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山の神の秋祭りの晩、亮二は十五銭をもらってお旅屋にでかけ、つい空気獣という見世物小屋に入ります。 そして亮二は見世物を見終わって外へ出ようとすると、古い白縞の反物に、蓑のようなものを着た、黄金色の目で赤ら顔をした大男にぶつかります。 さて、亮二は十銭を払い小屋を出ると従兄弟の達二に会い、空気獣とは名ばかりで、牛の胃袋に空気を詰めたものだと教えられ、そんなことに金を払ったことを馬鹿にされました。 亮二は神楽殿で神楽を見ようとすると、掛茶屋の方で大声がするので行ってみると、そこには先程...
'ものがたり'散策 | 2017.11.22 Wed 18:26
荒唐無稽な描写が続き、初読では、安っぽいファンタジーと思われて、読むのを断念する方がいるかもしれないので、実際には物語最後で種明かしされますが、始めに断っておきます。つまりこの物語は、日向で寝転がっていた山男の白日夢のお話です。 山男はこれから向かうであろう町に行くためには、化けないことには殴り殺されるということで、木こりに化けます。 すると町で、支那商人の陳に出会い、陳の悪魔のような風体に、怪しいと思いながらも、長生きの薬と称してだまされ、六神丸という薬を飲まされてしまいます。 ...
'ものがたり'散策 | 2017.11.21 Tue 18:36
なめとこ山は、大きな山でした。そして一年の大半が霧や雲に包まれています。淵沢川はなめとこ山から流れ、中山街道を行くとなめとこ山の大空滝があります。 昔はその辺りにたくさんの熊がいたそうです。鉛の湯の入り口には、腹痛にも、傷にも効く、なめとこ山の熊の胆という昔からの看板もかかっています。 熊取りの名人、淵沢小十郎は、すがめの赤黒いごりごりとしたおやじで、大きな鉄砲を持ち、たくましい黄色の犬を連れて、なめとこ山やその周辺を、自分の座敷のように歩いていました。 小十郎は四十歳の夏、息子と...
'ものがたり'散策 | 2017.11.16 Thu 19:20
『カイロ団長』 宮沢賢治童話全集 5 より - これから追求されるべき新しい労働観 『月夜のでんしんばしら』 宮沢賢治童話全集 5 より - たぐいまれなるファンタジー 『シグナルとシグナレス』 宮沢賢治童話全集 5 より - 若いふたりの恋物語 『氷河ねずみの毛皮』 宮沢賢治童話全集 5 より - どうしようもない生きる事の本質 『よだかの星』 宮沢賢治童話全集 5 より - 表現は極端を指向する 『からすの北斗七星』 宮沢賢治童話全集 5 より - ユートピアを指向する賢治の物語群 『水仙月の四日』 宮沢賢治童話全集 5 より - 心象...
'ものがたり'散策 | 2017.11.15 Wed 18:42
雪婆んご(ゆきばんご)は遠くへ出かけておりました、と物語は幕を開けます。 赤い毛布(ケット)の一人の子供が、しきりにカリメラ(砂糖菓子)のことを考えながら、雪丘の裾を家に急いでいます。どうやら子供は使いで砂糖を買いに出かけた帰りのようです。 そこに来合わせた一人の雪童子(ゆきわらし)が、やどり木の枝を投げてやりますが、子供には雪童子の姿は見えません。 やがて西の彼方から雪婆んごが、三人の雪童子と、九匹の雪狼(ゆきおいの)を連れて帰ってきます。 雪婆んごは、彼らを駆り立てて、水...
'ものがたり'散策 | 2017.11.14 Tue 18:22
物語はからすの義勇艦隊の演習場面で始められます。 からすの艦隊長の大尉は、翌日、山がらす追討を命じられました。彼は、戦死を覚悟して、隊で一番声の美しい許嫁の砲艦に、もし自分が戦死したら自分のことは忘れてくれと、半ば別れを告げました。 出陣前夜、眠れぬ大尉は、明け方、敵の山がらすを、いち早く発見して、非常招集をかけ周到に隊を動かし、山がらすを倒します。 その武功をもって、大尉は少佐に昇進しますが、彼は山がらすの手厚く葬りながら、密かに、憎むことのできない敵を殺さないでいいように、早くこの...
'ものがたり'散策 | 2017.11.12 Sun 19:41
よだかは、みそをつけたような顔と裂けたような口というその醜さゆえに、何も悪いことはしていないのに、他の鳥たちからあざけられ、さげすまれていました。 ある夕方、鷹は、よだかのところへやってきて、改名を迫りました。自分と似た名を名のることは、けしからんというわけです。 そして鷹は自分とよだかを比べました。鷹は青い空をどこまでも飛んでいく。ところがよだかは、薄暗い日か夜でなくては出てこない。 しかし、名前というものは自分で勝手につけたものではなく、鷹は勝手なことを言っていることは明白です...
'ものがたり'散策 | 2017.11.10 Fri 19:00
このお話は、北の方の寒いところから、切れ切れに風に吹き飛ばされてきたのです。きっと誰もが知りたいでしょう、と物語は始められます。 十二月二十六日、夜八時、イーハートヴからベーリング行き最大急行が発車します。これから、この物語の舞台となる、この列車のある車室には、十五人ばかりの乗客が乗っていました。 その中には、仲間に黒ぎつねの毛皮九百枚を取ってくる賭けをしたために、ベーリングに行く、イーハートヴのタイチがいました。 彼は、ラッコ裏の内外套、ビーバーの中外套、黒ぎつねの表外套、北極兄...
'ものがたり'散策 | 2017.11.08 Wed 19:09
JUGEMテーマ:童話 ピクシーにもシンデレラの絵本はあります。 グリム童話の本場、ドイツの絵本ですからね。 「シンデレラ(Aschenputtel)」。 カッコ内のタイトルは、もちろんドイツ語です。 ディズニーのシンデレラと見比べるのも良いですが、こちらはこちらで、とてもキュート。 コニーちゃん(Conni)シリーズでおなじみのEva Wenzel-Bürger さんによる、少女ぽくとても愛らしいシンデレラです。 Eva Wenzel-Bürger さんの他の...
ブッククーリエ [BOOKCOURiER] 店長日記 | 2017.11.08 Wed 12:00
東北本線の信号機であるシグナルは、岩手軽便鉄道の信号機であるシグナレスを恋していました。気の弱いシグナレスも新式の信号機であるシグナルへの負い目を感じながらも、密かに彼へ恋心を寄せていました。 やがて、そんな恋する二人の会話は、成り行き上、シグナルのシグナレスへのプロポーズにつながり、二人は結婚の約束をします。 しかしこれに、格式を重んじるシグナルの後見人であり、鉄道長の甥でもある、背の低い太っちょの電信柱が激怒します。本線と軽便鉄道の格式の差。 そしてこのシグナルの後見人である電...
'ものがたり'散策 | 2017.11.06 Mon 18:40
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