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童話
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久々に童話を読むと、意外と内容を忘れていて新鮮ですよね。
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『ひのきとひなげし』 宮沢賢治童話全集 1 より - 創作動機の一つと考えられるもの

物語は、若いひのきとひなげしたちの会話で始められます。彼らはあまり仲が良くないようです。 どうやら、一度でいいからスターになりたいと、お互い牽制し合いながら争っている刹那的なひなげしたちを、忠告者としてひのきが、たしなめるような役割をになっているようです。 そこへ小さなかえるに化けた悪魔が、これまた、美容術で美しくなったという、ばら娘に化けた弟子と共に登場し、美容術師の先生にお礼を言いたいと、ひなげしたちに声をかけました。 かえるは架空の美容術師をでっち上げたのです。その話を聞いた...

'ものがたり'散策 | 2017.09.25 Mon 20:22

『おきなぐさ』 宮沢賢治童話全集 1 より - 切ないけれど明るい物語

タイトルのおきなぐさとは地元の言葉で愛情を込めてうすしゅげと表現されます。実際、うすしゅげは、蟻にも山男にも愛されていました。とわたしによるお話の導入がなされます。 そしてこの物語は、わたしによる回想の形をとって語られます。それは小岩井農場の南、七つ森の西のいちばん西のはずれの西側に咲いた、二本のうすしゅげの物語となります。 空には、まばゆい白い雲が、変幻自在に東の空へ、小さなきれになって飛んでいきます。それを二本のうすしゅげが眺めていました。 二人のもとにひばりが現れ会話がなされ...

'ものがたり'散策 | 2017.09.24 Sun 18:35

『畑のへり』 宮沢賢治童話全集 1 より - 主観と客観の並立

麻が刈られ、畑のヘリに目立つようになったとうもろこしを、一匹のかえるが遠眼鏡で観察し、カマジン国の兵隊と思い込みます。しかもその実ったとうもろこしを見て、幽霊を連れていると言いだしました。 その幽霊は70本も歯が付いているというのです。これはとうもろこしの粒のことでしょう。このかえるの未知のものに対する新鮮な観察は続きます。 そんなかえるを、去年すでに少しだけとうもろこしを知った、もう一匹のかえるがたしなめます。あれは幽霊などではなくとうもろこしの実というもので、緑色のマントを着ている...

'ものがたり'散策 | 2017.09.23 Sat 18:23

『十月の末』 宮沢賢治童話全集 1 より - 村童スケッチ

方言が多用されているので、細部には立ち入れませんでした。ただし方言の多用は、かえっていきいきとした表現につながっていて、感覚的には十二分に伝わるものがあります。 冬支度に入る前の忙しい農村を背景に、裕福でもなく貧乏でもないらしい普通の農家の、嘉ッコ(かっこ)という名の幼い女の子が、祖父母、父母、兄、友人家族などに囲まれて過ごすいち日が淡々と描き出されていきます。 目を引くのは、いきいきとした自然の描写であり、それはリアルなこともあれば、民話的なモチーフを伴って、幻想的に描き出されるこ...

'ものがたり'散策 | 2017.09.22 Fri 18:32

『ぶどう水』 宮沢賢治童話全集 1 より - 創作と鑑賞の間

主人公の耕平は、畑の手が空いたので野ぶどうを取りに出かけます。兵隊の服を着て夢中になって取りました。 家に帰ると、もうすでに夜でしたが、おかみさんと二人で、木鉢の中へぶどうの実をむしります。耕平の子は、ぶどうのふさを振り回して遊んでいました。 ぶどうをむしった日から三日が経ち、ぶどうの果汁を夫婦揃って絞り出します。そして今年は、この果汁に砂糖を入れ密造酒を作ることにしました。 全部で瓶にして、二十本ほどのぶどう酒のもとであるぶどう水ができました。税務署に見つかれば罰金が取られます。しか...

'ものがたり'散策 | 2017.09.21 Thu 18:24

『クンねずみ』 宮沢賢治童話全集 1 より - 表現は過剰を目指していくもの

『鳥箱先生とフウねずみ』に始まり、この作品文中にはツェねずみの最期が語られているので、『ツェねずみ』に続く、ねずみ三部作の最終話と考えられます。 嫉妬心の強いクンねずみは、他人の知識を妬み、相手が少しでも自分より優れていると思うと、咳払いをして相手を脅すのを習慣にしていました。 彼は、慢心とそねみの権化です。常識人からしたら、かなりの馬鹿者に映ります。案の定、ねずみ仲間には呆れられて、ねずみの県会議員の前でもそれやったものだから、暗殺されることになりました。 殺される寸前、とある猫に...

'ものがたり'散策 | 2017.09.20 Wed 18:18

『ツェねずみ』 宮沢賢治童話全集 1 より - 賢治のねずみに対するメタファー

主人公はある古い家に住み着いているツェという名のねずみです。 ツェねずみは、いたちが教えてくれた金平糖の在り処に行ってみると、既に特務曹長率いる蟻たちによって搾取されていました。ツェねずみは気分を害して、いたちに「まどってください(つぐなってください)」と賠償を要求します。 いたちは親切で教えてやったのに、逆に仇で返されたのに怒って、ツェねずみとは絶交しました。 こんな調子で、他人の親切に感謝することなく、結果が悪ければ賠償さえ要求するツェねずみは、友人を次々となくします。 おま...

'ものがたり'散策 | 2017.09.19 Tue 18:27

『鳥箱先生とフウねずみ』 宮沢賢治童話全集 1 より - 賢治の教育批判

自分の中に、とある上位の者によって、ひよどりを入れられた鳥箱は、そのひよどりに対する万能感から、いつしか自分のことを先生と思い込んでしまいます。 しかし上位の者の不手際から、次々に入れられるひよどりは四羽死んでしまいました。その死因は飢えや病気や寂しさや猫に襲われてのことです。 確かに鳥箱先生に非はありませんが、なんの根拠もないまま、自分がひよどりたちを、栄耀栄華を極めた安楽な一生に導いたと、その悲劇を目の当たりにしながらひとり合点して、鳥箱先生は自己を正当化しました。 しかし、猫にひ...

'ものがたり'散策 | 2017.09.18 Mon 18:29

『月夜のけだもの』 宮沢賢治童話全集 1 より - 広大な作品世界序章

始まりは登場者である動物たちが、皆、檻にいることから、どうやら動物園が、物語の舞台のようです。そこで、わたしと称する俯瞰者のような存在の視界が、突然、煙のように溶け出して、月光はおぼろとなり、いつの間にやらファンタジーの世界が出現します。 あたりは夜の野原となり、獅子と書かれた百獣の王としての属性を帯びたライオンが、夜の見回りに出ます。 他に登場する動物は、白くまに象にきつねにたぬきと、それぞれの動物は、動物寓話に出てくる動物らしく、特定の人間のキャラクターをなぞらえて描かれます。 お...

'ものがたり'散策 | 2017.09.17 Sun 18:16

読書雑記 - 宮沢賢治再読

これまでのわたしの読書傾向は、西洋のファンタジーを中心としたものでした。いっけん日本のものよりも、西洋のものが親しみを感じさせるのです。 なぜそうなのでしょうか。日本人の生活様式が、西洋化され、日本固有のものが、ないがしろにされていることなどを背景にあげてもいいでしょう。また、日本固有のものは古典化してしまっているので、現代仮名遣いへの翻訳の遅れなども、その一因になっていると思います。 しかしわたしは、トールキンのファンタジー論『妖精物語とは何か』を読んで、興味の範囲が広がり、世界で...

'ものがたり'散策 | 2017.09.16 Sat 18:23

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