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2003年。 「七曜」同人。第1句集。 独楽まはす兄に向ひて這ひ出せり 這ひ這ひの嬰に団栗をころがせり 玩具箱にどんぐりも入れおやすみなさい 風光る陶芸の森陶の椅子 子を逃げて蝸牛葉裏にひそみをり 手の中に螢捕らへて動けぬ子 ピーマンの筋肉質を焼いてゐる 獅子舞の子らに囲まれどの子嚙も 地獄めぐり絵日記にして夏の旅 藪椿切られし幹に初日さす 若葉風あおむけにありランドセル 帰国して全身で受く花吹雪 肘つきて水仙の香と向き合へり 若葉風ピ...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2021.02.12 Fri 22:24
2009年。 「港」主宰。第6句集。 としよりをまだやつてゐる人に雪 裸木の裸の終り近づきし さうめんをすする遠くに空母置き エレベーターに人が棒立ち冬の底 さくら暮れ溝口健二的世界 祭笛巧みすぎたる憾みあり 盆三日中有信じてゐればよき 百叩きほどの残暑を賜はりし 反骨が偏屈となる虫の夜 生身魂ときどき明治の矜持見す 覚えてはをらぬか戦闘帽の案山子 大根の切らるる前に撫でられし 辛抱も成分として皹ぐすり 落ちてゐし受験絵馬なり掛けてやる 日...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2021.02.05 Fri 23:01
2018年。 「沖」同人。第1句集。 木々わつと叫びて芽吹く爆心地 桜九十五度目の母と小さき旅 鬼灯やいま逢はねばと汽車に乗る 行く雲のはやさに稲を刈り進む 霧籠めて滝のとどろき失せにけり 新雪の一歩一歩に浮力生る 濁流のゑぐる力よ雪解光 初蝶に山野浮き立つひかりかな 春灯さらりと重きことを言ふ 花冷の息整ふる一の弓 大地いま飛花受け止むる掌 蝿たたき摑む速報震度六 下敷のうらの九九表小鳥来る 電子辞書See・Youと消え冴返る 跳べさうな...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2021.01.29 Fri 23:35
2001年。 「火星」同人。第1句集。 孕猫月のひかりの水を飲み 寒卵こつんと割りて今朝ふたり 拗ねてゐる子の足見ゆる秋簾 背を向けて何燃す母や凌霄花 元日や秤の上に嬰泣きぬ エプロンに貰うて来たる子猫かな 恐竜と子猫の眠きおもちや箱 とろ箱に蛸戻されて糶られけり スカートを摘まんで跳んで蓼の花 虫喰ひの花南瓜の開きける カーテンを人差指で覗く冬 城崎の雪礫まづ夫に投げ 両の手に抱きし西瓜に寝癖あり 昨日まで苦瓜裂くるとは知らず 鯖雲の鯖雲...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2021.01.20 Wed 23:12
2018年。 「いには」同人。第1句集。 青年の鋭角の顎風薫る 全力で走りたる夢桜桃忌 ふとん屋の軒に顔出す燕の子 演劇のちらしに子の名新松子 揚羽蝶風にとまつてゐるやうな 神輿追ひ太平洋へ出でにけり 椿落つ大地に印を押すごとく 棚田描く夏帽のつば上下せり ひとひらの羽の吸はるる蟻の穴 浅春やワイングラスの藍の脚 緬羊を追ふ犬花菜あかりかな 蟇父を永らへさせ給へ 弟は田植機兄は草刈機 地下鉄の四角き出口花明り 山笑ふ往復同じ運転手 父逝き...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2021.01.14 Thu 23:17
2013年 「炎環」同人 「豆の木」副代表 第1句集 青空へ巣箱の闇を掛けておく 花火見し目にシャンプーの滲みてをり まなこ閉ぢ嚏の支度してをりぬ 寒泳の髪乾くまで獣めき 雛の段月へ続いてゐたりけり ピクニック大き日向の見えてきし 美しき器残れるかき氷 いろいろの蓋あいてゐるキャンプかな ストライクゾーンを壁に描く晩夏 水音をたどれば母のゐる良夜 いなびかり森が大きくなつてゐる ブーツ脱ぐバナナの皮を剥くやうに セーターを脱ぎてセーターあたたか...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2021.01.08 Fri 22:08
2014年。 「貂」同人。第1句集。 立春の馬全身で嘶けり 山羊の目の赤らんでをり下萌ゆる 霾や隣国高度成長期 龍天にフォークに絡めスパゲティ 蜷の道引きずつて蜷歩みけり 夜桜や川一筋の鋼色 山羊繋ぐ紐の伸びゆく春日かな 嘗められて大地踏んばる仔馬かな 花びらの雨のベンチの二三片 馬の尻はち切れむばかり夏来る 食パンに山二つある夏鶯 虹消えてゆくとき人の歩き出す サラダボウル青葉若葉の外輪山 植ゑ終へし水を引きゆく夏の鴨 紀三井寺堂を浮か...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2021.01.03 Sun 22:16
昭和63。 「海門」主宰。第3句集。 三輪の神長谷の仏と月分つ 歯を抜きしあとの空洞返り梅雨 師の荼毘を待つ間の蝉をしんと聞く 嫁が来て村賑はへり神の留守 舞ひ上る羽子の紅白塀の上 吊橋に繋がれ眠る山二つ 雪に燭点す末社の猿田彦 喋りすぎし一ト日と思ひ夕端居 恵方道風が袂を膨らます 田を植ゑに出るにも紅をうすくひき 泣かせたることばかり母の墓洗ふ 窓開けておくや無月の夜といふも 子ら塾へゆきてさびしき雪だるま 風船を雲に取られて少女の手 ...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2021.01.01 Fri 22:35
2016年。 「藍生」会員。第1句集。 あたたかねと言つたきりなる夫婦かな 朝飯を食うてまた寝る残暑かな 寒雷や能登を離れて能登のこと 地虫出て月の雫に濡れむとす 暑いねと言へば涼しく振り向かれ 素手素足加へて素顔また涼し 鮒鮓や近江に知人一人出来 行く雲を手枕で見る今日の秋 天高し腹の底より笑ふとき こんなところで出るな出るなよ大くさめ 病む人に耳も目もある夜長かな 家訓とて砂糖二杯の玉子酒 菓子盆もこの日のためや初点前 花ぐもり見てゐて何...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2020.12.27 Sun 23:49
2015年。 「春月」同人。第1句集。 夏風邪のなほ抜けきらず桜桃忌 鞦韆や漕ぎて越えたき一線も 色恋は不老の秘薬業平忌 薫風を胸一杯に笛を吹く 気の急きて効かぬ手足や運動会 芸人の独楽白刃を渡りけり 春愁や遂げし想ひのその果に 受け取れぬ品のありけりお中元 縄張りし事件現場や草いきれ 得意気に林檎に印す歯形かな 顔を見て名を二つ三つ生身魂 一茶忌や刑務所志願の被告人 流星やかけし願ひは燃え尽きず 吹初や笛師五代の木看板 花冷やまた読み返す...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2020.12.24 Thu 23:41
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