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段位制について考察5

強さ即ちレーティング「のみ」により段位を決めるのは、段位が強さの指標であることから、考え方としては正しい。しかし、実際にそれをやろうとすると、うまくいかないのだ。そもそも、最強者(レーティング1位)が九段というのが、段位制の本来からすれば間違っている。以前書いたとおり本来九段は空位が通常であり、通常の最高段位は八段なのだ。享保12年(1727年)に九段名人本因坊道知が37歳で死去したが、次点の者が九段に繰り上がりはしなかった。当然であり、隔絶した強さの者が出た時、特別に九段が生まれるのだ。一方、レーテ...

貧乏庶民の法的思考3 | 2023.06.02 Fri 14:26

段位制について考察4

前提として、日本棋院と関西棋院は統合する必要がある。いったいいつまでこんな無意味な分裂を続けるのか。国際化の今、日本国内の囲碁団体は統一されているべきである。江戸時代は家元が4つあったが、囲碁団体が4つに分裂していたわけではない。スポンサーは1つであり、その下で4つの家元が競争していたに過ぎない。プロ野球が12球団あるが12団体に分裂しているわけではないのと同じである。どの単位で競争するかであり、家単位で競争していたに過ぎない(碁打ちの移籍も普通にあった)。今は個人単位で競争している。 江戸幕府と...

貧乏庶民の法的思考3 | 2023.06.01 Thu 15:16

段位制について考察3

そもそも全ての出発点は、競技すなわち戦って勝敗を決める興行の技芸(以下単に「技芸」という)の競技団体は人数を厳格に管理する必要がある、ということである。競技団体が無制限に人数を増やし続けて持続可能なわけがない。スポンサーのことを考えろ。プロ野球でも支配下登録選手は1球団70人までと決めている。人数を厳格に管理しているのだ。プロ野球ももちろん技芸である。毎年、まだやれる選手が戦力外通告され強制的に引退させられている。毎年、プロ入り人数と引退人数は一致する理屈である。技芸の業界に終身雇用などない。生...

貧乏庶民の法的思考3 | 2023.05.31 Wed 16:57

第2局

昨日から本日にかけて打たれた本因坊戦第2局、黒番一力・白番井山。 この碁は初日は井山押し気味から互角で終わり、二日目は一力押し気味から互角になってさらに評価値が動く場面も見られたが、ここまでは人間的には形勢は大きく傾きはしなかったということだろう。お互いの大石が攻め合って、取った方が勝ちと思い、井山が一力の大石を取った…その時、一力の勝ちが決まったのだ。井山のヨミを一力の形勢判断能力が上回った瞬間だった。その後延々と打ち続けたが、形勢は動かず。黒中押し勝ち。 完全に一力は井山を上回...

貧乏庶民の法的思考3 | 2023.05.29 Mon 21:50

一力遼が碁聖戦の挑戦者に

そういえば一昨日に打たれた碁聖戦挑戦者決定トーナメント決勝戦、一力vs余、一力が勝利し、井山裕太碁聖への挑戦者は一力遼と決まった。余はレーティング5位を維持する強豪であり、決勝戦まで連破した相手も、リンリン→虎丸→大ちゃん、と申し分ない。むしろ一力の方が、里菜ちゃん→鈴木伸二→大西竜平、と相対的に楽をしている。そんな強い余をものともしない一力。くどいようだが碁聖は一力にとって最も欲しいタイトルである。ある意味、大三冠やNHK杯よりも欲しい。ここでも井山を圧倒して復冠すれば、一力時代...

貧乏庶民の法的思考3 | 2023.05.27 Sat 16:42

第1局

いよいよ昨日から始まった本因坊戦の歴史的対決、本因坊文裕に挑戦するのは一力遼。握って、黒番文裕・白番一力。 この碁は画期だ。十数年に一度の画期となるシリーズだ。文裕、一力に全く歯が立たず。初日から大劣勢に陥り、二日目もそのまま押し切られた。全く波乱なし。まるでAIに負けるような負け方だ。白中押し勝ち。 このシリーズが終わった時、始まると決まった時に管理人が言ったことを皆が言うだろう。「井山は秀策、一力は秀甫」と。前期は一力は「井山さんの次に日本囲碁界を背負って立つのは(芝野や許ではなく)自...

貧乏庶民の法的思考3 | 2023.05.19 Fri 21:26

段位制について考察2

今の逆ピラミッドは明らかにおかしいが、それは強さとほとんど関係ないからである。強さは全盛期のものとすべきだが、例えば、中根直行や高梨聖健まで九段なのである。このような棋士が、たとえ全盛期でも井山や一力と互角の強さなど有り得ない。強さの指標はレーティングしかないが、それで具体的に何段とするか、意外と難しい。綺麗なピラミッドにする(例えば、全棋士数をレーティングの上から順に九段は1%、八段は3%、七段は5%…)のは、それでも強さとあまり関係ない(現状よりはマシにせよ)ので、採用すべきとは言えない...

貧乏庶民の法的思考3 | 2023.04.26 Wed 17:41

段位制について考察

そもそも囲碁の段位制とはどういうものか。それは本因坊道策(1645-1702)が確立した。つまり17世紀後半にできたもので、歴史としては330年~340年くらいである。二段差一子とされた。九段に対し、七段が定先、五段が二子、三段が三子、初段が四子である。今、井山裕太に四子で互角なら、アマトップよりはかなり弱いが弱い県代表くらいはあるだろう。アマ六段くらいか。今のアマ六段でプロになれたといえば甘いが、当時はプロ棋士の数が少なかったし、プロとアマの段位が共通だったのでアマで初段が現実的な目標で好ましく思える。これが2...

貧乏庶民の法的思考3 | 2023.04.21 Fri 18:19

芝野虎丸が十段を奪還

許、投了…芝野、十段を奪還。 許よ…昼食休憩中にじっくり考えて打った再開後の初手が敗着。ダメだこりゃ…令和三羽烏から陥落だ。これで芝野は二冠、一力は一冠、許は無冠。とはいっても芝野と一力では一力の方が強いのが現状。次期名人戦は一力と井山のどちらが挑戦者になるか。時代の変わり目である今、一力が本因坊を奪取して名人に挑戦して名人も奪取してギリギリ最後の機会に大三冠を達成するのではないか。今の危機的状況の日本囲碁界を担うには「囲碁バカ」ではダメだ。「囲碁バカ」でない、それどころ...

貧乏庶民の法的思考3 | 2023.04.20 Thu 17:58

段位制の崩壊

週刊碁によると韓国囲碁界でも(日本囲碁界と同様に)九段が4人に1人に近いほどに増えていると。まったくもってナンセンスである。段位が強さの指標でないなら存在意義はない。そもそも七段が「上手」であり普通の碁打ちの目標であり四家元の当主として合格。八段は「半名人(準名人)」であり人間が到達できる最高点であり一時代に一人か二人。九段は「入神」であり人間を超えた神の領域であり数十年に一人しか出ず終身で「名人」となり同時に二人はいない、というものなのだ。1950年に史上初めて九段が二人(呉清源と藤沢庫之助)と...

貧乏庶民の法的思考3 | 2023.04.19 Wed 12:28

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