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前巷説百物語(京極夏彦)

JUGEMテーマ:ミステリ ※ネタバレあります  シリーズ四冊目だが、時間軸では一番前に来る。六つの中編を収録。内容は又市修行編といったところか。小右衛門も祇右衛門も、そして少しだけだがおぎんも出てくる。この頃からの付き合いや因縁だったんだね。小右衛門の登場がいい。現役バリバリ感いっぱい。この巻で登場した人物の多くが最後に亡くなってしまう。特に浪人の山崎。安らぐ場所が安らぐ場所じゃなかった皮肉。しかも子供に殺されるとは…。後の話に繋がる人物の登場は嬉しいけど、この巻だけで終わって...

本、読みました。 | 2020.09.15 Tue 21:08

後巷説百物語(京極夏彦)

JUGEMテーマ:ミステリ  シリーズ三冊目。年老いた百介が体験談を語ることで、元侍だった若者たちが持ち込む難題に解決のヒントを与える。しかし語られる体験談は真相のすべてではない…。著者はこれで直木賞を獲ったのか。面白いのは前冊だったが、過去を振り返る感じが評価されたか。「もう、この国に山はないのではないか」(山男)。良い言葉だけど、審査員が高齢だったのかな。小夜という娘の正体も含め、寂しさが漂う一冊。最後、百介も亡くなるしね。あと、京極堂シリーズの「鉄鼠の檻」に名前のあった和...

本、読みました。 | 2020.09.09 Wed 21:16

続巷説百物語(京極夏彦)

JUGEMテーマ:ミステリ ※ネタバレあります。  シリーズ二冊目。短編から中編(いや長編か)六作を収録。百介の狂言回しぶりが一冊目より明確になってきた。話のスケールでは五作目の「死神」だろうな。ページ数も多いし、それまでの作品で蒔かれた伏線を回収している点でも、この本の仕上げという気がする(最後の「老人火」はエピローグ的なもの)。  ただ、個人的には「狐者異」。ここで明かされる「祇右衛門という仕組み」がねぇ。獄門で死んだはずなのに仕組みとして残っていくというあたりは、現実世界の諸々...

本、読みました。 | 2020.09.07 Mon 20:19

巷説百物語(京極夏彦)

JUGEMテーマ:ミステリ  短編集。7つの作品が収められている。内容は一種の仕掛人話。奇怪な現象の背後にある、人の妄執を表に出して真相を明らかにすることで、奇怪な現象を治める仕掛人たち。小股潜りの又市、山猫廻しのおぎん、事触れの治平、そして彼らとひょんなことから関わることになった考物の百介など、魅力的な登場人物が仕掛人として活躍する。  又市の云う「御行 奉為」が京極堂の「憑物落とし」に通じている。しかし、京極堂ほどペダンチックでないぶん、こちらは読みやすい。巷説百物語シリーズの...

本、読みました。 | 2020.08.31 Mon 18:28

黒死館殺人事件(小栗虫太郎)

JUGEMテーマ:ミステリ ※ネタバレあります。  何度目かの挑戦でやっと完読。三大奇書の中では一番短いが最も難解。読み始めて新本格派第一世代を思い出し、彼らはこういう作品に啓発されて一派を形作ったのかも…と思ったが、読み進むにつれ新本格派第一世代が紛い物に思えてきた。それくらい華麗なペダンチックさ。あまりの華麗さに眩暈を覚え、以後その眩暈から逃れられないままラストまで。読了した今も眩暈に悩んでいる。  何回か読まないと掴みきれない作品。だからといっても再度読む気には…なら...

本、読みました。 | 2020.08.25 Tue 20:50

ドグラ・マグラ(下)(夢野久作

JUGEMテーマ:ミステリ ※ネタバレあります。  訳わからんかったけど面白かった。謎が解決されないまま次々と別の謎が示されるので、読んでいる自分の位置を見失う。そこでお手上げになるかその状態を楽しめるかなのかもしれん、この本は。確かに奇書。夢中遊行やら心理遺伝(千年前の先祖の心理が遺伝するんだって)やら作者の繰り出す手札の目眩まし効果の凄まじさ。結局何一つ謎は解決されないからね。呉一郎が正木博士の息子らしいことは最後に示されるが、その呉一郎と「私」が同一人物なのかはハッキリわからないま...

本、読みました。 | 2020.08.11 Tue 20:48

ドグラ・マグラ(上)(夢野久作)

JUGEMテーマ:ミステリ  困った。これは本当に訳が分かりにくいぞ。記憶を失った「私」が覚醒し、若林と名乗る男から直近に起きた奇怪な殺人事件の解決には「私」の記憶回復が必要というあたりは面白そうだったが、正木博士の残した記録やら論文やら報告書(どれも記録や論文や報告書らしくない内容)が出てきてからは理解が追いつかない。結局、「私」=「殺人事件の犯人」=「探偵アンポンタン・ポカン」=「正木博士の講義を聞いていた学生」=「呉一郎」なのか? その答えは下巻にあるのか、はたまた更なる混迷に...

本、読みました。 | 2020.08.10 Mon 21:30

虚無への供物(下)(中井英夫)

JUGEMテーマ:ミステリ  著者自ら「アンチ・ミステリー」と云ってるんだからそうなんだろう、というのが正直な読後感。「本格推理小説は子供だましの手品小説」と登場人物に云わせているのも頷ける。上巻同様、ヘボ探偵の推理合戦が続くかと思うと作中人物の書いた小説部分が挟まれていたりで、読んでいて混乱すること度々。終盤には、あれは事故であれは自殺であれはやっぱり昔死んでいて…という急展開があり、読みやすい文章のため予想以上のスピードで読めた分、嵐がサーっと駆け抜けていった感じ。一遍読んでみ...

本、読みました。 | 2020.08.07 Fri 21:07

虚無への供物(上)(中井英夫)

JUGEMテーマ:ミステリ  もっと読みにくいかと思っていたが、上巻を読む限りそれほどでもなかった。京極物で鍛えられたせいかな。お話は1954年から始まっているが、発行は1964年で丁度松本清張らの社会派推理小説が活気を帯びてきた頃。それへの反発なのか、社会派とは真逆の推理小説を出してきたという感じ。何度か「黒死館殺人事件」の名前も登場する。  内容は没落気味の名家の人間の謎の死が続く。それが事故か殺人か、迷探偵たちのヘボ推理合戦が始まる…といったところかな、上巻はね。ここからどう展開す...

本、読みました。 | 2020.08.05 Wed 20:46

今昔百鬼拾遺−天狗(京極夏彦)

JUGEMテーマ:ミステリ  シリーズ第三作。本作では「百鬼徒然袋−雨」の「鳴釜」に出ていた篠村美弥子の友人の失踪がお話の起点。その友人の服を着た自殺死体、、同じ時期に自殺した別の女性、更に別の女性が行方不明。同性愛も絡んできて話は混沌と…。  敦子の推理に美由紀の啖呵をいつも通りだが、今回は美弥子の「説教」も気持ち良い。美弥子も加えた3人がレギュラーのシリーズにしてくれないかな。なお、シリーズ三冊とも出版社は違うんだけど、カバー写真のモデルは今田美桜なんだよね。でも、三冊ともお面...

本、読みました。 | 2020.08.03 Mon 21:02

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