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JUGEMテーマ:小説/詩 ◇◆◇◆多重人格の急須2 〜肉じゃがは時空を越えて〜◆◇◆◇ 第29話 木多丘、be free 後編(全40話) 朝食と片付けの後、舞子は陽(ひなた)のいる部屋の窓をダイニングから覗いた。 きらり、きらりと彼の放つ光が今日も見えている。 時計を見ると十時を過ぎたところ――タイムワープ実行にはまだ間がある。 博士と瀬良は研究室にいるはずだ。 舞子はダイニングから廊下に出た。 ドアの前に立ち、そっとノブをひねったところ鍵はかかっていなかった。 ...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2020.12.06 Sun 10:24
すがたみにうつる みえるのはわたしにだけだ あのときの あのひとの ひざにあるのはおさないころ ころんで ないて できたもの でも これはちがう おもいで ううん きずな ううん いったいなんとよべばいいのだろう そこにあるのは そのときの うごめき しこりのようなものなのか もはやのがれることはできない でもわすれてしまうことはできるかもしれない うん それしかない
with a kiss, passing the key | 2020.12.06 Sun 00:00
JUGEMテーマ:小説/詩 ◇◆◇◆多重人格の急須2 〜肉じゃがは時空を越えて〜◆◇◆◇ 第28話 木多丘、be free 中編(全40話) 「ど」 「どうなったのですか」 「ユリエル様は、大丈夫なのですか」 グレート・スピリッツたちは今にも泣きだしそうな不安げな表情で大石にとりすがるように訊いた。 「大丈夫だ」答えたのはユリエル本人だった。「すまない、皆」 「ユ」 「ユリエル様」 部下たちは歓喜の表情となり、一部の者は涙をこぼし、還ってきたリーダーを取り囲んだ。 「よし。...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2020.12.02 Wed 11:12
訃報をきいてなみだぐんでしまう そのひとのことはなにもしらないのに 周囲にうながされたのだろうか 意気消沈 茫然自失 そんなひとばかりなのだ わたしはそんなにも影響されやすいのだろうか 夜空をみあぐると 空疎な闇がそこにある ひときわかがやいていた星はもう いまはない そしてしらじらとあさがくる 陽のもと、闇もきえ 星のこともすっかりとわすれてしまう なきおんなもいずこかへとさるだろう ひびくのは子どもたちのこえ 歓声 それだけだ そのほうがいい きっといい
with a kiss, passing the key | 2020.11.29 Sun 00:00
JUGEMテーマ:小説/詩 ◇◆◇◆多重人格の急須2 〜肉じゃがは時空を越えて〜◆◇◆◇ 第27話 木多丘、be free 前編(全40話) そこは、舞子が生まれてこの方一度も見たことのない光景だった。 それは無理もない。なにしろヒトの脳の中だ。 今の舞子から見るその光景は、緩やかなカーブを描いた峡谷、といったものだった。 あちこちに崖が立ちはだかるが、険峻といったものではなく、柔らかな輪郭に包まれ、表面が濡れて滑りやすい感じのする、まさに異世界だった。 とはいえ、舞...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2020.11.22 Sun 22:22
この記事は、このブログで短編連載している、SF小説『'99-Polaris』の第18話です。 <作品紹介> 人類が地上から消え去った後の世界で、ポラリスは生きている。 自分が、何者か、何物かも、わからない。 ただ、自分自身の、生き終わっていく「物」を看取る「看取り人」という役目の確信と、 自分がこの地上の「最後のひとり」になるという、強い予感は持っている。 ひとりで生きていたポラリスは、 病院でケアロボットとして働いていた、AR装置による立体映像の男・サザンクロスと、 大学で作られ、美しくも怖ろしい...
StarGazer | 2020.11.21 Sat 07:09
JUGEMテーマ:小説/詩 ◇◆◇◆多重人格の急須2 〜肉じゃがは時空を越えて〜◆◇◆◇ 第26話 瀬良、苦しむ 後編(全40話) 「でも、でも宇宙空間に博士飛び出しちゃって大丈夫なの?」舞子が築山と正吾を交互に見て訊く。 「舞ちゃんも一度宇宙に行ったじゃない」正吾はまた微笑を舞子に向ける。 「あ、そうか……正吾さんたちが一緒にタイムワープすればいいのか」 「そう。舞ちゃんも一緒にね」 「えっあたしも?」舞子は眉をぐっとしかめた。「なんでまた」 「だってぼくらは」正...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2020.11.17 Tue 21:05
引越しをした時に整理した、以前書いた小説の下書き。ほとんどぴくのアカで投下していたのですが、途中で筆が乗らなくなって書くのをやめたとか、最後まで書ききったけれどPCに打ち込むのが乗らなかったので投下しなかったとか、そういう作品は別にとっておいたので安心っ☆ と思ったら、後々続きを書こうと思って放置していたあーるじゅーはちの二次創作を間違って捨てたらしいと気がついた時の、絶望な…(白目)ずっと前に書いたものだから、どんな流れでそういう展開に持っていこうとしていたのかもわからず、書こうと思っ...
雪乃に!サイコロ振らせろ!! | 2020.11.14 Sat 23:56
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