[pear_error: message="Success" code=0 mode=return level=notice prefix="" info=""]
訳あって、泉鏡花の「紫陽花」を初めて読んだ。 氷売りの美少年に、お姉さんがちょっと意地悪をするお話。 このお姉さんは、蛇の化身なのか、はたまた神様なのか。 どこまでが夢で、どこからが現実なのか。 世界の輪郭線がぼんやりとして、はっきりとわからない。 泉鏡花らしい、美しい文章だ。 鏡花作品を読んでいてよく思い出すのは、たゆたう水面を両手のひらで掬って、指の隙間から水がこぼれていく感覚。 指先まで清められて、ひんやりとするのが恐ろしく心地良いのだけ...
天使の涙 | 2021.02.11 Thu 22:41
JUGEMテーマ:日本文学 NHKテレビニュースで、「安吾の未発表小説見つかる 」が報じられて驚いたが、さらにその発見者として登場したのが、旧知の浅子逸男さんでさらにびっくり。遠い昔に同僚だった一時期があるのだ。安吾についての著書のあることは知っていたが、それはずっと以前のことで、その後のことはまったく知らなかった。今は花園大学教授という。 新潟日報は「新潟市出身の作家坂口安吾(1906〜55年)が昭和初期に書いたとみられる未発表小説の原稿が...
見る 読む 歩く | 2021.02.11 Thu 10:03
JUGEMテーマ:日本文学 『解釈』誌への寄稿は「教科書紀行」連載企画がボツになり(昭和30年創刊という古い雑誌で、それまで連載ということgなかったというのが、「解釈学会」重鎮の異議だったと、いう。「教科書紀行」続編の原稿も用意した後のボツで、企画を進めてくれた教育出版センター社員の長谷川さんも残念がっておられたことを思い出す。 その企画とは別に、短い「余滴」欄寄稿などもあったように思うが、資料は残っていない。同誌は表紙と連携の「文学館めぐり」という連載があって、そこに寄稿し...
見る 読む 歩く | 2021.02.10 Wed 11:55
JUGEMテーマ:日本文学 作夜からのラジオ深夜便で、「大人の教養講座・初めての万葉集」とがあって、つい聞きほれてしまった。 講師は佐々木幸綱氏、朝日歌壇の選者、俵万智さんの師としての印象も強い。相当なご高齢のはずだが、爽やかなお声で、淡々と話された。 最初に取り上げた東歌は「多摩川に さらす手作り さらさらに 何そこの児の ここだ愛しき」で、狛江の多摩川べりに建てられた松平定信揮毫による歌碑が洪水で流失、その拓本をもとに大正期に復元された碑が建てられた経緯なども語られた...
見る 読む 歩く | 2021.02.09 Tue 14:54
JUGEMテーマ:日本文学 『戦災孤児の神話 野坂昭如+戦後の作家たち』は、教育出版センターというところからの出版だった。そこでは国語・国文学対象の『解釈』という雑誌を出していた。寄稿を依頼されて宮澤賢治の「雨ニモ負ケズ」について書いた。 今回、ブログに掲載するにあたって、改めて読んでみたが、終戦当時のお粗末な教科書の頃を思い出し、現在の豪華版教科書と思い合わせて呆然とした。戦争が終わった直後の窮乏時代、教科...
見る 読む 歩く | 2021.02.08 Mon 19:28
韮崎市深田記念公園で行われた第38回深田祭に参加した。早朝の記念登山に備えて前夜石和温泉に泊まったのだが、そこで体調を崩し、登山は諦めて碑前際に出ることにした。JR韮崎駅に着いた時には、会場までの特設シャトルバスの午前中の最終便(10:15)の出た後で、タクシーに乗った。 深田記念公園到着は11時過ぎ。深田祭の受付をすまして、広場の休憩所のテントに向かったが、茅ヶ岳登頂を果たして下山したらしい人たちが、テントの中で豚汁のサービスを受けていた。広場の上、東屋風の休憩所もある深田久彌記念公園に...
見る 読む 歩く | 2021.02.07 Sun 07:39
JUGEMテーマ:日本文学 『高校教育展望』連載5年目、タイトルがまた変わって「新刊案内・ブックガイド」となり、字数も少し短くなった。この年取り上げた作品は次のとおり。 林大監修『現代漢語例解辞典』、森下研『草原の彗星チムール』、谷沢永一『回想 開高健』、井上一馬『モーニング・レイン』、野坂昭如『わが桎梏の碑』、三木卓『いじわる動物園』、俵万智『ふるさとの風の中には』、大岡信『光のくだ』、パトリック・ジュースキント/池内紀訳『ゾマーさんのこと』、他3冊(資料欠)。 ...
見る 読む 歩く | 2021.02.03 Wed 07:01
JUGEMテーマ:日本文学 『高校教育展望』連載の四年目、平成3(1991)年度から、「新刊案内・ブックダイジェスト」とタイトルが変わり、字数も増えた。取り上げた作品は次のとおり。中村真一郎『俳句のたのしみ』、三浦哲郎『みちづれ』、笹川久三『四万十川・第三部』、高田宏『山へ帰った猫』、杉浦明平『なたかしい大正』、佐伯一麦『ア・ルースボーイ』、深田久弥『日本百名山』、団鬼六『日本の名随筆 将棋』、尚学図書編『方言の読本』、高井有一『立原正秋』。 すっかり忘れていたが、この年は...
見る 読む 歩く | 2021.02.02 Tue 08:15
JUGEMテーマ:日本文学 月刊『高校教育展望』連載「新刊案内・ブックガイド」で、1990(平成2)年度に取り上げた作品は次の通り。 筒井康隆『文学部只野教授』、ヨーゼフ・ロート/池内紀訳『聖なる酔っ払いの伝説』、別役実『イーハトーボゆき軽便鉄道』、近藤富枝『信濃追分文学譜』、飯田龍太『花のうた』、佐木隆三『身分帳』、遠藤ケイ『親父の少年時代』、加太こうじ『小説・黄金バット』、三木卓他編『群像 日本の作家 宮澤賢治』、ティム・オブライエン/村上春樹訳『本当の話をしよう』、大竹新助『...
見る 読む 歩く | 2021.02.01 Mon 10:20
JUGEMテーマ:日本文学 『高校教育展望』連載の3年目、1990年度から版型が、それまでの『世界』『新潮』の雑誌の大きさから週刊誌大に変わった。新刊紹介のタイトルも「新刊案内・ブックガイド」と変更された。原稿字数も少し増えた。 最初に取り上げたのは筒井康隆の『文学部只野教授』。拙稿は「筒井康隆の旺盛な実験精神が、また新たな地平を拓いたといえそうだ」と結んだが、30年後の現在も東京新聞「大波小波」の「筒井康隆 逆縁の絶唱」(1・28)の評で、「川のほとり」『新潮』2月号)の近作を...
見る 読む 歩く | 2021.01.31 Sun 19:21
全606件中 451 - 460 件表示 (46/61 ページ)