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坂井さんと死生観(4) 段々と積み重ねていった価値

死生観の研究をしている坂井さんが、その活動のなかで嬉しかったことや心に残っているとは、どんなことなのか。   そのことを質問すると、少し考えてから、坂井さんは言った。   「今、『死や喪失をテーマにしたゲーム』の続編を開発して、研究しているんですね。そのゲームをプレイした人から『自分の人生の本当に大切な人や、大切なものが分かりました』『辛かったけれど、やっぱりあの母との別れに意味があったんだなと思いました』などといったコメントを貰ったときは、開発・研究をしていてよかったと思い...

「働くこと」と「学ぶこと」 | 2026.08.30 Sun 18:09

坂井さんと死生観(3) 死生観を見つめ直したきっかけ

坂井さんには、死生観を見つめ直すきっかけになる出来事があったという。   「2015年に新幹線で起きた火災に巻き込まれているんですよ。目の前に黒煙が広がり、死にそうな体験をしたんです」   帰宅後、奥さんから「生きていてくれてよかった」と言われたり、自分の体についたすすを落としたりするなかで、「当たり前だと思っていた『生きている』ということが、結構すごいことだと感じるようになった」そうだ。   実はその日、坂井さんは、ほかの電車の切符を持っていたにもかかわらず、たまたまそ...

「働くこと」と「学ぶこと」 | 2026.08.30 Sun 18:08

坂井さんと死生観(2) 人同士で撃ち合うゲームについて

死や喪失をテーマにしたゲームをつくった坂井さんに、次のことも質問してみた。 「これからの時代、ゲームはどのような役割を担っていくと思いますか?」   自分としては、死に無自覚になるのは嫌だけど、ゲームにはやっぱり刺激を求めていて、これからも人同士で撃ち合うようなシューティングゲームなどが増えるように思う。そうすると、ゲームによって死への感覚が薄れていく人がますます増えるのかな、と思ったからだ。   坂井さんは「研究者の立場で言うと」と断ったうえで、次のように答えてくれた。 ...

「働くこと」と「学ぶこと」 | 2026.08.30 Sun 18:08

坂井さんと死生観(1) 「死生観」と「ゲーム」の関係性

死生観とは、「生きること」と「死ぬこと」に対する根本的な考え方や価値観のことだ。   東京大学大学院情報学環特任研究員の坂井さんは、死生観をテーマにした論文をいくつか発表している。   その中の一つ、研究論文「死と喪失をテーマにしたゲームが学生の自己成長感に及ぼす影響の検討 ―死の学習経験に着目して―」では、最初に、現代の若者のあいだでは、ゲームによって死への自覚や認識が薄れているのではないか、という指摘を取り上げている。   そのうえで、その若者が受け入れやすいゲーム...

「働くこと」と「学ぶこと」 | 2026.08.30 Sun 18:08

坂井さんとゲーミフィケーション(3) 学びの可能性を広げるために

ゲーミフィケーションとは、学ぶことや働くことをゲーム感覚で楽しめるようにするもので、一般的な仕組みには「ポイント」「バッジ」「リーダーボード(ランキング)」というのがあるそうだ。   「ポイントというのは『○○さんはいい質問してくれたので、何点あげます!』などと、ポイントをあげるものです。お金をもらえるわけでなくても、なにか嬉しくなりますよね」   「バッジというのは、『5万ポイントになったあなたは“将軍”です!』『さらに10万ポインを達成するとあなたは“王様”...

「働くこと」と「学ぶこと」 | 2026.08.30 Sun 18:08

坂井さんとゲーミフィケーション(2) 最先端の人に会える場に飛び込んで

坂井さんは、2010年頃に雑誌の記事で、ゲーミフィケーションという言葉を知り、興味をもった。   ゲーミフィケーションという考えは、その頃から流行り出したもので、以前からあったのではない、新しい分野だった。   新しい分野を学ぶとき、坂井さんは共通してやることがあるそうで、それは「最先端の活動をしている人に会える場に飛び込むこと」だそうだ。   当時、東京大学の藤本徹先生がゲーミフィケーションの勉強会を開いていたので、坂井さんはその先生の著書の『シリアスゲーム』を読んでか...

「働くこと」と「学ぶこと」 | 2026.08.30 Sun 18:08

坂井さんとゲーミフィケーション(1) トム・ソーヤーのように生きたい

まず、坂井さんには「トム」というニックネームがある。『トム・ソーヤーの冒険』という物語に起源があり、ひとつのエピソードに次のようなものがあると教えてくれた。   「トムはいたずらっ子で、おばさんに怒られて、罰として長い塀をペンキで塗ることを命じられます。最初は嫌々やるのですが、途中でひらめき、楽しそうに塗りだすんですね。するとそれを見た友人たちが『面白そう』と次々にやりたがるんです。『いや、これは責任ある人しかできないんだ』とトムがもったいぶると、りんごやビー玉を差し出してまでペンキ...

「働くこと」と「学ぶこと」 | 2026.08.30 Sun 18:08

坂井さんとメンタルヘルス(3) 昔の自分と重なった「嫌々な人たち」

●メンタルヘルスの研修のエピソード メンタルヘルスの研修に参加する人のだいたいは、「会社から言われてしかたなく来た」などの愚痴が顔からにじみ出てる人で、消極的で、やる気のない態度だし、内職しようとパソコンを持参するような人たちだそうだ。   そういう人たちが、研修を受けた後に「来てよかった」「すごく役に立ちました」などと言ってくれて変容してくれると、坂井さんは嬉しいそうである。それは、「少しでも前向きに人が変わっていく大切な場に立ち会えた」と感じるからだという。最近も研修の終わりに、...

「働くこと」と「学ぶこと」 | 2026.08.30 Sun 18:07

坂井さんとメンタルヘルス(2) 「楽しく学べるゲーム」ができるまで

●メンタルヘルスのプログラムづくりの苦労話 坂井さんはメンタルヘルスを楽しく学べるゲームを、ゲーム会社と共同開発した。それが「ストマネ」と、「ストマネforセルフケア」である。   「ストマネ」は、企業の管理職が、部下の心の健康を維持しつつ、仕事のプロジェクトを完了させる働き方を、ボードゲームで学ぶものである。 「ストマネforセルフケア」はそのアレンジ版で、働く人が、チームで仕事をするときのセルフケア(自分自身のケア)についてボードゲームで学ぶものである。   その開発の裏には...

「働くこと」と「学ぶこと」 | 2026.08.30 Sun 18:07

坂井さんとメンタルヘルス(1) 職の相談の人から、心の相談の人に

坂井さんへのインタビューで、自分が印象に残ったのは、「メンタルヘルスに興味をもったきっかけ」と、「メンタルヘルスのプログラムづくりの苦労話」、そして「メンタルヘルスの研修のエピソード」である。   ※メンタルヘルス……精神の健康状態のことを指す。「力が湧いてくる」「心が軽い」「穏やかな気分」「やる気が出てくる」などの状態であれば、心が健康といえる。みんなが健康というわけではない。誰しも「気持ちが沈む」「落ち込む」などしてストレスを感じることがある。心の傷は体の傷と違って目に...

「働くこと」と「学ぶこと」 | 2026.08.30 Sun 18:07

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