[pear_error: message="Success" code=0 mode=return level=notice prefix="" info=""]
昭和51。 ホトトギス同人。「雪解」主宰。 幹に手をかけゐて花のちりやまず 春愁のいとまなければ無きごとし 啄木鳥のこぼせるものの落ちもこず 頬燃えて自画像出来ぬ卒業す をちこちのをちの良夜の森に靄 葉をたたむしぐさも桜餅の宵 落葉ふむ音はうしろへ残るもの 冬耕の田のま中より打ちはじむ 遠ざかるものに病みし日秋扇 夜学師の一たかぶりのチョーク折れ 寒の水飲みてつらぬくもののあり 汗引いて山河やうやく故里ぞ あがるよと落つるよとのみ初雲雀 はるかなる光り...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2020.01.08 Wed 12:02
1990年。 毎日、その日の句を読むようにして今年も終わり。 数日まとめて読む読むこともありましたが365句を読了。 やはり、「冬菊」がいちばん。 来年は、一度読んだ『虚子に学ぶ俳句365日』を再度。 獅子舞は入日の富士に手をかざす 寒牡丹白光たぐひなかりけり べたべたに田も菜の花も照りみだる 鶯や前山いよよ雨の中 谷深くうぐひす鳴けり夕霞 馬酔木より低き門なり浄瑠璃寺 花冷や剥落しるき襖の絵 厨子の前千年の落花くりかへす 朝寝せり孟浩然を始祖として ...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2019.12.31 Tue 11:56
平成6。 「七曜」「運河」「天狼」「圭」同人。 第1句集。 感心しました。 蜥蜴迅く走りて何のあてもなし 木に喰込む兜虫の爪引離す 新緑の動物園に馬臭勝つ 学校の長き廊下の夏休み 月に掌を差出し何を賜りし 蟷螂の前半身に闘志満つ 手の力抜きて箱より聖菓出す 上流も下流も堰かれゐる目高 今日よりは紅きものなし金魚死す ラムネ飲む夜空の青さ限りなし 香水の一滴に妻包まれし 嬰児を抱き秋風を手で防ぐ 霧の奥見えねど直ぐに船着くらし 満月と同じ...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2019.12.26 Thu 22:37
平成13。 「霜林」「風雪」同人。第3句集。 夫帰るまでを灯さず月の椅子 啓蟄や期日重なる誘ひ文 わが窓に空もどりくる柿落葉 百済野に孤影の長き秋思仏 土間開けて梅の風来る藍の華 常濡れの土間冴返る藍濯ぎ 紅梅の雨を小窓に藍ねむる あの窓の灯も点滴か春の闇 慈顔やや異に小春の九体仏 ポツダムにいまも円卓窓若葉 月出でて樹氷は邑のシャンデリア 白樺の黄葉を湖にフィンランド 放射路の地図廻し見にパリの秋 子を泊めて夜半の月光分かちあふ 蛙鳴くの...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2019.12.20 Fri 00:35
平成21。 「霜林」「風雪」同人。 第4句集。 蔵王堂の屋根浮くほかは花の雲 放ち矢のごと疾走す駒くらべ ひぐらしやそり身にくだる寺の磴 波裏に真珠の育つ月あかり 白萩や声に句碑読む夕あかり あたたかや還暦の子と掌をつなぎ 夫の忌や書架の天金冴え返り 花売に胡蝶つきゆく白川路 茅葺のその名も美山夏つばめ こともなく読めて書けぬ字文化の日 燕...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2019.12.09 Mon 22:37
11月は駒場東大前駅に吟行に行きました。 葩さんが遅れるので、まずは駅前の喫茶店で時間調整。 日本人形がたくさんあるお店でした。 今日の主な見どころは日本民藝館です。 民藝運動は茶器を上手物(うわてもの)とすると生活に使われる雑器、下手物(げてもの)にこそ「用の美」がある、という思想で、何気ない日常の中から俳味を見出す俳句と似たものです。 今回は俳句のトレーニングとして器をみたとき、自分なら何を盛り付けるか、とイメージしてもらいました。 ...
小金井句会記 | 2019.12.05 Thu 17:20
平成1。 「霜林」所属。第2句集。 俎に母の音して日の永き 山葵田に水の音たつ天城越 美濃尾張分けて余寒の一夜城 よろめきしとき梅にほふ社家の橋 奥嵯峨に庭師日永の石談義 旅を恋ふ句帖の余白雨蛙 ここよりは霧かよふのみ神居滝 城門の秋風を身に弓稽古 鰯焼くきのふの浪をまなうらに 月さして一茶旧居に窓ひとつ ケルン立ち流るる霧の芯となる まはし剥く林檎やけふを忘れたく 竹生島指呼に冬立つ番所あと 主なき揺椅子冬も海向きに 折紙を指覚えゐし日...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2019.11.28 Thu 21:09
平成3。 「脈」主宰。第3句集。 ヒヤシンス厨に妻の誕生日 冷蔵庫の奥より臓腑摑み出す 冬浪を見る癌である筈がない 一望の函館の灯に雪降れり 霧ふかき背に声をかけ八合目 目つむれば枯芝に日の聚まれる 釣竿もひとも動かず水の秋 奈落にて落葉の終始見てをりぬ 天を染め灘に溺るる寒落暉 顔に雪つけたる津軽馬に会ふ 口紅は赤い銃弾初鏡 残雪を四囲に白亜の発電所 地にとどく枝垂桜の吐息かな 白靴を手に妙齢が瀬を渡る 緑陰にスピード違反検問所 ...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2019.11.19 Tue 22:34
平成1。 「雲母」同人。第1句集。 枯萩に日はやすやすととゞまれり 園児らの唇すこし開く夏景色 穀倉に米ぎつしりと夏が来る 見たきものだけ見て寒の故郷かな 話す間もひかりの殖ゆる朴の花 吾亦紅風に現はれ雨に消ゆ 何處からとなくひかりさす春の瀧 萍の下のうきくさ夏ふかし 争へる人のうしろの秋日和 おんな見るやうに秋日の洲をのぞく 味噌蔵へ雀の出入り一葉忌 図書館に空席のある梅日和 子の読める書の影が地に初つばめ 禽園に抜け道のある四温かな ...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2019.11.11 Mon 23:25
昭和54。 第1句集。 盲人であり俳人。教会も出てくるので、キリスト教徒でもあるよう。 自らの障害を詠まれる句は、やはりリアリティーがある。 風鈴の句も上手い。 盲人に手をかしそそぐ甘茶かな 形よく描けし眉毛や初鏡 着飾つて看護婦やさしお元日 夫はホ句妻は歌詠み梅ぬくし 秋の日の片頬暑き厨ごと 暁けの月あると聞くのみほととぎす 手さぐりに活ける小菊の色をきく 菊日和神を信じて疑はず 長き夜や目の開きたるはやはり夢 見えずとも吾も月の出待つ一人 ...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2019.11.07 Thu 21:39
全1000件中 411 - 420 件表示 (42/100 ページ)