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これも、おなじみの物語です。グリム童話の中で二番目に好きです。人間と共生してきた動物たちが、主人に裏切られ、積極的な逃走を企てるというものです。 逃走とは、トールキンの言葉を借りるならば、同じ逃げでも「囚人の逃避」とは違い、「脱獄者の逃避」を指し、前者の卑怯で臆病な振る舞いとは、対極の英雄的行動を言い表しています。(『妖精物語とは何か』 J.R.R.トールキン 評論社 5”回復、逃避、慰め”及び"結び"の記事を参照) そして、この後者の逃避とは、小さな自我に凝り固まった、前者の逃避の挙動不審な行...
'ものがたり'散策 | 2017.01.19 Thu 18:48
おなじみの物語です。気づいた方も大勢いると思いますが、登場者である狼の末路が、同じくグリム童話の(KHM05)『狼と七匹の子やぎ』と酷似しているのがわかります。 そう、狼が主人公たちを飲み込み、腹一杯でいい気持ちで寝ているところを、主人公たちの救護者にハサミで腹を切られ、主人公たちは助け出されますが、主人公たちの代わりに、石を大量に詰められた狼は死ぬ、というあの有名な結末です。 この類似によって、素人目にも、『赤ずきん』のエンディングが、グリム兄弟によって付け加えられた創作であることが疑われま...
'ものがたり'散策 | 2017.01.18 Wed 18:32
(KHM09)『十二人の兄弟』同様、一番末の妹がカラスに変身させられた兄を救うというお話しです。グリム童話という限定を外すなら、世界にも類話がたくさんあるようです。 物語、あるいは昔話の分類体系の世界標準であるアールネ・トンプソンのタイプ・インデックスでも同じ分類番号がふられています。 民俗学者や人類学者が行う、このような分類で、物語、昔話を語ることを、トールキンは嫌っていました。それぞれの物語の細部にあるものを、ないがしろにしてしまいかねないからです。 これらの分類の成果は、物語そのも...
'ものがたり'散策 | 2017.01.17 Tue 18:32
『ホレばあさん』または『ホレおばあさん』とも呼ばれます。そっくり同様の筋のお話が世界に無数に分布していて、このグリム童話の『ホレおばさん』を代表して”ホレおばさん型”と言っているようです。モチーフで分類するなら、それこそ、おびただしい数のお話が類話とされるでしょう。内容を平たく言えば、民話、昔話によくある、典型的な因果応報の物語です。 そのお話の型について、メモしておきます。 正直者が虐げられている中、大抵は穴のようなところに誤って物を落としてしまいます。このお話では井戸に糸巻きですね...
'ものがたり'散策 | 2017.01.16 Mon 18:29
わたしが読書に使っている『語るためのグリム童話』という本は、第二版を底本としていますが、大変わかり易いです。監訳の小澤俊夫さんが、本の題名通り、人に語ることを前提に、話の筋が通るように再話されているからかもしれません。 この物語、以前、第七版の翻訳を読んだことがあるのですが、話の辻褄が合わず、意味も汲み取れなかったのを覚えています。この物語は、初版にはなく、第二版からの追加なのですが、なぜこの物語が第七版まで残ったのか、疑問に思うほどでした。 それはさておきお話です。あるところに、と...
'ものがたり'散策 | 2017.01.15 Sun 19:17
『灰かぶり』(シンデレラ)とは広い地域で古くから伝えられる民話で、グリム兄弟以前にもパターンを少しづつ変えながら採録されています。 『妖精物語とは何か』 J.R.R.トールキン 評論社 2”起源”でトールキンは妖精物語に限らず神話や民話を含む物語全般の起源のことを述べようとしながら論点をずらして、物語の本質について述べていたのだと思います。 そして物語とは、人に備わっている帰納と抽象という能力によって、我々の内部にある精神や言語を、外部に再構成したものだとも述べていました。 物語の材料となっ...
'ものがたり'散策 | 2017.01.14 Sat 13:42
何時頃からかは分かりませんが、ヨーロッパ圏では「仕立屋七人で男の一人前」という句があり、仕立屋は、弱い男のなる職業というイメージがあるようです。今の今まで知りませんでした。 この物語もそうですが、以前、記事にしたビアトリクス・ポターの『グロスターの仕立屋』もこういった背景を気にとめて読むべきなのかもしれません。 それはさておき、このお話し序盤で、まず思うのは、主人公の仕立て屋と、ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャとの類似性のことです。あくまでキャラクターが醸しだす雰囲気のことですが...。...
'ものがたり'散策 | 2017.01.13 Fri 18:29
とある漁師が釣り上げたヒラメは、言葉を解し、”自分は王であり、魔法でこのような姿にされている。だから、私を逃がしなさい”としゃべりました。 言葉をしゃべるヒラメなんて、気色悪いし御免だとばかりに、ヒラメの言う通り逃してやる漁師ですが、家に帰り、奥さんにそのことを話すと、目ざとい奥さんはこう言います。逃してやった見返りに何か願い事をしてこいと...。 しぶしぶ漁師は、海に戻って、再びヒラメを釣り上げると、妻の言いつけ通り、逃がしてやる代わりに願い事をしました。すると、どうでしょう、なんと、その願...
'ものがたり'散策 | 2017.01.12 Thu 18:29
そら豆の、模様の理由についての由来が、物語られます。一般的には、これらのお話を、由来譚という分類に属するお話とするようです。 物語最後に、そらまめが弾けてしまうところなど、想像すると哀愁を誘います。そこを旅の仕立屋が通りかかり、そら豆を縫ってくれて一見落着となります。そして、この縫い目が、そら豆の模様の由来だというのです。 こういうタイプの物語も、民話には多くあるようです。確かに、人の好奇心をそそり、それを面白おかしく満たしてくれる物語です。 興味が湧いたので、第七版も読んでみ...
'ものがたり'散策 | 2017.01.11 Wed 19:10
物語は、主人公の若者が、白いへびを食べることによって、動物と言葉をかわすことが可能になるというものです。若者は旅に出るのですが、その特技を活かして、方々で動物の助けになるようなことをします。 そして、さすらいの末、自分がとある窮地に立たされた時に、これまでに助けた動物たちが恩返しをしに来るというものです。そして、彼は救われ幸せを得るのでした。 この物語、あまり深くは立ち入ることが出来ませんでした。グリム童話は、語り継がれてきた民話を、口承の保存に重点を置いて編纂したものなので、現代の...
'ものがたり'散策 | 2017.01.10 Tue 18:39
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