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童話
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久々に童話を読むと、意外と内容を忘れていて新鮮ですよね。
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『ポラーノの広場』 宮沢賢治童話全集 10 より - 賢治の私塾「羅須地人協会」の理想

前十七等官レネーオ・キュースト著、宮沢賢治訳述。 その頃、わたし、キューストは、モリーオ(盛岡?)市の役所の博物局に勤めておりました。俸給は安くとも、好きな仕事でしたので、たいそう愉快に働きました。 その頃、モーリオ市では、競馬場を植物園に改装することになり、その敷地は、いっとき役所のものとなったので、わたしは早速、宿直という名目で届けを出し、そこに山羊一匹を飼い独居を始めます。 一、にげた山羊 五月の最後の日曜日、にげた山羊を探しに出かけ、わたしは山羊を捕まえてくれた、十七歳の...

'ものがたり'散策 | 2018.01.28 Sun 21:09

『耕耘部の時計』 宮沢賢治童話全集 10 より - 初々しい新しい農業の担い手

一、午前八時五分 農場の耕耘部の農夫室には、農夫たちが食事を済ませ、仕事の準備をしていました。そこへ新入りとして、赤シャツの若くて血色のいい男が入ってきて農夫長に指図を受けました。 若い農夫は農夫長に脱穀の器械は八時三十分から動くから今すぐ向かえと言われます。若い農夫は、ふと、部屋の正面にかけてある舶来の上等らしいりっぱな柱時計をみました。 若い農夫は右腕を上げて自分の腕時計と見比べてその柱時計は自分の腕時計と比べて十五分進んでいるなとつぶやきます。若い農夫は自分の腕時計を合わせようと...

'ものがたり'散策 | 2018.01.23 Tue 20:40

『ある農学生の日誌』 宮沢賢治童話全集 10 より - 『グスコーブドリの伝記』序章

「ぼくは農学校の三年になったときから今日まで三年の間のぼくの日誌を公開する」という形式で、大正14年4月1日から、昭和2年8月21日までの出来事が物語られます。 「序」では、「どうせぼくは字も文章も下手だ。ぼくと同じようにほんきに仕事にかかった人でなかったら、こんなもの実にいやな面白くもないものにちがいない」と述べられます。 そんな自身の仕事に重ね合わせ、本当の仕事が地味で野暮であること、しかし、それを軽蔑するのは卑怯であること、そんな卑怯な行為を世界からなくしてしまおうではないかと語られま...

'ものがたり'散策 | 2018.01.21 Sun 18:41

『イギリス海岸』 宮沢賢治童話全集 10 より - 一連の随筆風農学校もの

夏休みの十五日の農場実習の間に、私たちがイギリス海岸とあだ名をつけて、二日か三日ごとに遊びに行ったところがあります。 場所は、北上川の西岸で、本当は海岸とは呼べませんが、イギリスあたりの白亜の海岸を歩いているようです。 わたしたちの学校は、そこに臨海学校などの機会を設けることができずにいたので、ぜひそこをイギリス海岸と呼びたかったのです。 また、第三紀と呼ばれる地質時代の終わり頃、そこは海の渚だったところのようで、ここを海岸と呼んでも何の不足があるでしょう。 私たちは、今年三度目...

'ものがたり'散策 | 2018.01.19 Fri 18:26

『イーハトーボ農学校の春』 宮沢賢治童話全集 10 より - 賢治と音楽

春の明るい太陽の日差しが降り注ぎ、太陽マジックのうたは、もう青空いっぱいひっきりなしにごうごう鳴っています。 実習服を着た、わたしと農学校生徒は、堆肥小屋で汲み上げた堆肥を、ふたりひと組になって、下台の実習田に運びました。 その際、安全のため、急な崖は避けて道を選びました。そして肥を麦にかけると、今度は崖を登り近道して帰っていきます。 あたりは、柳の木でも樺の木でも、燐光の樹液がいっぱい脈を打っています、と物語は結ばれます。 一連の農学校もののひとつに数えられます。童話という...

'ものがたり'散策 | 2018.01.17 Wed 18:29

宮沢賢治童話全集 9 風の又三郎 リンク

『北守将軍と三人兄弟の医者』 宮沢賢治童話全集 9 より - 賢治が物語る理想的な人の生き死に 『税務署長の冒険』 宮沢賢治童話全集 9 より - 探偵ものへの興味、複雑な人間観 『種山ヶ原』 宮沢賢治童話全集 9 より - 続、村童スケッチ 『風の又三郎』 宮沢賢治童話全集 9 より - 数々の村童スケッチの集大成 JUGEMテーマ:童話

'ものがたり'散策 | 2018.01.15 Mon 18:42

『風の又三郎』 宮沢賢治童話全集 9 より - 数々の村童スケッチの集大成

九月一日 谷川の岸に小さな学校がありました。ふたりの一年生の子が、一番に登校したと、はしゃいでいると、そうではありあませんでした。すでに赤毛の子どもが、ひとり教室にしゃんと座っているのです。 じき生徒たちは集まってきました。赤毛の子どもは皆をきょろきょろ見ているばかり、その時、どっと強い風が起こります。その様子から、五年生の嘉助は、あいつは風の又三郎だとはやしたてました。 やがて先生が来て、赤毛の子を紹介しました。彼は、五年生で、父親の転勤に伴って、北海道から転校してきた、高田三郎と言...

'ものがたり'散策 | 2018.01.14 Sun 19:17

『種山ヶ原』 宮沢賢治童話全集 9 より - 続、村童スケッチ

種山ヶ原というのは北上山地の真ん中の高原で、そこは東からの風と西からの風がぶつかるところで、すぐに雲、雨、雷、霧が起こります。人があまり通らないところで、主人公達二はそこで暮らしていました。 達二は夏休みが終わりに近づき、明後日から、二つの谷を超えたところにある、学校に通う予定です。宿題もすませたし、遊ぶにしても、もうやり尽くしてみんな飽きてしまい、家の前の檜に寄りかかって、夏休みで一番楽しかったことを思い浮かべていました。 すると達二は母親に、上の原で草を刈っているおじいさんと兄に...

'ものがたり'散策 | 2018.01.11 Thu 18:14

『税務署長の冒険』 宮沢賢治童話全集 9 より - 探偵ものへの興味、複雑な人間観

一、濁密(だくみつ)防止講演会 酒は人間エネルギーの根源です。大いに飲んでください。そして酒を作る際は濁密(密造酒であるにごり酒の製造)などせず、大仕掛けに設備を整えて、共同で正当な手段で作り税金を収めてほしい、と税務署長は講演しました。 税務署長の講演には、巧妙に罠が仕掛けられ、聴衆の顔色をうかがうためのものでした。しかし、村人はただ笑うばかり。税務署長は、ただ憎まれ口を叩いただけの講演になってしまったことに、しくじリの念をいだきます。 二、税務署長歓迎会 講演会の後、名誉村長...

'ものがたり'散策 | 2018.01.09 Tue 18:38

『北守将軍と三人兄弟の医者』 宮沢賢治童話全集 9 より - 賢治が物語る理想的な人の生き死に

一、三人兄弟の医者 むかしラユーという首都に、兄弟三人の医者がいました。一番上のリンパーは普通の人の医者でした。その弟のリンプーは馬や羊の医者でした。一番末のリンボーは草だの木だのの医者でした。 三人は医術もよくでき、仁心もあったので名医であったのですが、まだ良い機会に恵まれず、位も名声もありませんでした。 二、北守将軍ソンバーユー ところで、ある日のこと、塞外の砂漠で転戦していた、北守(ほくしゅ)将軍ソンバーユーと九万の兵隊たちが、敵が脚気で全滅したため、三十年ぶりに凱旋します...

'ものがたり'散策 | 2018.01.05 Fri 19:47

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