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この本が出版された年1912年、ポターは自身の印税収入の増加に伴って始めた、ナショナルトラストへの支援のために購入した湖水地方の土地の管理を1909年から任せていた、弁護士のウィリアム・ヒーリスからプロポーズを受けています。そこにまたしても両親の反対があります。理由は毎度のことで、家格の違いです。彼女の両親の、行動規範を司る価値観の全ては、ここにあります。 こうした人たちは理解に苦しみます。自分の生きている狭い世界での価値観を全てと思い込んで、その世界の外にあっても、自分たちの価値観を押し付けてく...
\'ものがたり\'散策 | 2026.08.04 Tue 14:01
ポターの本は売れ続けて、その名は、母国イギリスばかりか、アメリカでも知られるようになります。そして、それら、遠くの熱心な人からのファンレターも届くようになりました。 彼女は、この物語で、それらアメリカの人たちを喜ばせようと、新たに、アメリカに生息している、動物のキャラクターを登場させています。そう、この物語のメインキャラクターには、ハイイロリスを、その他には、シマリスやクロクマなども描いています。 主人公は、ハイイロリスのカルアシ・チミーです。彼には奥さんのカルアシ・カアチャンがいま...
\'ものがたり\'散策 | 2026.08.04 Tue 14:00
『フロプシーの子どもたち』での、子どもたちの救い主、のねずみのチュウチュウおくさんが主人公です。 おくさンは、たいへんなきれい好きなのですが、少々困っていることがあります。それは、彼女の家の招かざるお客のことです。様々な虫達、それに、蜜をねだる歯なしのガマガエルのジャクソンさん。いつとも知れず、彼女の家にやって来て、埃や足跡などを残し、彼女を困らせます。しかし、その様子は、半ばユーモラスに描かれていて、読者は和んでしまうのですが...。 最後の方では、ジャクソンさん対策が取られて、彼は彼女の...
\'ものがたり\'散策 | 2026.08.04 Tue 13:59
この物語の背景はソーリー村です。出版当時、村の人の間では、それとわかるような風景がたくさんあって話題になったそうです。 文章には登場せずとも絵を見ると分かるように、これまでポターの物語に登場してきたキャラクターがほぼ全て描かれています。 さてお話しです。猫のジンジャーと、テリヤ犬のピクルズの雑貨屋は、品揃えはいいし、かけ売りをするので評判です。接客にも気を使い、ネズミのお客には、恐がらせないように、猫のジンジャーではなく、テリヤ犬のピクルズがつくなどして万全です(猫とネズミは、捕食-被...
\'ものがたり\'散策 | 2026.08.04 Tue 13:58
ポターが子どもたちのリクエスト、”もっとうさぎの物語が読みたい”との声に答えて生まれたお話しです。 ピーターラビットに、ベンジャミン・バニー、ピーターの妹フロプシーはすでに大人になっての登場です。ベンジャミンとフロプシーは結婚していて子沢山、彼らには6羽の子どもたちがいます。そんな彼らの日常が描かれていきます。 生きてゆくには食べ物を得なくてはなりません。そしてそれらは綺麗事だけでは済まされないのです。今日はマクレガーさん宅のゴミ捨て場あさりです。のどかで平和な自然の中で繰り広げられる風...
\'ものがたり\'散策 | 2026.08.04 Tue 13:57
ポターのヒル・トップ農場において、ネズミは手におえない相手でしたが、その一方、彼女は、この最も腕の良い盗人たちを愛せずにはいられませんでした。 よってこの物語は、昔、飼っていたお気に入りのペットのネズミに捧げられています。「サミーの思い出のために−迫害されし(ただし決してへこたれない)種族の代表、ピンクの目をした知性あふれるサミー、私の大事な友達、そして泥棒の名人。」となっています。 彼女が愛好するものは、やはり自身の趣向を満たしてくれるものなのでしょう。その献辞から、物語に込められた彼女...
\'ものがたり\'散策 | 2026.08.04 Tue 13:56
この物語を読んでいると、私は、なんとも悲しい気持ちになってしまうのです。確かに、一般に言われている通り、ポターのヒル・トップ農場と、そこで生活することへの希望が描かれた美しい物語なのですが、評伝などで知った、彼女の生きてきた現実を重ねてみると、アヒルのジマイマはポター自身を思わせ、その自嘲が垣間見えてしまうのです。 出版は1908年ですが、この物語が実際に書かれたのは1906年、婚約者ノーマンとの悲しい出来事のすぐ後のことです。もし、彼女自身を物語に登場させたという見方が正しいとするならば、それは...
\'ものがたり\'散策 | 2026.08.04 Tue 13:56
鋭敏な作家はポターのこの作品を読んで早くも彼女の異変に気づいています。イギリスの作家グレアム・グリーンは (アヒルの)パドルダック氏の創造は、新しい段階のはじまりを画していることがわかる。…ポター女史はその天才の性格を変えるような感情の試練を体験したにちがいない。この試練の性質を詮索することは無礼なことかもしれない。だが、彼女のケースは奇妙にもヘンリー・ジェイムズのそれに似ている。何事かが起こって、この二人はみかけで人を信じることができなくなったのである。 と推察しています。感情の試練とはノ...
\'ものがたり\'散策 | 2026.08.04 Tue 13:55
ポターの動植物への興味は、大変広いもので、それらを観察し、ときにはスケッチすることで、彼女は自らの趣向を満足させていたようです。この物語の主人公のカエルも例外ではなく、彼女が、実際に飼って観察をしていたことが、彼女の暗号で書かれた日記に詳しいです。 物語の草稿はもうすでに過去に出来上がっていたものらしく、編集担当で、後の婚約者であった、ノーマン・ウォーンとの話し合いは、すでになされていたようです。しかしノーマンが突然帰らぬ人となり、その兄であるハロルドが後を引き継いでいるのですが、彼は...
\'ものがたり\'散策 | 2026.08.04 Tue 13:54
ポターにとって、この物語が出版された当時の1905年は、いろいろな意味で転換の年となりました。それは『2ひきのわるいねずみのおはなし』のところでも述べましたが、編集者であり、婚約者でもあった、ノーマン・ウォーンとの突然の死別を契機としています。彼は若くして病死してしまうのでした。 彼女は本を書く過程で、ノーマンとの友情や意見交換、手紙のやりとりを、彼女の内的生活の大きな柱としていたと、研究者マーガレット・レインは述べています。本を作ることのみが、彼女の仕事上での喜びではなかったのです。 彼女は...
\'ものがたり\'散策 | 2026.08.04 Tue 13:53
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