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坂口安吾と「タケヤリ」広告――「大波小波」

JUGEMテーマ:日本文学  昨日(5・24)の東京新聞夕刊コラム「大波小波」に、太平洋戦争下に日本軍の非合理を暗に批判する「鉄砲」と、毎日新聞記者・新名丈夫が紙面(1944・2・23)で、敵が飛行機で攻めて来るのに「竹槍」では戦えないと、「海洋航空兵力の飛躍増強」を提言した。    5月11日の宝島社の広告は、安吾や新名の精神を受け継いでいると指摘。この広告の載った直後、「現状はまったくあの昭和10年代にそっくり」と、ブログに書いた私としては、まさにわが意を得たり、である。     ...

見る 読む 歩く | 2021.05.25 Tue 19:40

吉村萬壱「発狂遊び」の、あちら側とこちら側

JUGEMテーマ:日本文学   「季刊文科」84号掲載の「書き下ろしほか」は、私にとっては未知の世界で、それぞれ面白かったが、吉村萬壱「発狂遊び」に驚き、笙野頼子の「難病貧乏裁判糾弾プラチナを売る」には仰天した。     吉村萬壱「発狂遊び」は、小学生時代に布団シーツの中に潜り込んだ兄を「あかん! 出してくれ! 」というまで抑え込んだ「遊び」の愉悦を、今、小学生の娘と同じ密閉シーツの遊びをしながら思い出し、家庭を棄てて結婚する約束の女性との「苦しみの余り互いに頭がおかしく」...

見る 読む 歩く | 2021.05.24 Mon 11:55

「超短編」のすすめ――「季刊文科」84号

JUGEMテーマ:日本文学      「季刊文科」84春季号が「『超短編』のすすめ」を特集している。  短編小説もだんだん長くなって30枚から50枚が普通になったが、以前は20枚以内のものが主流だった。教科書に採られた夏目漱石の「夢十夜」の一夜分は5枚、志賀直哉「清兵衛と瓢箪」9枚、芥川龍之介の「鼻」は17枚、梶井基次郎「檸檬」は13枚、井伏鱒二「山椒魚」16枚、中島敦「山月記」は16枚と、20枚以内がほとんど。    巻頭の「『超短編』のすすめ」座談会の発言・応酬が面...

見る 読む 歩く | 2021.05.22 Sat 16:53

深沢七郎と深田久弥

JUGEMテーマ:日本文学  深田久弥は昭和21年に中国から復員、志げ子と長男・森太郎の疎開先越後湯沢に身を寄せ、その後は郷里福井県大聖寺町、金沢市に移り住み、昭和30年上京、東京都世田谷区松原に居を定めた。    松原の深田宅のすぐ近くに深沢七郎が住んでいた。深田、深沢とまぎらわしいことから、郵便物その他届け物が間違って届けられることがおおかった、と深沢七郎が書いている(「分らなくなってしまう日記」1959・9『新潮』)。そのコピーが探していてなかなか見つからない。深田久弥の子息森太郎...

見る 読む 歩く | 2021.05.20 Thu 15:55

深沢七郎の生地 石和温泉

JUGEMテーマ:日本文学  笛吹川を眺めながらタクシーに下ってもらい、深沢七郎生家跡近くの公園で降りた。足湯もある公園でゆっくりし、今は蕎麦屋になっている生家と、その脇の印刷所跡を訪ねた後、宿泊先のかんぽの宿まで歩いた。4月下旬だったが暑い日で、疲れも感じてタクシーをと思ったが、近くに電話もなく、たいした距離でもないので歩いた。    かんぽの宿石和温泉で体に異常を感じた。旅先のことで不安の一夜を明かした。翌朝は一応治まった。体調を崩した理由は、過労だったと思う。年甲斐もなくタクシ...

見る 読む 歩く | 2021.05.17 Mon 14:44

飯田蛇笏・龍太の生家 墓所――石和温泉

JUGEMテーマ:日本文学  石和は俳人の飯田蛇笏・龍太の生地(聖地?)で、タクシーの運転手さんも知っていた。深沢七郎文学碑からの帰りに寄ってもらった。如何にも当地の旧家を思わせる屋敷と邸宅で、隣に記念館「山盧」も建っている。飯田家墓所にも寄ってもらったが、墓地は判っても「飯田家の墓」はいくつもあって、どれが蛇笏・龍太の墓なのか分からない。ここでも近くの畑の人を運転手さんが呼んで、その人は親切に墓地まで来てくれて、これがそうです、と簡素な墓を示された。           飯田蛇笏・龍...

見る 読む 歩く | 2021.05.17 Mon 06:38

「季刊文科」掲載「九山忌」と深沢七郎

JUGEMテーマ:日本文学  「季刊文科」84春季号、「文学忌・今昔10 九山忌」には、割愛した部分がたくさんある。その一つが深沢七郎との関係だ。  拙稿「九山忌」(九山は深田久弥の俳号)には、一昨年の「深田祭」のことを記し、深田久弥長男森太郎氏が久弥文学碑の前で挨拶する写真も載せた。    掲載誌には「前日体調を崩して追悼登山は諦め、午後の碑前祭に出かけた」とだけ記したが、実は記念登山を是非と思って、高尾山、三頭山に登って足慣らしをし、深田祭の前日は石和温泉に泊まり、翌日早く韮山駅に...

見る 読む 歩く | 2021.05.16 Sun 19:05

日本百名山特集――今日の朝日新聞夕刊

  JUGEMテーマ:日本文学  今日の朝日新聞夕刊は、「『日本百名山』深田久弥」、「没後50年 衰えぬ登山ブーム」の特集。「山への愛 波乱の作家人生にに光」の記事、没後50年記念の「深田祭」や、久弥夫妻の写真、市毛良枝の「ガイドブックではなく深い文学」のエッセイで構成されている。      文芸誌「季刊文科」に、作家の忌日に思いを馳せるエッセイ「文学忌・今昔」を寄稿していて、今回発行の84号は、没後50年ということで九山・深田久弥を取り上げたのだが、その84号が今日...

見る 読む 歩く | 2021.05.12 Wed 19:56

茂吉療養滞在跡地の歌碑と唐津城

JUGEMテーマ:日本文学  唐津城近くの浜辺に、スペイン風邪で療養した当時の宿の跡に、斎藤茂吉の歌碑が建っている。  歌碑には『つゆじも』収載の「肥前なる唐津の浜にやどりして唖のごとくに明暮れむとす」の短歌が刻まれている。 唐津浜 八月三十日 午前八時十五分長崎発、午後一時三十五分久保田発、午後三時十五分唐津著、木村屋旅館投宿。高谷寛共に行きぬ 五日あまり物をいはなく鉛筆をもちて書きつつ旅行くわれは 肥前なる唐津の浜にやどりして唖おしのごとくに明暮あけくれむとす (『つゆじも』大正九...

見る 読む 歩く | 2021.05.09 Sun 14:27

斎藤茂吉とスペイン風邪

JUGEMテーマ:日本文学  斎藤茂吉もスペイン風邪にかかった。大正9年(1920)1月、長崎滞在中(当時は長崎医専教授、県立長崎病院精神科部長)に罹患した。『感染症の日本史』(磯田道史)は、茂吉の書簡から茂吉の病状を説明していて、コロナ禍の現在も参考になる。    茂吉の罹ったのは「後流行」で、「前流行」は日本の全人口の4割近くが感染したのに比べ、「後流行」は4%弱と感染者は少なかったが、死亡率は患者千人のうち53人と、「前流行」の4倍以上だった、と磯田氏は記している。百年後現在の、第4波の...

見る 読む 歩く | 2021.05.08 Sat 19:32

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