[pear_error: message="Success" code=0 mode=return level=notice prefix="" info=""]
むかし、あるところに、ぐつという子どもが母親と一緒に暮らしていました。 ある日、母親はぐつに、「お寺へいって和尚さんに『きょうは父さんの命日だからお経をあげに来てください』と頼んでおいで」といいました。 ぐつは和尚さんは、どんな着物を着ているのかと訪ねました。母親は「赤い衣だ」といいました。ぐつはすぐに出かけます。 そしてお寺の門の前まで行くと、そこに赤い牛がつながれていたので、ぐつはそれを和尚さんだと思い、牛に話しかけました。 すると牛は「もうー」と一声泣きました。ぐつはそれを「も...
'ものがたり'散策 | 2018.08.30 Thu 18:23
むかし、あるところに、ひとりの息子がいました。両親は、「なんとかしてこの子に学問をさせたいものだ」と思っていました。 息子も、「なんとか学問をして、偉い人になりたい。これから京へ登って勉強してこよう」と思い両親に暇乞いをして京都へ向かいました。 しばらく行くと向こうから笠をかぶったお坊さんがやってきて、一軒家の前に立ち止まると、小さな鈴をちょんと叩いて、「しょけいはい、しょけいはい」と唱えました。 するとそこの家の人がお盆に何か乗せて差し出しました。お坊さんは「ありがとう」といって...
'ものがたり'散策 | 2018.08.28 Tue 18:45
むかし、商売をやっている家に、ひとりの娘がありました。娘が年頃になると、ちょうどいい具合に世話してくれるひとがあって、婿殿をもらいました。 ある日、お姑さんが、お茶と、栗と、柿と、麸を並べて「婿殿、これを町へ持っていって、売ってきてくれ」といいました。婿殿はさっそくそれらを籠に入れ、天秤棒でかつぎ、出かけました。 婿殿は「ちゃっくりかきふ(茶っ栗柿麩)、ちゃっくりかきふ」と大声でふれ歩きました。ところが町の人は誰ひとりとして買ってくれません。婿殿は歩き疲れて帰ってきました。 お姑さ...
'ものがたり'散策 | 2018.08.25 Sat 18:21
むかし、あるところに、なんともはや、頭の大きな男がいました。あんまり大きな頭なので、どこの床屋へ言っても頭を剃ってくれる者はなし、男は困って、考え込んでしまいました。 そこへ友達がやってきました。そして、「それならおれが剃ってやろう」とカミソリの刃を三日三晩研ぎ続けて、それから剃り始めました。 ところがあともう少しというところで手元が狂って頭に切り傷をつけてしまいました。友達は慌てて血止めのために何かないかとあたりを見回すと、下に柿の種が落ちているのを見つけて傷口に突っ込みました。 友...
'ものがたり'散策 | 2018.08.23 Thu 18:19
むかし、あるところに、ばくちを打つのが三度の飯より好きな若者がいいました。けれども負けてばかりいたのでとうとう家も畑もみんなばくちのかたに取られてしまいました。 若者は、ある日、ブラブラ歩いていると、地蔵様のお堂を見つけました。若者は地蔵様とばくちを始めました。するとどういうわけかなんべんやっても地蔵様に勝ちました。 そこで若者は、ばくちのかたに、地蔵様をもらっていこうと思いましたが、もう日が暮れてきたので地蔵様を枕にその夜はお堂に泊まりました。 とろとろと眠ると、夢に地蔵様が現れ...
'ものがたり'散策 | 2018.08.21 Tue 18:36
むかし、ある村の丘に、大きな樫の木があって、天狗が舞い降りると噂されました。人々は怖がって誰も近寄らなくなりました。 この村にはとても利口な子どもがいました。この子は、ある時、天狗様を騙して、天狗のうちわを取ってやろうと思いました。 そして、丘の樫の木に、火吹き竹を持って出かけました。子どもは、火吹き竹の穴の方に目をあて、遠くを見るふりをしました。 そして大きな声で、「あ、京が見える、大阪が見える」といって、面白そうに火吹き竹をのぞいていました。するとそこへ、樫の木の葉をざわつかせて、...
'ものがたり'散策 | 2018.08.18 Sat 18:25
むかし、ある川の川上に上のじいが、川下に下のじいが住んでいました。ふたりはいつも、川に竹のどっこ(漁に使う細長い道具、魚が入ると出てこれない)を仕掛けて、魚を取っていました。 ある日、上のじいが、どっこを引き上げてみると、どっこには木の根っこが入っていたので、「こんなものいらねえ」といって脇へ投げ捨てました。 そして上のじいは、下のじいのどっこを覗いてみると、こっちには雑魚がいっぱい入っているので、それをみんなとって自分のびく(とった魚を入れておく籠)に入れ、さっき投げ捨てた木の根っ...
'ものがたり'散策 | 2018.08.16 Thu 18:21
むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがいました。 ある日おじいさんは、おばあさんに握り飯を作ってもらい、山へ芝刈りに行きました。お昼になったので、おじいさんは、木の切り株に腰を下ろして、握り飯を食べようと、握り飯を包んだ竹の皮を広げました。 ところが握り飯は、みんな、ころころと転がり始めました。おじいさんは握り飯を追いかけました。握り飯はどんどん転がって、とうとう洞穴へ入ってしまいました。そこでおじいさんも洞穴へ入っていきました。 洞穴の中には鬼がたくさんいて、恐ろしい声で...
'ものがたり'散策 | 2018.08.14 Tue 18:30
むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがいました。ある日おじいさんはおばあさんに、のりもちの弁当を作ってもらって、山へ木を切りに出かけました。 ところが山では猿が出て、ちょろちょろ歩き回るので仕事がはかどりません。おじいさんは猿を脅かして、追っ払ってやろうと思いました。 おじいさんは弁当ののりもちを長く伸ばし顔にべたっと貼り付けると、木の切り株に腰をおろしてじっとしていました。 猿たちは、それを見て、「こんなところにお地蔵様がいらっしゃる。かついで山へお運びしろ」といいな...
'ものがたり'散策 | 2018.08.11 Sat 18:31
短いお話です。 むかし、ある村に、腕利きの狩人がいました。狩人は、猿が山から降りてきて、何かと悪さをするので、握り飯を持って山へ猿を撃ちに行きました。 狩人は木の実を拾っている小猿を見つけました。小猿は撃たれると思って逃げようとしますが、優しい狩人は子どもには鉄砲を向けません。腹が減っているのであろう小猿に、握り飯をひとつ与えました。 小猿は握り飯をもらうと、木の上を見上げて登っていきました。木の上には親猿が座っていました。小猿はその病気の親猿に、握り飯を食べさせました。 狩人は...
'ものがたり'散策 | 2018.08.09 Thu 18:15
全527件中 111 - 120 件表示 (12/53 ページ)