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小説/詩

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小説/詩
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負社員 第43話 右の頬を打たれたら左の法を差し出しなさい(全83話)

JUGEMテーマ:小説/詩   「城岡部長、すみませんでした、怖い思いをさせてしまって」天津は誠意を込めて謝罪した。「それは多分、我々の行う業務の影響による幻覚症状だと思います」 「――」城岡部長は絶句した。「――幻覚……?」そっと、訊き返す。 「はい」天津は深く頷く。「幻覚です。ただ、まあ、あまり騒ぎにはしたくないので……虫の好いお願いではありますが、どうか今回の事は内密にしておいて頂ければ」もう一度深く、頭を下げる。 「――」城岡部長は自分がへたり込んでいたコンク...

葵むらさき言語凝塊展示室 | 2021.12.17 Fri 09:38

春の思い出

商品の棚の上に並べられた色紙、シルバー ガム 時間があった 毎日の時間が、安心をもたらせた。不満があるのなら不理解、それは言葉 視線。 誰もなく、 ひとり 行く先、帰り道。 誰かいたような、 それで満足だった。   見守られていた。諦めていたからか。 共に見守っていたのだ。  

写真の余白、葉の上へ | 2021.12.15 Wed 12:06

『文体の舵をとれ』練習問題5 簡潔性

一段落から一ページ(四〇〇〜七〇〇文字)で、形容詞も副詞も使わずに、何かを描写する語りの文章を書くこと。会話はなし。  図書室の隅に幽霊の席があります。ある秋の黄昏時、そこにひとりの男子が座っていました。一定のリズムで本の頁を捲っています。グラウンドから野球部の掛け声が、体育館からブラスバンド部の練習する音が聞こえます。図書室にいるのは私と彼だけでした。私はカウンターの内側で、好きなミステリ作家の新刊を読んでいました。  探偵が死体を発見した時でした。顔を上げると、幽霊の席の男子がカ...

水平線上の雨 | 2021.12.12 Sun 00:44

詩『くらやみに3人:The Three In The Dark』

とじこめられた いつ なぜ だれもうおぼえていない 恋人たちともうひとり そうだったはず 勝者と敗残者 そうだったのかもしれず もうふたしかだ むしかえしても せんないばかり いまは ひとりとひとりとひとり 3人ですらない 糧食はついえ 所持金は無意味だ とっくに 努力は徒労であり 死はかつての恐怖だ 時間だけが永遠なのだ さとるときもあれば おびえるときもある そしてあらそいたくなればいつだって それをぼくたちはじっとみている みるしかない なぜって ここもそことおなじ まっくらやみのまっただなかさ

with a kiss, passing the key | 2021.12.12 Sun 00:00

負社員 第42話 ザ・ブラックタカマガハラ(全83話)

JUGEMテーマ:小説/詩   「あー……っぶなかったぁ」低く囁くように声を洩らしたのは住吉だった。 「まこと」石上も安堵に肩を落とす。「罪なき人の命の無益に奪われゆくところであった」 「ってかあいつ」伊勢は苛立ちを顔に表していた。「どこに隠れていやがんだ」 「地球に」大山がぼそりと提案する。「……は、わかるのかな」 「地球に?」皆が訊く。 「うん」大山は頷く。「スサノオのいる、場所が」   「鯰」天津が洞窟の中で声を張り上げる。「地球と話せるか」 「え...

葵むらさき言語凝塊展示室 | 2021.12.10 Fri 14:42

狙われた男 21

JUGEMテーマ:小説/詩     彼らの話はこうだった。 片方の男の彼女がコンビニで働いているが、その店に、里帰りした不動産屋のひとり娘が幼娘(おさなご)を連れてよく買い物に来ていたという。一歳ちょっとのその子は、ありさという名前で、とてもかわいいのでよく覚えていたらしい。 あの地震のとき、その彼女は高台へ逃げ、そこでその子を見かけたそうだ。赤ちゃんが激しく泣くのでまわりを見ると、若い男が懸命にあやしている。不動産屋の子だと気づいて助けてやろうと近寄ったが、迷惑そうにスッと離れ...

狙われた男 | 2021.12.10 Fri 11:16

かろうじて、走れメロスと人間失格くらい…

本日、こんな診断を発見致しました。     その名も、『文体診断ロゴーン』!!     このロゴーンの部分が一体何語なのかはわかりませんが、ともかく自分の書いた文章を打ち込むと、自分の文体がどの作家さんに似ているかを診断してくれるものでございます。 イラストとか漫画だと、どの絵描きさん・漫画家さんに似ているかというのは見ていてわかりやすいと思うのですが、文体って結構判断するのが難しくないですか?雪乃には、判断出来ません← しかしこの診断は、それをやってのけて下...

雪乃に!サイコロ振らせろ!! | 2021.12.09 Thu 23:04

映画

 スクリーンには雑木林。その一角に近づいていく。映像が揺れ、ざくざくと木の葉を踏みしめる音がする。陰溜まりに一軒の小屋が建っている。壁は剥がれ、屋根も崩れ、緑に飲まれつつある廃屋。黒く塗りつぶされた入り口に踏みこみ、瞳孔が開くようにカメラが暗順応する。闇のなかに浮かび上がる、ちぎれた足、折れた腕。バラバラ殺人? そうじゃない……人間は、あんなところに目はついてない……皮膚から歯は生えてない……人間じゃない。胸に鼻が埋もれ、隣には何か赤黒い臓器が脈打つように動いている。生きている! 目蓋のない眼球、...

水平線上の雨 | 2021.12.09 Thu 20:24

狙われた男 20

JUGEMテーマ:小説/詩   喫茶店で彩恵子は、突然姿を消した幸一をなじりはしなかった。 留守電で佐伯に会うといっていたがと幸一が彩恵子に訊くと、殺される前の日に東京駅で会ったという。 これ以上ゆするのはやめてください。今度したら警察にいいますよというと、佐伯は、バカをいっちゃいけないよ。これからも、ときどき一緒に幸一を脅そうじゃないかと持ち掛けたそうだ。もちろん断ったわと彩恵子はいった。 「人をこばかにしたような笑いをして。あのひと、頭にくる」 彩恵子は怒っていうが、余計なこ...

狙われた男 | 2021.12.08 Wed 13:57

狙われた男 19

JUGEMテーマ:小説/詩     マクドナルドに入り、朝のメニューを食べていると、またもや何度も携帯が震え、とうとう幸一は留守電のメッセージを聞いてしまった。 (こうちゃん) 彩恵子の声だ。 (電話にでないのね。いいわ、わたし、佐伯さんに会うから……。会ってどうするか、気になるでしょ?) ――佐伯に会う? (でも、そんなことより、なんで電話にでてくれないの? きのうのことまだ怒ってるの? こうちゃん、わたしあなたのことが大好きなの。あなたのおカネがどんどん取ら...

狙われた男 | 2021.12.08 Wed 13:43

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