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JUGEMテーマ:日本文学 「季刊文科」84春季号、「文学忌・今昔10 九山忌」には、割愛した部分がたくさんある。その一つが深沢七郎との関係だ。 拙稿「九山忌」(九山は深田久弥の俳号)には、一昨年の「深田祭」のことを記し、深田久弥長男森太郎氏が久弥文学碑の前で挨拶する写真も載せた。 掲載誌には「前日体調を崩して追悼登山は諦め、午後の碑前祭に出かけた」とだけ記したが、実は記念登山を是非と思って、高尾山、三頭山に登って足慣らしをし、深田祭の前日は石和温泉に泊まり、翌日早く韮山駅に...
見る 読む 歩く | 2021.05.16 Sun 19:05
JUGEMテーマ:日本文学 今日の朝日新聞夕刊は、「『日本百名山』深田久弥」、「没後50年 衰えぬ登山ブーム」の特集。「山への愛 波乱の作家人生にに光」の記事、没後50年記念の「深田祭」や、久弥夫妻の写真、市毛良枝の「ガイドブックではなく深い文学」のエッセイで構成されている。 文芸誌「季刊文科」に、作家の忌日に思いを馳せるエッセイ「文学忌・今昔」を寄稿していて、今回発行の84号は、没後50年ということで九山・深田久弥を取り上げたのだが、その84号が今日...
見る 読む 歩く | 2021.05.12 Wed 19:56
JUGEMテーマ:日本文学 唐津城近くの浜辺に、スペイン風邪で療養した当時の宿の跡に、斎藤茂吉の歌碑が建っている。 歌碑には『つゆじも』収載の「肥前なる唐津の浜にやどりして唖のごとくに明暮れむとす」の短歌が刻まれている。 唐津浜 八月三十日 午前八時十五分長崎発、午後一時三十五分久保田発、午後三時十五分唐津著、木村屋旅館投宿。高谷寛共に行きぬ 五日あまり物をいはなく鉛筆をもちて書きつつ旅行くわれは 肥前なる唐津の浜にやどりして唖おしのごとくに明暮あけくれむとす (『つゆじも』大正九...
見る 読む 歩く | 2021.05.09 Sun 14:27
JUGEMテーマ:日本文学 斎藤茂吉もスペイン風邪にかかった。大正9年(1920)1月、長崎滞在中(当時は長崎医専教授、県立長崎病院精神科部長)に罹患した。『感染症の日本史』(磯田道史)は、茂吉の書簡から茂吉の病状を説明していて、コロナ禍の現在も参考になる。 茂吉の罹ったのは「後流行」で、「前流行」は日本の全人口の4割近くが感染したのに比べ、「後流行」は4%弱と感染者は少なかったが、死亡率は患者千人のうち53人と、「前流行」の4倍以上だった、と磯田氏は記している。百年後現在の、第4波の...
見る 読む 歩く | 2021.05.08 Sat 19:32
JUGEMテーマ:日本文学 今日4月30日は荷風忌。南千住・浄閑寺の荷風忌は、昨年に続けて今年もコロナ禍で中止になった。「昨年春『中止のお知らせ』をお送りいたしました時、次回の開催への疑いは少しも抱いておりませんでした。しかし、今回もやむなく……」と、「荷風忌中止のお知らせ」のはがきが届いたが、新型コロナウイルスがこんなに長く日本列島に居座るとは、多くの人が思っていなかった。状況は一年前よりむしろ悪化している。国のリーダーたちの今に続く無策を痛感する。 ...
見る 読む 歩く | 2021.04.30 Fri 18:01
JUGEMテーマ:日本文学 磯田道史はスペイン風邪と宮沢賢治についても伝えている(『感染症の日本史』)。賢治はかからなかったが、日本女子大在学中の妹トシが大正7年(1918に)暮れに感染し、東京帝大医科付属小石川分院「永楽病院」に入院、賢治は母と一緒に上京し、翌年1月半ばに母が花巻に帰宅後も、2月上旬トシの退院、帰京まで看病した。 その間の父宛ての書簡数十通が、手持ちの『宮澤賢治賢治全集 11』(筑摩書房 昭和34年刊)に、45ページにわたって収録されている。 ...
見る 読む 歩く | 2021.04.29 Thu 12:24
JUGEMテーマ:日本文学 磯田道史の『感染症の日本史』は、志賀直哉「流行感冒」にも触れている。この作品「流行感冒」は、100年前のスペイン風邪を題材にしている。 千葉県我孫子に住む小説家の私は、妻と娘・左枝子、そして「石」と「きみ」という2人の女中と暮らしている。「私」最初の子供を病気で亡くしたから、娘の健康に対してきわめて過敏である。 大正7年(1918年)秋。流行感冒(スペイン風邪)が流行、感染者が増加する。小学校の運動会で感染者が多く出たという話も聞く。10月中旬のある日、毎...
見る 読む 歩く | 2021.04.28 Wed 11:20
JUGEMテーマ:日本文学 50年前の4月に亡くなった内田百?が、亡くなる50年前、今から100年前当時のスペイン風邪に感染して大変だったことを、磯田道史『感染症の日本史』で知った。内田百?はメガネ屋で眼鏡を買った時、店の「主人が〈はあはあ〉いっていて、スペイン風邪かなと、と思ったら、果たしてその翌日から猛烈なインフルエンザの熱が出て、到頭四十度を越しただけでなく、家中の者がみな感染して大変なことになった」(『実説艸平記』)と紹介している。
見る 読む 歩く | 2021.04.27 Tue 18:33
ほのぼのと人をたづねてゆく朝はあかしやの木にふる雨もがな 『桐の花』 とても素直でなめらかな、踊りにたとえるなら筋肉のつかい方に不自然なところやむだな動きのない、白秋らしさが最大限美質として表現された一首とおもう。 人をたずねてゆく行為がおのずからほのぼのとしているのではなく、その行為と世界とのあいだに引かれた境界線をやわらかく消してしまうには、あかしやの木にふる雨が欲しいものだ、とおもう。そうおもうことが、何の根拠もないけれどもほんとうに今にも雨を誘いそうな気がする。人...
星辰 Sei-shin | 2021.04.26 Mon 12:51
さしむかひ二人暮れゆく夏の日のかはたれの空に桐の匂へる 『桐の花』 ここでの「匂へる」は、桐の花の香が匂うのであり、古語の「匂ふ」より嗅覚に限定された使い方であろう。 だが、一首全体から顕ちあがるものはむしろ古語の「匂ふ」に近いかもしれない。桐の花の香を通して、世界と、さしむかいの二人とが、それぞれの輪郭を保ちながら、それを一気に踏み越えて溶け合うことへの渇きをそそられている。桐の花のむらさきも、かわたれ時の空の色と滲み合って、どこまでが花でどこからが空なのか、さしむかい...
星辰 Sei-shin | 2021.04.24 Sat 13:31
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