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主人公のルーシーはハンカチとエプロンをなくしてしまいました。その経緯は説明されません。ただ”いつものごとく”とあるだけです。 それを、探し歩きながら、途中で出会う動物たちになくしたものの所在を尋ねます。しかし、へんてこな返事が返ってくるばかりです。家の裏に山があるのですが、その高いところに、彼女は何かがひろげてあるのを見つけます。彼女は、それをたよりに山へ向かうことにしました。 始めの数ページだけでも、場面の移動、時間の流れに、日常のそれとは違う印象を受けます。 ルーシーは、山を歩い...
\'ものがたり\'散策 | 2026.08.04 Tue 13:52
ネズミはウサギの次にポターのお気に入りです。人形の家とネズミという舞台装置ですが、単独で用いられることも、またはこのお話しのように両方を絡めたものも、絵本だとか、児童文学の世界では、作者がよく用いる道具立ての一つです。 この道具立て、誰が始めたのかは分かりませんが、ポター以前のものに、今のところ、私は触れたことがありません。それらの物語は、ポターのそれを下敷きにしたのではないかと想像してしまいます。 この物語は、ポターにとって思い入れの深い作品であったであろうと思われます。編集担当の...
\'ものがたり\'散策 | 2026.08.04 Tue 13:51
印象に残ったポターの物語を、いち文と共に5つ取り上げてみたいと思います。本当はどれと選べないほど愛着のある作品たちです。どれも読めば心が和みます。 『グロスターの仕立て屋』(1903年作) これまで恵まれなかったとある仕立屋とネズミたちの心温まるお話しが、神の福音を思わせるような不思議な出来事になぞらえられて大団円を迎えます。 『ベンジャミン バニーのおはなし』(1904年作) 孤独だったポターが、唯一心の拠り所とした湖水地方への愛情が、痛いほど伝わてきます。他の物語にも、こういった視点は随所...
\'ものがたり\'散策 | 2026.08.04 Tue 13:41
主人公のベンジャミン・バニーは実在したウサギです。ポターが実際に飼っていたウサギで、そのキャラクターは、彼女をよほど面白がらせたようです。 動物を飼っている方なら分かると思いますが、多かれ少なかれ個々の動物には、みんなにキャラクターがあるもので、それは、かけがえのないものです。だから、死んでしまうと大変悲しんだりするわけです。ポターがこのお話しを執筆時、ベンジャミンは、もうすでにこの世にいませんでした。ならばこそ、ポターは、このウサギに込めていた気持ちを存分に描いています。 ベンジャ...
\'ものがたり\'散策 | 2026.08.04 Tue 13:26
この物語は、トールキンの『妖精物語とは何か』の本文の原註で、補足として取り上げられています。 トールキンは『妖精物語とは何か』第一章において、妖精物語(ファンタジー)を定義するにあたり、消去法を用いて説明を進めてゆきます。その、消去すべきものの一つにあげているのが動物寓話です。 ポターといえば”ピーター・ラビット”です。わたしは、彼女を動物寓話の作者と思っていたので、まさにこれからトールキンによって、妖精物語ではないものと断じられるのだと思いきや、彼女の作品の一部を、彼は妖精物語に近い...
\'ものがたり\'散策 | 2026.08.04 Tue 13:01
やはり、この物語にも、トールキンが指摘しているように禁制が働いています。このお話しの主人公りすのナトキンは、前記事の『ピーターラビットのおはなし』のうさぎのピーターと同じく、一人で行動し、その禁制を犯してしまうのです。このお話では、ふくろうのブラウンがいわば絶対者です。ナトキンは、彼を怒らせてしまいます。結果、ナトキンは、自身の大事な尻尾を失います。 普通に書店に並んでいる翻訳本を手にしたのですが、原本と比べなくても、何となく訳に、子どもに対する配慮が感じられます。著作権はとっくに切れ...
\'ものがたり\'散策 | 2026.08.04 Tue 12:58
”ピーターラビット”の物語には、とある禁制が働いています。そして禁制を犯したものに対しては、罰が待っているのです。 大人が、この物語を読むのなら、この、禁制を犯して、冒険に挑むピーターに、興味や面白みを持って引きつけられるのでしょうが、おそらく、ほんの小さな子どもに読み聞かせたら、軽くショックを受けるのではないでしょうか。 例えば、お父さんが、人に対する禁制を犯して、ミートパイにされてしまったこと。そしてピーター自身も、禁制を犯して、そのお父さんをパイにしたマクレガーさんに、追い回されるこ...
\'ものがたり\'散策 | 2026.08.04 Tue 12:53
こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。 前回、大雨による浸水で被害を受け、ショップを一時閉店させていただいてますという記事を書いたのですが、被害は思ったより深刻でして、まだ復旧には至っていません。 ご迷惑をおかけしております。 掃除が終わらないのと、床や壁の修理、あと濡れて駄目になってしまった絵本と無事な絵本の把握とか、机や椅子の入れ替え、粗大ゴミの撤去など、やることに追われています。 そんな中ではありますが、あまりにも大きな訃報が入ってきたので...
えほにずむの絵本棚 | 2026.07.09 Thu 10:28
こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。 月は古代より神秘の象徴。 様々な影響を地球に与え、月をモチーフにした神話や昔話などは枚挙に暇がありません。 月の起源に関して現在有力視されているのは、地球に惑星が衝突し、巻き上げられた岩石が集まって月が形成されたという説です。 つまりは月と地球は元は一つであったということです。 してみると、月を仰ぎ見るときに私たちの胸に去来する慕情は、かつて自分たちの一部であり、今は遠く離れてしまった存在に対するノスタ...
えほにずむの絵本棚 | 2026.06.24 Wed 09:59
こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。 色々と書きたいことはあるのですが、相変わらずのゆっくり更新で申し訳ないです。 息子の中学生活も落ち着いてるし、さほど忙しくて暇がないわけでもないのですが、思考がまとまらないという感じが続いています。 絵本や育児だけのことを考えていられるならいいのですが、やはりその先には世の中の動きや政治経済のことが繋がっています。 大きな視座を持つなら当然のことながら、平和で秩序のある社会がなければ安心して子供を育てること...
えほにずむの絵本棚 | 2026.06.01 Mon 11:41
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