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ある小さな村の、いちばん隅っこの家の屋根の上に、コウノトリの巣がありました。コウノトリのお母さんは、四羽のひなのそばに座っていました。 コウノトリのひなたちは、小さな黒いくちばしのついている頭を、巣から突き出していました。くちばしはまだ親鳥のようにのように赤くはありませんでした。 少し離れた屋根の上では、お父さんがいつも一人で、片足を折り曲げて一本足で、動かずぴんと立っていました。その様子は何とも壮大でした。 さて大勢の人間の男の子たちが通りに集まって遊んでいます。その子どもたちは...
'ものがたり'散策 | 2018.10.07 Sun 18:40
さあ、小さい頃に聞いたことのある、わたしの大好きなお話をしましょう。このお話は、聞くたびに前に聞いたときよりも面白味を増します。 それというのも、お話というものは、読み手が時を經るごとに、より面白く感じられていくものだからです。大抵の人が、年齢を重ねるごとに面白い人間になっていくのと同じことです。 さて、ある田舎外れに、まさしく田舎の農家があり、そこには百姓の父さんと、母さんが住んでいました。ふたりの持ち物は少ししかありませんでしたが、唯一、余分なものがありました。それは馬です。 ...
'ものがたり'散策 | 2018.09.30 Sun 18:38
むかし、二十五人のすずの兵隊がいました。彼らは皆兄弟でした。というのも、皆は、一本の古いすずのさじを溶かして作られていたからです。 兵隊は、マスケット銃をかつぎ、まっすぐ前を向いていました。おそろいの軍服は、赤と青、それは大変見事なものでした。 その兵隊たちは、箱の中で寝ていましたが、ふたを急に開けられた時、この世で初めて、「すずの兵隊さんだ!」という言葉を聞きました。小さな男の子がそう叫んだのです。 その子は、嬉しくて嬉しくて手を叩きました。すずの兵隊は、誕生祝いとして、その子のもの...
'ものがたり'散策 | 2018.09.23 Sun 18:25
アンデルセン童話の中では比較的長編です。あらすじはだいぶ端折ってます。 一、始まり コペンハーゲンの中心街からそう遠くない場所の、ある家で、盛大なパーティーが開かれました。パーティーというものはどうしても開かねばならないようにできています。一度客を招待すると次は必ず先方がこちらを招待するからです。 客の半分はトランプ台にかじりつき、もう半分は女主人の会話に加わりました。その会話の中では、中世の出来事も話題になりました。法律顧問官は中世という時代の素晴らしさを熱弁しました。女主人もそれに...
'ものがたり'散策 | 2018.09.16 Sun 18:22
おなじみのお話です。別タイトルは『はだかの王様』です。 ずいぶん昔のこと、新しい服がことのほか好きで、服のためなら全財産を費やしても惜しくないという皇帝陛下がいました。何をするにも、新しい服を着て、みんなに見せびらかすという目的がなければちっとも気が進みません。 どこの国でも王様か皇帝陛下の様子話し合うのに、「陛下は、ただ今、閣議の最中でございます」とかいうのが通例でしたが、この皇帝に限っては、日中一時間ごとに服を着替えたので、「陛下は、ただ今、着替えの最中でございます」というのが決まり...
'ものがたり'散策 | 2018.09.09 Sun 18:39
哀れなジョンはたいへん悲しんでいました。父親が重い病気を患い、全く助かる見込みがなかったのです。 そして父親は、「おまえは良い息子だジョン。世の中に出ても、きっと神様が助けてくれるだろう」といい、その瞬間息を引き取りました。 ジョンはさめざめと泣きました。この広大な世界にもう誰も身寄りがありません。ジョンはベッドのかたわらにひざまずき、死んだ父親の手にキスをし悲しみの涙を流していると、やがてまぶたをゆっくり閉じて寝入ってしまいました。 するとジョンは奇妙な夢を見ます。太陽と月がお辞儀を...
'ものがたり'散策 | 2018.09.02 Sun 18:31
おなじみの物語です。 むかし、あるところに、ひとりの女のひとがいました。そして、かわいい子どもをひとり、どうしても授かりたいと思っていました。女のひとは、いてもたってもいられなくなり、魔法使いのおばあさんを訪ねました。そして自分の願いを話しました。 すると魔法使いのおばあさんは、大麦をひと粒取り出して、「これを植木鉢に植えなさい。何かが起こるだろう」といいました。女のひとはさっそく大麦を植木鉢に植えると、たちまち美しいチューリップの花がと咲きました。よく見ると、緑色の雌しべの上には、とて...
'ものがたり'散策 | 2018.08.26 Sun 18:26
ある村に、同じ名前のふたりの男が住んでいました。ふたりとも、名をクラウスといいました。 片方のクラウスは四頭の馬を持っていましたが、もう片方は一頭だけしか持っていませんでした。そこで村人は、それぞれを大クラウス、小クラウスと呼んでいました。これから、このふたりがどうなったかをお話しましょう。 平日、小クラウスは、自分の持つ一頭の馬に、鋤をつけて、大クラウスのために畑を耕しました。その代わりに大クラウスは日曜日にだけ四頭の馬を小クラウスに貸し出し、耕作を手伝いました。 毎週日曜日、小...
'ものがたり'散策 | 2018.08.19 Sun 18:24
イチ・ニー、イチ・ニー。広い通りに沿ってひとりの兵隊が行進してきました。兵隊は、もううんざりするほど戦争をしてきたので、今は故郷に帰りたいと思っていました。 そして兵隊は道中、魔法使いのおばあさんに出会いました。魔法使いは、兵隊にそばにある木を指差していいました。「あの木の中はがらんどうになっていて、てっぺんの穴から下に降りることができる。あんたの体に綱を巻くから、いつでも引き上げることができる。だから仕事をしてくれ」と。 話によると、木のてっぺんから下に降りれば、そこは大広間になっ...
'ものがたり'散策 | 2018.08.12 Sun 18:32
このブログでは、子どもの本を扱う試みと謳っていながらも、アンデルセンの作品から少し距離を置いていました。 今から二百年あまり昔に生まれたアンデルセンの作品が、今もなお読み継がれているという事実以上のことが感じられなかったのです。 どの翻訳本を読んでも、なにかしっくりこないのです。その原因は何なのかしばらく疑問でした。 しかし、英語版の、更に荒俣宏さんによる日本語訳の、アンデルセン童話集の新訳本が出て、そのあとがきを読んでみると、その原因がおぼろげながらわかったような気がします。 ...
'ものがたり'散策 | 2018.08.05 Sun 19:01
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