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青空文庫 『のら犬』 新美南吉 常念御坊は、碁がなによりもすきでした。きょうも、となり村の檀家へ法事でよばれて、お昼すぎから碁をうちつづけ、日がかげってきたので、びっくりしてこしをあげました。 檀家さんは、これからじゃもう夜になってしまうから、泊まっていらっしゃいと引き留めますが、常念御坊は、小僧の正観が寂しがりますからと、寺へ帰っていきました。 常念御坊は村のはずれまで来ると、早くも冬の日が暮れてきました。ふと後ろを振り返ると、きつね色をしてやせ細ったのら犬が後をつけてきます。...
'ものがたり'散策 | 2020.08.08 Sat 18:15
青空文庫 『百姓の足、坊さんの足』 新美南吉 貧しい百姓の菊次さんは、雲華寺の和尚さんが米初穂をあつめてまわるのにお供していきました。 米初穂といふのは、ことしの秋とれた新しいお米のことで、村の百姓達はそれを少しづつお寺にささげて、仏様にのちの世のことを頼んだのであります。 ふたりはお米の寄進先で大好きな酒をふるまわれます。帰り道、酒に酔った菊次さんは石につまずいて大切な米を道にまいてしまいました。 なんと罰当たりなことに和尚さんはそれを足で散らせてしまいました。菊次さんも一緒になっ...
'ものがたり'散策 | 2020.08.01 Sat 18:06
青空文庫 『ごん狐』 新美南吉 おなじみの物語です。兵十と子狐のごんの悲劇です。 ごんにとって、いたずらは、子狐として悪気のない行為であり、決して兵十を苦しめることが目的ではありません。 実際、ウナギを盗んだことで、起きた兵十の悲しみを知ったごんは、あんないたずらしなければよかった、とつぐないを始めます。 一方、兵十にとって、ごんは、単純にウナギを盗んだ仕返しの対象であり、兵十は、まさか、ごんがつぐないをしに来ていたとは露ほども知りません。 結果、鉄砲を向けてごんを撃ってしま...
'ものがたり'散策 | 2020.07.25 Sat 18:20
青空文庫 『赤とんぼ』 新美南吉 赤とんぼは、三回ほど空をまわって、いつも休む一本の垣根の竹の上に、チョイととまりました。山里の昼は静かです。 ひとりの女の子と一匹の赤とんぼの、別荘地でのひと夏の交流を描いた、とてもやさしい気持ちになれる物語です。 主人公の女の子のやさしさがキーポイントなのではないでしょうか。もちろん男の子でも優しい気持ちの子がいますが、どちらかというと、男の子にとって赤とんぼは、昆虫採集などの対象になるのではないでしょうか。 実際、作中人物の書生である山田は赤...
'ものがたり'散策 | 2020.07.18 Sat 17:31
青空文庫 『いぼ』 新美南吉 兄さんの松吉と弟の杉作は、年齢も一つ違いでしたがよく似ていました。松吉の右手にある二つのいぼ以外には。 夏休みになって、町からいとこの克巳が遊びにきました。松吉と杉作と克巳の三人は仲よく遊びました。 あしたは克巳が、町へ帰るという日の昼さがりには、三人でたらいをかついで裏山の絹池にいきました。三人は、その池をたらいにすがって、南から北に横ぎろうというのでした。 ところが池の中ほどまで来ると三人は疲れて立ち往生してしまいます。松吉は必死になって帰ろうとし...
'ものがたり'散策 | 2020.07.11 Sat 18:16
青空文庫 『耳』新美南吉 花市君はふつうの人より大きい耳をもつていました。その耳は肉があつくて、柔かくて、赤い色をしていました。 久助君は、この花市君の耳をよく触りました。むろん久助君ばかりではない。村の子供は全部、そういうことをするのでありました。 ほんとうは久助君は、自分からすすんでそんなことをしたおぼえはないのです。ただ、ひとがするので、まねてするばかりである。 ところが花市君は、そうされても、いままで、怒つたことがいちどもなありませんでした。あんまり、みんなが、うるさく耳...
'ものがたり'散策 | 2020.07.04 Sat 18:36
青空文庫 『牛をつないだ椿の木』 新美南吉 しんたのむねという場所を下りて、道から山の方へ入っていくと、泉が湧いていました。村人たちは仕事で往来するのに、丁度水を飲む場所に使っていました。ただ泉は道から一町ほど山の方へ向かわなければならなかったので不便でした。 主人公の海蔵さんは、しんたのむねを下りたところの道端に、井戸を掘れば便利になると思いつきそれを実現しようとします。 しかし海蔵さんには井戸を掘るお金がありません。そこで村の皆に協力を仰ぐのですが、あてはありませんでした。そこで...
'ものがたり'散策 | 2020.06.27 Sat 18:06
青空文庫 『狐』 新美南吉 一 子どもたちが、月夜に祭りに出かけます。祭りの笛の音が聞こえてくると皆は足を速めました。足に合わないお母さんの下駄をはいた文六ちゃんは遅れます。 二 子どもたちは文六ちゃんのお母さんにたのまれたので文六ちゃんの足に合った下駄を買いに下駄屋に立ち寄りました。 このとき後ろから入ってきたお婆さんに、晩に新しい下駄をおろすと狐がつくと言われます。子どもたちはびっくりしました。 しかし下駄屋の小母さんが、まじないといいつつ、マッチをするまねをして、これで大...
'ものがたり'散策 | 2020.06.20 Sat 18:11
青空文庫 『手袋を買いに』 新美南吉 ある朝、雪が積もっていました。子狐にとっては初めての雪です。子狐は遊びに行きました。しかし子狐の手は凍えてしまいます。お母さん狐は、夜になったら人間の町へ出て、子狐に手袋を買ってやろうと思いました。 二匹の狐は、夜、町へ出かけていきました。ところがお母さんぎつねは、ある時友達と町へ出かけて、人間に、とんだ目に合わされたことを思い出して、足がすくみます。どうしても足が前へ進みません。 お母さん狐は、仕方がないので子狐だけで町へ行かせることにしま...
'ものがたり'散策 | 2020.06.13 Sat 18:02
青空文庫 『小さい太郎の悲しみ』 新美南吉 小さな太郎は、かぶと虫を捕まえますが、一人っ子故に、だれかと話題を共有できません。つまらない思いをします。昼寝をしているおばあさんに話しかけても、少し目を開けただけで小さな太郎を相手にしてくれませんでした。 だれか面白いかぶと虫の遊び方を知っているに違いないとの思いで、小さな太郎は出かけました。 まず金平ちゃんの家を訪れますが彼はおなかを壊しているとのことで遊べません。 次に恭一君の家を訪れますが彼も昨日からわけあって親戚のほうへ預け...
'ものがたり'散策 | 2020.06.06 Sat 18:11
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