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「おはよう」 窓が声をかけると、壁が「おはようございます」と棒読みした。 朝のミーティングで進捗確認。 「昨日までに色塗れって言っただろ? なんでまだできてないの?」 返事はない。 「すぐやって」 壁は「わかりました」と棒読み。 「今日は折り紙で鶴と飛行機を折るから。全体的に遅れてるからペース上げて」 「わかりました」 壁は黙々と作業し続ける。窓は嫌な予感がして、「今何やってる?」と声をかけた。 「鶴の折り方を調べていました」 「は? 色塗りは?」 「終わりました」 「報告しろよ...
水平線上の雨 | 2021.10.14 Thu 19:04
一段落〜一ページ(三〇〇〜七〇〇文字)で、句読点のない語りを執筆すること(段落などほかの区切りも使用禁止)。 衝突音とともに骨の折れる音トマトが潰れる音が混ざり弾け石畳の上に撒き散らされ広がりそれまでの穏やかな春の午後の陽気が吹き飛ばされ空は陰りあたりは薄暗くなり始めてそれに気づいた散歩中の女性が悲鳴を上げてへたりこみそばに駆け寄った学生は口元を押さえるも堪えきれず嘔吐し郵便配達員はポストの横で立ち尽くし犬が吠え露店のアイスクリーム屋の店主は手にしていたコーンとディッシャーを放ってワゴンか...
水平線上の雨 | 2021.10.11 Mon 18:40
JUGEMテーマ:小説/詩 「腹の具合?」結城が叫び、 「腹の」時中が呟き、 「お腹ですか」本原が溜息混じりに囁いた。 「うん、そう」鯰(なまず)が頷くのが目に見えるようだったが、無論姿はなく声のみだ。「岩っちからの質問」 「何故そんな質問を?」天津が、彼にしては険しい部類の表情で訊く。「地球から、どうして」 「話せば奥深い話になるけどね」鯰は飄々と答える。「生物が食う為に働く、その為に体の具合を悪くする、っていうサイクルはどうなのかってこと」 「――」天津はぱちぱちと瞬きを繰り返し...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2021.10.08 Fri 14:32
これでおわったとはおもえない だからといってここからはじめられようか 憔悴と消耗、いまあるのはこれだけだ 散乱と消失、そうとしかおもえない うん、息はしている 脈もある こうしてひとつひとつを確認する きっとそこからなのだろう あの家族は舟出した たった3人 あの家族は無一物だ 4人が生還 こうしてひとつひとつ石をつむ なぜなら、みているだけなのだから そしていまはそれでもよいのだろう 陽はまたのぼる なんて無慈悲なことばだろう あしたになれば なんと無謀なことばだろう
with a kiss, passing the key | 2021.10.03 Sun 00:00
JUGEMテーマ:小説/詩 「さあて、今日はどんな“対話”をするのかな」結城が例によって、食事しながらも陽気に話し続ける。 他の二人は例によって、特に返答も反応もしなかった。 「ていうかさあ」結城は今日の弁当――コンビニの生姜焼き弁当の豚肉を頬張りつつ天井に目を向け考えを述べた。「地球の前に、まず俺ら同士が、まだそんなに対話ってしてないよね」 他の二人は箸を休めるでもなく食事を続行する。 「よし」結城は右手に箸を握り込み、たった今思いついたばかりの決意を述べた。「じゃあ...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2021.10.01 Fri 18:33
JUGEMテーマ:小説/詩 地球にとっては、実は対話どころではなかった。 ――誰だろう……? 地球はそんな疑問に囚われ、コア物質の噴出タイミングさえもう少しで誤るところだった。とんでもないことだ。まったく。システムを乱すのは、人間だけにして欲しいものだ。それというのも。 地殻を構成する花崗岩の中に、いつからいたのだろう――“その者”は? 「あー、冷んやりして気持ちいーい」そんな事をいう。 実体は見えないが――恐らく神なのだろう――なんとはなしに、ごろりと寝そ...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2021.09.27 Mon 11:06
問1:一段落〜一ページで、声に出して読むための語りの文を書いてみよう。 夕暮れ時の駅に列車が到着し、ひとびとが吐き出された。スーツ姿の会社員、制服姿の女子高生、ラフな格好のアルバイター。複雑怪奇な社会に組みこまれた歯車たちは、無意識に隊列を形成し、一定間隔を保って規則正しくホームを流されていく。 パッと一人が列から弾かれるように跳んだ。禿げ頭の中年男。折り目もわからないほど皺のよったスラックス、縫い目がほつれたグレーのジャケット、端の擦り切れた臙脂色のネクタイは緩んでいる。穴の開いたブラウ...
水平線上の雨 | 2021.09.26 Sun 07:50
いまぼくのてもとにはひとつもない かつてあったそのかお なやみをかかえこんでいるようにも ほくそえんでいるようにも つまり蠱惑のかおなのだ じつは世界中にあふれてる そしてだれもがそう認じている あのおんなだと あの女快だと であうおとこ だれもがあいつにもてあそばれたと そしてそのひとりがぼくだとなざしする ああ、そうやってほくそえんでいるがよい そうすれば、すくなくともぼくは安泰なのだ こよいもぼくはひとり 地下へとくだる そこでそのひとはねむっている
with a kiss, passing the key | 2021.09.26 Sun 00:00
JUGEMテーマ:小説/詩 前に文学批評空間に投稿していた「マイケル・マックルーアの声」を新・野坂政司の文の部屋に再投稿しました。 前のサイトの文面が読みにくかったからという理由です。 他の記事も、少しずつ新・野坂政司の分の部屋に再投稿する予定です。
野坂政司の拳禅一如 | 2021.09.23 Thu 11:07
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