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平成12年。 「燕巣」主宰。第3句集。 紅葉冷え鐘冷え神変大菩薩 一尊に供へて婆の亥の子餅 右顧嫌ひ左眄さらなし蟇 入峰足袋替へて未明の霧へ発つ 搾乳の牛のめつむる豆の花 少年の口笛が行く月夜茸 大姉名の子を凩に呼ぶ遍路 蛇捕が点かぬ煙草をひねり捨つ 落雷死告ぐ朝刊の端めくれ 妣の夜着足しはらからの喪の雑魚寝 商館のネオン消えたる安息日 長梅雨や女みだれし終電車 灰均す火箸の環鳴る夜の雪 夏痩せの声を嗄らしてキムチ売 JUGEMテー...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2020.10.06 Tue 23:41
平成24。 「葡萄棚」主宰。第4句集。 老ふたりつかずはなれず春耕す 泰山木真理一つと咲きにけり 花高し蓮の水の暗ければ あばら屋と見れば闘鶏飼はれけり 白桃やルノアルの彩ところどころ 梟のどちら向いても真顔かな 夏蝶にハチャトリアンの楽の欲し 手をついて太古の眠り山椒魚 古書肆よりとどく目録今朝の秋 紐つきれそこらに拾ひ菊括る 家猫の恋の相手のなきままに 右いせみち左はせみち風は秋 呼びこみをしては手焙へともどる 昼網と筆太に書き小鯵売...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2020.10.03 Sat 23:06
長らく間が空きました。 コロナ下で吟行が難しい時勢でしたので、各々で七夕を季題に句を作ってもらいました。 ◆ピエール 晴れるとも荒ぶる風が冊破る 梅雨空で今宵も逢えぬ天の川 短冊に願うは凡て平らな日 評:残念ながら近年の七夕はなかなか晴天にはならず、今年も不穏な天気でした。 「凡て平らな日」、平凡な日こそが願いであるというのは、今、日本中すべての人のものでしょう。 その短冊に吹き付ける強い風は時勢の厳しさを暗示してもいますが、笹のしなや...
小金井句会記 | 2020.10.02 Fri 10:47
2012年。 「青嶺」同人。第1句集。 小春日や二階から道教へられ 盆踊上手な人を見て踊る あたたかや片方たたむ驢馬の耳 胸かたき少女の裸像小鳥来る 柿右衛門眺めし柿に夕日かな 冬ぬくしぬくしと鳶の大きな輪 三日はや左右に開く工場門 椿落ちてなにやらものを言ひさうな 赤とんぼなにを思うてまた戻る 満州国歌習ひし記憶桐一葉 榠樝の実笑ひたくなる空の青 白菜を割ればひかりのとぶやうな 落葉降る神も仏もひとつ山 図書館へ本を返しに今朝の秋 &...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2020.09.28 Mon 21:39
平成8。 「かつらぎ」同人。第3句集。 鷹高しさらに上なる点も鷹 クリスタルグラスの虜水中花 灯を洩らす郵便局も雪囲 白々と仔馬のための柵を塗る 日除艇愛生園へ向けて発つ 聖五月一賄婦たらんとす はんざきの棲む夜の湖の匂ひけり 囮鮎いざ鎌倉と放ちけり しののめの星が一番鶴を待つ 刃こぼれと見えつつ雪解雫かな 禅師とも見えずひたすら雪を掻く 梅の丘天与の椅子と坐りけり 鼎談となる椅子を置く芝涼し 手首にもまきつけ昆布引きにけり 野点あり甕...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2020.09.25 Fri 21:11
平成17。 「青海波」主宰。第6句集。 笙の音のこころごころに夜の秋 火祭の火屑いくたび踏むも旅 弁天は極彩色ぞ野分立つ すすまばや雪片あまた襲ひくる にんげんを演じきつたる汗の玉 伏流のここに出でたる濃あぢさゐ JUGEMテーマ:俳句
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2020.09.22 Tue 11:45
1997年。 「沖長崎」主宰。第4句集。 どの木からともなく蝉の木となれり 鳥わたる麺麭屋ま白のトレー積み 大学は僧院に似て白木槿 衣被剥いてをんなの聞き上手 別館へ曲りくねつて湯ざめせり 些事よぎる胸もと日傘ひらくとき 死ぬならば先といふ夫夕牡丹 蛇苺女は泣かずなりにけり あたためるだけのカレーや夜長来て 汗し見る貞操帯の鉄の孔 壱岐牛の黒ひき緊る野分あと 鮮烈のまづ口火切る蔦もみぢ みづひきの花に眦切られけり 指先に海の日あつめ蜜柑挘...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2020.09.20 Sun 11:14
平成19年。 「扉」主宰。第3句集。 寒天の風の軽さに干し上がる つぎつぎに日射しを掬ひつばくらめ 四方より眺めて終る松手入 凍滝の力こもりし白ならむ 囀に力の満つる桂の木 空蝉の風にもがきし形に落つ 木守柿信濃の空のがらんどう 木のごときフランスパンや冬来たる ものぐさの背を押しやる涅槃西風 みづうみへ伸ばす多彩の春灯 師の詠みし噴水に来て黙祷す 己が身を引き秋天の塔仰ぐ 鳥威し張りて一村かがやける 木の影に鳥の影来る白障子 炉話をし...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2020.09.18 Fri 12:17
「鶴」主宰。第4句集。 元興寺塔阯の冬日だまりかな 帽子脱ぐ二人静にかがむため 筍飯炊くことけふのすべてなり 薔薇赤しそのほかのこと考へず 昼酒もすこし女ら鱧食うて くつさめの夫唱婦随といふべかり 初夢に埴輪の馬を貰ひたる 杉花粉女逃げても逃げられず JUGEMテーマ:俳句
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2020.09.17 Thu 22:15
2001年。 「船団」所属。 囀りにきき耳立てるごはん粒 みずうみのかたちに眠る五月の胃 青蛇の土手をすべつてゆく娯楽 数学は冷たくて好き枯山水 てのひらは元あしのうら山笑う しばらくは砂遊びする蕨餅 大いなる鳥籠のなか夏木立 天井の四隅すつきり冷奴 夕立やなにも咲かないトタン屋根 大屋根の端まできれい夏の星 夏の夜のコップは天体望遠鏡 小鳥来る去年のままの椅子の傷 青空はまじめで困る柘榴の実 天高し亀の子束子あおむけに 春ずんずん豚は鼻から...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2020.09.14 Mon 22:57
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