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僕がもうノヴァでいるってことは内緒だよ

大森望責任編集『NOVA 6』(河出書房新社・文庫,2011/11) 収録作品 大森望「序」 斉藤直子「白い恋人たち」 七佳弁京「十五年の孤独」 蘇部健一「硝子の向こうの恋人」 松崎有理「超現実な彼女 代書屋ミクラの初仕事」 高山羽根子「母のいる島」 船戸一人「リビング・オブ・ザ・デッド」 樺山三英「庭、庭師、徒弟」 北野勇作「とんがりとその周辺」 牧野修「僕がもう死んでいるってことは内緒だよ」 宮部みゆき「保安官の明日」 大森望「編集後記」 なぜか読む機会を逃していたオリジナル・アンソロジー。「本書...

更・ぅれしぃがらし日記 | 2011.12.24 Sat 14:25

人類が絶滅するまで何マイル?

高野和明『ジェノサイド』(角川書店,2011/03) 20世紀後半に米政府に報告された極秘レポート「人類の絶滅要因の研究と政策への提言」には、5つの要因が挙げられていた。第1.宇宙規模の災厄(小惑星の地球への衝突)、第2.地球規模の環境変動(地磁気の南北逆転現象)、第3.核戦争、第4.疫病:ウイルスの脅威及び生物兵器、そして第5の脅威として挙げられたアレが内乱の続くコンゴ東部に出現したとの情報に接した攻撃的かつ独裁的な米国大統領は、その排除を命じる。かくしてアフリカの密林に進行するイエーガーらワケあり傭兵4人衆。そ...

更・ぅれしぃがらし日記 | 2011.09.22 Thu 00:07

滋賀らばごめん

万城目学『偉大なるしゅららぼん』(集英社,2011/04) 『鴨川ホルモー』では京都、『鹿男あをによし』では奈良、『プリンセス・トヨトミ』では大阪、と知られざる伝奇を著してきた万城目学の関西三部作第4作の舞台は滋賀である。でも滋賀っていまいち地味とゆーか、琵琶湖があるだけでしょてなこと考える関東人は浅墓というかもうしゅららぼんでありました。 偉大なる琵琶湖を力の源泉とする日出家と棗家の間で繰り広げられる超能力対決。力を利用して壮麗すぎて爆笑してしまう生活を営む者がいれば、力をほどよく使いこなす者や持...

更・ぅれしぃがらし日記 | 2011.07.31 Sun 14:36

小松左京逝去

2011年7月26日、肺炎のため逝去。80歳。 京都大学文学部イタリア文学科在学中から作家の高橋和巳らと交流し、文学活動に参加。卒業後は業界紙記者、土木工事の現場監督、漫才の台本作家などさまざまな職業を経験した。昭和36年に『地には平和を』で「SFマガジン」の第1回コンテストで努力賞。SF作家としてデビューした。 空襲で焼け野原となった大阪城周辺の廃虚を舞台に、鉄を食料にする一族を描いた「日本アパッチ族」(昭和39年)のほか、「復活の日」(同)「果しなき流れの果に」(41年)など、人類と現代文明の未来を探る構想豊...

更・ぅれしぃがらし日記 | 2011.07.29 Fri 08:20

小松左京 最高傑作は?

小松左京さんが亡くなられました。ご冥福をお祈りします。『日本沈没』が有名ですが、私はこれがイチオシです。【送料無料】果しなき流れの果にJUGEMテーマ:SF小説 

7days日記 | 2011.07.28 Thu 21:23

納得のリアル・ロボットSF

三島浩司『ダイナミックフィギュア』上・下(早川書房,2011/02) 伊上勝だったら気にしないと思うのだけれど、なぜ巨大人型兵器で戦わなくてはいけないのかという設定がじつに複雑精緻でそこがまず読ませる。その核となる「様々な概念を吸収し、その獲得した情報や形質を次代に遺伝させてきた」エイリアンのアイデアにはたまげた。それらの設定から紡がれる兵器の開発、軍略の進化、地政学のダイナミズム、さらには少年と少女の成長に大人の駆け引きも盛り込んで、あれもこれもの大部な展開を破綻することなく独特の硬い文体で一気...

更・ぅれしぃがらし日記 | 2011.05.13 Fri 07:01

沈みゆく前に

眉村卓『沈みゆく人』(出版芸術社,2010/12) 収録作品 沈みゆく人 板返し じきに、こけるよ 住んでいた号室 あとがき/名づけて「私ファンタジー」 眉村卓本人を思わせる老境の男たちを主人公とした作品、内容に同調した読者を取り込むという本をめぐる長めの表題作と小品3篇を収録。今おかれている状況をことさら悲観するでもなく、恐れを抱かないわけではないけれど、粛々と受容する姿がしっくりとくる。団地の子としては、かつて住んでいた団地が解体される「住んでいた号室」が印象に残る。

更・ぅれしぃがらし日記 | 2011.04.10 Sun 20:38

さまざまな終末

福島正実編『破滅の日』(講談社・文庫,1975/05) 収録内容 アーサー・C・クラーク/宇野利泰訳「太陽系最後の日」 ウォード・ムーア/浅倉久志訳「ロト」 ロバート・A・ハインライン/福島正実訳「大当りの年」 リチャード・マティスン/福島正実訳「終りの日」 アルフレッド・コッペル/小笠原豊樹訳「夏は終りぬ」 ロバート・シェクリイ/宇野利泰訳「ひる」 レックス・ジャトコ/斎藤伯好訳「豚の飼育と交配について」 解説/福島正実 東日本大震災発生から半月がたった。三陸沖でマグニチュード9.0の巨大地震、街を押し流...

更・ぅれしぃがらし日記 | 2011.04.02 Sat 07:16

幼年期も終わりです

ようやく読み終わりましたよ。幼年期の終り。謎あり、サスペンスあり、冒険あり…もうホント、SFのすべてが詰まった感じ。流石である。これは本当に読んでよかった。登場人物の中でも、特にジャンは登場初期から良かった。オーバーロードによって、人類全体が完全な暮らしを手に入れた中で、それに逆らい宇宙へ出るの夢を実現させるとこが。最終章では、人類最後のひとりになり、地球の最後を見届ける…。凄まじい人生でした。「いたずらに過去にしがみついても、何の足しにもならないのだ」 ストルムグレン「我々の描く未来図は、極め...

ウィスザッキ | 2011.03.10 Thu 22:16

SFの色いろいろ

大森望/日下三蔵/山田正紀編『原色の想像力』(東京創元社・文庫,2010/12) 前代未聞のオール新人賞作家アンソロジー 第1回創元SF短編賞に寄せられた力作9編+受賞後第1作[帯] これはおもしろい。作家のネームバリューによるハロー効果はなく、600編を越える新人賞応募作の中からの精選というだけの条件のもと素直に楽しませてもらいました。さらに、なぜこの作品を選ぶのかと悩み闘う最終選考座談会がおもしろさのだめ押しをするのでよいのです。 収録作品 大森望/日下三蔵/山田正紀「序」 高山羽根子「うどん キツネつき...

更・ぅれしぃがらし日記 | 2011.02.09 Wed 00:21

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