話をする前にな、営業部長の高山が俺に電話してきたんだ。ひとりだけ生き残った人がいて、それも一億を超える会社のカネを窓口でおろそうとしている。しかも現金でだ。社長さんに頼まれて東京の不動産屋に払うカネだといっているが、知っているかってな。おまえもよくいったもんだ、でまかせを。――おい、聞いてるのか?」 「……はい」 「あんな場合は、普通だったら絶対に払いやしない。そこを俺が助けてやった。わかるか、幸ちゃん」 幸一は黙って...
狙われた男 | 2021.12.06 Mon 13:35
JUGEMテーマ:小説/詩 幸一が、行き交う車を目にしながら千鳥ヶ淵を歩いていると、母親から携帯に電話があった。 振り込まれた三千万に驚いたようで、すぐに新潟に帰ってこいという。そして、本当に宝くじに当たったのかと何度も訊くが、訊き方が尋常ではない。それもそのはず、なんとあの佐伯支店長が、幸一が預金口座開設書に書いた実家の住所を手掛かりに突然母親を尋ねてきたというのだ。 わけを訊くと、震災後の預金者の保護について幸一の確認が必要なのだが、本人と連絡がとれない以上、親族...
狙われた男 | 2021.12.06 Mon 13:31
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