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童話
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久々に童話を読むと、意外と内容を忘れていて新鮮ですよね。
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『車』 宮沢賢治童話全集 4 より - 労働の楽しさをうたった明るい物語

ハーシュは午前中、街角に立っていましたが、どういうわけか仕事がなく、昼の弁当を食べ始めました。 すると、赤ひげのの男からテレピン油(塗料などの溶剤)を買いに頼まれます。ハーシュは男に道を聞いて、よぼよぼの車を引いて行きました。 道の目印となる松林のそばに来ると、水色の水兵服を着て空気銃を持った、縮れ毛の可愛らしい子どもに、車に乗せてくれとせがまれます。 子どもを乗せて車を引いていく途中、車の具合が良くないため調べてみると、車輪のくさびが抜けていました。このままでは車輪がはずれてしま...

'ものがたり'散策 | 2017.10.21 Sat 18:27

『よくきく薬とえらい薬』 宮沢賢治童話全集 4 より - 寓話的手法を用いた童話

清夫は、今日も森の中へばらの実を取りに行きました。森の鳥たちが、それを見て、清夫の病いの母親の具合を心配したり、病の薬であるばらの実が取れたかと案じてくれます。 しかしその日は、ばらの実が一向に集まらず、かごの底が隠れません。おひさまは空の真ん中まで登ろうとしています。木が水を吸い上げる音がしました。 疲れた清夫はぼんやりと立ちながら、ひと粒のばらの実を唇に当てます。するとどうでしょう、体中がなんともいえず、すがすがしい気分となりました。 清夫はそのばらの実を見ると、なんとその実は透き...

'ものがたり'散策 | 2017.10.20 Fri 18:22

宮沢賢治童話全集 3 どんぐりと山ねこ リンク

『貝の火』 宮沢賢治童話全集 3 より - 若き日の賢治が投影された物語 『どんぐりと山ねこ』 宮沢賢治童話全集 3 より - デクノボウ思想の前身 『鳥をとるやなぎ』 宮沢賢治童話全集 3 より - 子どもと詩人の感性 『ふたりの役人』 宮沢賢治童話全集 3 より - 子どもの視点から見える大人 『谷』 宮沢賢治童話全集 3 より - 消えることのない自然に対する畏怖を表現する物語 『さるのこしかけ』 宮沢賢治童話全集 3 より - 現実に生成する空想 『ほらぐま学校を卒業した三人』 宮沢賢治童話全集 3 より - 賢治の社会批判の原点 ...

'ものがたり'散策 | 2017.10.19 Thu 18:16

『四又の百合』 宮沢賢治童話全集 3 より - 賢治の信仰イメージ

お釈迦様が明朝に、ヒームキャの川を渡って、この町においでになることになり、王をはじめ民は感激と喜びに満たされます。 街では掃除をはじめ、もてなしの食事や、寝泊まりのための精舎の建築など、ひたすら手落ちのないように準備が整えられます。 お釈迦様が到着する朝方、王はお釈迦様にゆりの花を捧げようと思い、大臣にその調達を任せます。しかしゆりの花は辺りにはなく、一人の子どもが持っていました。 大臣は子どもに、ゆりの花をお金で譲ってくれるよう頼みますが、子どもは自身がお釈迦様に捧げるのだと言い...

'ものがたり'散策 | 2017.10.18 Wed 18:26

『ほらぐま学校を卒業した三人』 宮沢賢治童話全集 3 より - 賢治の社会批判の原点

競争に勝つこと、大きいことが立派だと教えるほらぐま先生の学校に、赤い手長のくもと銀色のなめくじと顔を洗ったことのないたぬきが入学してきます。 一年目は、くも、二年目は、なめくじ、三年目は、たぬきが、それぞれいちばんとなり、三人は卒業していきます。ほらぐま先生への謝恩会、自分たちの送別会を開いて別れました。三匹はそれぞれに、自分こそが一番となって、競争に勝ち、大きくなってやると、腹の中では相手を見下しています。 一、くもはどうしたか くもは自分の家である楢の木に帰ると、空腹を満たすた...

'ものがたり'散策 | 2017.10.17 Tue 18:49

『さるのこしかけ』 宮沢賢治童話全集 3 より - 現実に生成する空想

主人公の楢夫は、夕方、家の裏にある、栗の木に並んで生えた三つのさるのこしかけを見て、そこに腰掛けている三匹の小猿の兵隊を空想をしていると、その小猿が顕現します。 小猿の大将は楢夫の年齢を聞き、よいところに連れて行くといいました。するとさるのこしかけのそれぞれに小さな穴が、栗の木の根本に楢夫が入れる程度の入り口ができます。 楢夫は栗の木の中に入るとそこは煙突のように空洞になっていて壁には小さな螺旋階段がどこまでも上の方に続いています。楢夫は一度に百段くらい上がるのですが小猿たちは思いのほか...

'ものがたり'散策 | 2017.10.16 Mon 18:21

『谷』 宮沢賢治童話全集 3 より - 消えることのない自然に対する畏怖を表現する物語

小学三、四年生のわたしは、馬番の理助に連れられてキノコ採りに出かけます。理助は白いものは筋が多いから褐色のものを選んで採れとわたしに指図します。 しかしそれは大嘘で、褐色のきのこは古いものでした。理助は、自分は白いものを選んで取っているのです。帰りがけに理助はすぐそばにある谷の崖を見せてわたしを怖がらせ、一人で取りに来る気をなくさせます。帰ってきたわたしは、兄に採ってきたきのこが全て古いものだと聞かされて、笑いものにされます。 冬になると理助は北海道の牧場に行ってしまいました。事実上あの...

'ものがたり'散策 | 2017.10.15 Sun 18:31

『ふたりの役人』 宮沢賢治童話全集 3 より - 子どもの視点から見える大人

前記事『鳥をとるやなぎ』で登場の、友人藤原慶次郎とともに秋の風穂の野原へ、きのこや栗を取りに行った小学五年生のわたしは、東北長官一行が来るので入山禁止の立て札を見ます。 しかしふたりは好奇心から東北長官の風貌を見たいと思い、風穂の野原のはんの木の中に隠れて、その様子を見ることにしました。 しかし静まり返ったあたりに、次第に怖気づいたふたりは、気を紛らわすように、そこらに生えている初きのこを取り始めます。するとふたりの役人がやってきます。わたしと慶次郎は自分たちを捕まえに来たと思い恐怖にお...

'ものがたり'散策 | 2017.10.14 Sat 18:21

『鳥をとるやなぎ』 宮沢賢治童話全集 3 より - 子どもと詩人の感性

小学校四年生の教室です。主人公のわたしに、友人藤原慶次郎が出し抜けに、鳥を吸込む柳の木の話をします。彼はその木をエレッキの柳の木と言いました。 エレッキとは電気のことを指しいるのでしょう、そこから電気磁石の効果による鳥を吸い込む光景が浮かべられ、慶次郎はエレッキの柳の木と言っているようです。 その話に、わたしは大いに興味を持ち、ふたりは約束して、その日の昼に、その柳の木を見に行くこととなりました。 河原には、大きな柳の木が並んでいますが、鳥は来ませんでした。しかし、しばらくすると、...

'ものがたり'散策 | 2017.10.13 Fri 18:26

『どんぐりと山ねこ』 宮沢賢治童話全集 3 より - デクノボウ思想の前身

ある土曜日の夕方、一郎は山猫から裁判の仲裁を願い出るはがきを受け取り、翌日山の奥に出かけました。 かやの森を抜けると、馬車別当を従えた横柄な山猫が現れ、苦り切った様子で、手紙に書いてあった通り、どんぐりたちのらちのあかない争いを、どう裁いたらよいものかを一郎に相談しました。 どんぐりたちは、互いに自分が他のどんぐりに対して、いかに長けているかを主張して、われこそが偉いと譲らないわけです。そこで一郎は、自分が説教で聞いた話として、この中で一番馬鹿で、めちゃくちゃで、まるでなっていないような...

'ものがたり'散策 | 2017.10.12 Thu 18:21

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