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ポーカー・レッスン

JUGEMテーマ:ミステリ   ジェフリー・ディーヴァーの短編集です。 前作のクリスマス・プレゼントも とても面白かったですが、 こちらもオススメです。   長編と短編は、まったく書き方が 異なるという著者の解説もあります。   短編は、設定も自由で、 書くことが楽しそうです。   どんでん返しに次ぐどんでん返し! どう騙されるのか、ワクワクします。   悪が勝つことも、しばしばですが、 それもまた、短編の醍醐味ですね。    ...

大河の一滴 | 2016.07.18 Mon 07:07

刑事さん、さようなら/樋口有介 ★★☆

 後輩の刑事は「結婚したい女ができた」と明かした十日後に自宅で首を吊った。自殺に疑問を持った須貝は独自の調査を進める中、二日後に起こった風俗ライター殺しとの関わりを見つけるが……。    近年の樋口作品は「雨の匂い」、「ピース」等鬱々とした重たい雰囲気のものが多かったが、本作は幾分薄まっている。理由は語り手の二人。須貝は警察官らしく鬱屈を割り切り(他作の諦めとは違う)、ヨシオは呑気に受け流す(「月の梯子」に通じるものがある)。このおかげでストーリー自体の重さは変わらないが随...

敬称略にてお願いします | 2016.07.14 Thu 17:39

白雪姫には死んでもらう

JUGEMテーマ:ミステリ   ネレ・ノイハウスの邦訳2作目、 オリヴァー&ピアの4作目となる本作品。   11年前の2少女の殺人事件で 有罪となった青年が釈放され、 生まれ故郷に戻ってくる…   折しも、犠牲となった少女の 白骨化した遺体が発見される…   彼は無実だったのか? 真犯人は誰なのか? 村人は誰をかばっているのか?   複雑な人間関係、 多くの村人が抱えるさまざまな罪、 自閉症の青年、反抗期の娘、 警察内部の不...

大河の一滴 | 2016.07.10 Sun 12:52

凍える街/アンネ・ホルト ★

 クリスマス直前に起きた高級住宅街での殺人事件。被害者は海運会社の社長夫妻、長男と身元不明の男。オスロ市警が会社継承をめぐる確執を動機として操作を進める中、捜査官ハンネ・ヴィルヘルムセンは当初身元不明だった出版コンサルタントの男に注目する。彼は何故現場に居て一緒に殺されなければならなかったのか。    作者アンネ・ホルトはノルウェーミステリーの女王的存在で、北欧ミステリーブームが来る前から日本で作品が出版されていたとか。キャスター、弁護士を経て作家デビュー。デビュー後には法務大臣に...

敬称略にてお願いします | 2016.07.06 Wed 16:59

ゴースト・スナイパー

JUGEMテーマ:ミステリ   久しぶりに、ジェフリー・ディーヴァーの リンカーン・ライム・シリーズを読みました。   書評では、イマイチと言う人もいますが、 とても面白かったです。   反社会的なシリアル・キラーが いつもライムの相手役というのも、 芸がないと思います。   お馴染みの面々に、新登場の女性検事、 現地の警察官も、いい味を出しています。   敵は、政府機関?? 真犯人は、二転三転… 職人芸とも言えるディーヴァーの ス...

大河の一滴 | 2016.06.30 Thu 20:02

箱庭図書館/乙一 ★★

 車のトランクに隠れて見知らぬ街を訪れた女子高生。出会った少年に連れて行かれたのは夜中になると子供たちが集まる廃ボーリング場。子供たちはそこに自分たちの王国を作ると言うが(王国の旗)。正月を寂しく過ごす近藤は雪の中出掛けた公園でひとりでに現れる足跡を見つける。足跡の主は雪に残る跡だけで繋がる平行世界の住人。二人は雪に書いた文字でコミュニケーションを取るが(ホワイトステップ)。    投稿作品を作者がリメイクするWebサイトの企画「オツイチ小説再生工場」の作品を一冊にまとめた短編集。各作品で...

敬称略にてお願いします | 2016.06.28 Tue 17:05

新世界より/貴志祐介 ★★★★

 1000年後の日本。人類は「呪力」と呼ばれる超能力を身につけていた。自然豊かな「神栖66町」で平和に暮らしていた渡辺早季も12歳で「呪力」を手に入れ、「全人学級」で「呪力」の訓練を行うことに。学校の夏季キャンプで町の外に出た早季と友人たちは先代文明が遺した図書館の自走型端末「ミノシロモドキ」と出会う。そこで早季たちは知ってはいけない先代文明史を知ってしまい……。    文庫本で上中下の全三巻、計1500ページ弱の大長編。読むのに時間が掛かりそうだと思ったが第二章からは一気読み。SF...

敬称略にてお願いします | 2016.06.23 Thu 17:03

検死審問/パーシヴァル・ワイルド ★★☆

 リー・スロンカムが検死官として初めて担当することになったのは老女流作家の誕生日パーティーで起きた殺人事件。早速陪審員を集めたスロンカムは関係者の証言を聞いていくが……。  発表は1940年。ギリギリ黄金時代からは外れるものの古典と言っていい作品だが古臭さは感じない。  検死審問の公判記録だけで構成されるというのは小説ならではだと思うが、室内での陪審員や関係者とのやり取りを中心に話を進めていくのは演劇的。劇作家として活動してた作家だけに演劇的な手法を使いつつ、劇にするのは難しそう...

敬称略にてお願いします | 2016.06.16 Thu 17:06

終結者たち/マイクル・コナリー ★★★☆

  3年ぶりにロス市警に復職したハリー・ボッシュは未解決事件班に配属される。初仕事として17年前に起きた少女殺害事件の再捜査にあたるボッシュだが、事件の裏には当時の市警上層部の圧力によって隠された事実があり……。  ボッシュシリーズ第11作。このシリーズも随分久しぶりで前作「天使と罪の街」を読んだのは9年前。「今1番次回作が楽しみな作家だ」とか書いておいて9年読まないという……。まあ、今回はボッシュも私立探偵からロス市警に復帰ということで、再びこのシリーズを読み始めるに...

敬称略にてお願いします | 2016.06.14 Tue 16:44

深い疵

JUGEMテーマ:ミステリ ネレ・ノイハウスの日本で出版された 第1作目〜書いたのは、3作目。 「悪女は自殺しない」の次の次。 いきなり、ナチスの話から始まり、 老人が次々に処刑のように殺され、 なかなか容疑者が見つからない… 著名な資産家の老婦人、 自伝を書くことに反対したのは、 どんな理由があったのか… オリヴァーは罠にはめられ、 ピアも危機一髪… 圧倒的なスケールで、 第二次大戦中の事件と現在が つながっていく展開。 ドイツなら、ヨーロッパなら、 こういうことも...

大河の一滴 | 2016.06.12 Sun 19:06

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