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春の明るい太陽の日差しが降り注ぎ、太陽マジックのうたは、もう青空いっぱいひっきりなしにごうごう鳴っています。 実習服を着た、わたしと農学校生徒は、堆肥小屋で汲み上げた堆肥を、ふたりひと組になって、下台の実習田に運びました。 その際、安全のため、急な崖は避けて道を選びました。そして肥を麦にかけると、今度は崖を登り近道して帰っていきます。 あたりは、柳の木でも樺の木でも、燐光の樹液がいっぱい脈を打っています、と物語は結ばれます。 一連の農学校もののひとつに数えられます。童話という...
'ものがたり'散策 | 2018.01.17 Wed 18:29
『北守将軍と三人兄弟の医者』 宮沢賢治童話全集 9 より - 賢治が物語る理想的な人の生き死に 『税務署長の冒険』 宮沢賢治童話全集 9 より - 探偵ものへの興味、複雑な人間観 『種山ヶ原』 宮沢賢治童話全集 9 より - 続、村童スケッチ 『風の又三郎』 宮沢賢治童話全集 9 より - 数々の村童スケッチの集大成 JUGEMテーマ:童話
'ものがたり'散策 | 2018.01.15 Mon 18:42
九月一日 谷川の岸に小さな学校がありました。ふたりの一年生の子が、一番に登校したと、はしゃいでいると、そうではありあませんでした。すでに赤毛の子どもが、ひとり教室にしゃんと座っているのです。 じき生徒たちは集まってきました。赤毛の子どもは皆をきょろきょろ見ているばかり、その時、どっと強い風が起こります。その様子から、五年生の嘉助は、あいつは風の又三郎だとはやしたてました。 やがて先生が来て、赤毛の子を紹介しました。彼は、五年生で、父親の転勤に伴って、北海道から転校してきた、高田三郎と言...
'ものがたり'散策 | 2018.01.14 Sun 19:17
種山ヶ原というのは北上山地の真ん中の高原で、そこは東からの風と西からの風がぶつかるところで、すぐに雲、雨、雷、霧が起こります。人があまり通らないところで、主人公達二はそこで暮らしていました。 達二は夏休みが終わりに近づき、明後日から、二つの谷を超えたところにある、学校に通う予定です。宿題もすませたし、遊ぶにしても、もうやり尽くしてみんな飽きてしまい、家の前の檜に寄りかかって、夏休みで一番楽しかったことを思い浮かべていました。 すると達二は母親に、上の原で草を刈っているおじいさんと兄に...
'ものがたり'散策 | 2018.01.11 Thu 18:14
一、濁密(だくみつ)防止講演会 酒は人間エネルギーの根源です。大いに飲んでください。そして酒を作る際は濁密(密造酒であるにごり酒の製造)などせず、大仕掛けに設備を整えて、共同で正当な手段で作り税金を収めてほしい、と税務署長は講演しました。 税務署長の講演には、巧妙に罠が仕掛けられ、聴衆の顔色をうかがうためのものでした。しかし、村人はただ笑うばかり。税務署長は、ただ憎まれ口を叩いただけの講演になってしまったことに、しくじリの念をいだきます。 二、税務署長歓迎会 講演会の後、名誉村長...
'ものがたり'散策 | 2018.01.09 Tue 18:38
一、三人兄弟の医者 むかしラユーという首都に、兄弟三人の医者がいました。一番上のリンパーは普通の人の医者でした。その弟のリンプーは馬や羊の医者でした。一番末のリンボーは草だの木だのの医者でした。 三人は医術もよくでき、仁心もあったので名医であったのですが、まだ良い機会に恵まれず、位も名声もありませんでした。 二、北守将軍ソンバーユー ところで、ある日のこと、塞外の砂漠で転戦していた、北守(ほくしゅ)将軍ソンバーユーと九万の兵隊たちが、敵が脚気で全滅したため、三十年ぶりに凱旋します...
'ものがたり'散策 | 2018.01.05 Fri 19:47
『虔十公園林』 宮沢賢治童話全集 8 より - 報われた無償の善行、『雨ニモマケズ』への序章 『セロひきのゴーシュ』 宮沢賢治童話全集 8 より - 賢治晩年の芸術に寄せる思い 『革トランク』 宮沢賢治童話全集 8 より - 若さゆえの誰しももったことがあるであろう虚栄心 『化物丁場』 宮沢賢治童話全集 8 より - 自然災害を、ふんだんな空想を交えて語る物語 『毒もみのすきな署長さん』 宮沢賢治童話全集 8 より - 決まりを破る創造性の肯定 『フランドン農学校のぶた』 宮沢賢治童話全集 8 より - 再び殺生の問題 『ひかりの素...
'ものがたり'散策 | 2018.01.01 Mon 18:35
主人公のわたしは、草穂と風の中に横たわっていると、いつしか、暗いこけももの生えた、ツェラ高原を歩いています。鳥も獣もいない気圏の上空です。白い過冷却の湖岸は、いつか夜となり、また明け方となりました。 わたしはふと、天の空間へ紛れ込んだのだと思いました。そして、三人の天の子どもを見ます。それはガンダーラの于闐大寺(こうたんだいじ)の廃趾から発掘された壁画の子であると知りました。 わたしは三人に、自分が于闐大寺を沙の中から壁画を掘り出した青木晃だと紹介し、三人とともに太陽を拝みた...
'ものがたり'散策 | 2017.12.31 Sun 18:05
一、山小屋 炭焼きの父が働く山小屋へ来た一郎と弟の楢夫は、夜が明けて目を覚まし、明るい日曜の朝を迎えます。しかし楢夫は昨夜の夢に出てきた風の又三郎に怯え泣きました。 二、峠 昼過ぎになって、小屋を訪れた馬方が、父と話し込んでいます。そしてそれが済むと馬方が帰る後をついて、兄弟は雪道を家へ向かいました。 しかし途中で馬方が、通りすがった別の馬方と話し込んでいるのを待ちきれず、兄弟は、峠に向けて先を歩いて行きました。峠のいただきが見え始めた頃、雪が降り始め、次第にひどくなります。 ...
'ものがたり'散策 | 2017.12.29 Fri 19:46
フランドン農学校の一年生が、「豚というものは、水やスリッパやわらを食べて、それを一番上等な脂肪や肉をこしらえる、豚の体は生きた一つの触媒で、白金と同じだ」と話しているのを学校の豚は聞きます。 学校の豚は、白金一匁の値段から、自分の体重を加味して、自分の値打ちを勘定すると、その高値から自分を一流の紳士のように思い込みました。ところが豚の幸福はあまり長くは続きませんでした。 二、三日してドサリと落とされた食べ物の中から豚の毛を植えた歯磨楊枝を見て、彼は気分が悪くなるのでした。 また、畜...
'ものがたり'散策 | 2017.12.26 Tue 18:19
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