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平成6。 「銀杏」主宰。第5句集。 追馬の勝ちし合図の鉦たたく 渓流に瓜冷ゆるころ客来る頃 春月に放つ矢をもて神楽果つ 大梁に湯気岐れたつ薬喰 堂寒し大和坐りのみ仏と 汲みて売る寒鯉槽の底ひより みづうみに出てそれつきり春の雷 新彊に蜃気楼見て旅も果 次の間に積みて嵩なき藺座布団 月の宮神馬も小舎に目覚めをり 初斧の竹一本を伐りしのみ 常濡れの道来て滝に正面す 落しある水の音なく夕月に 竜田姫追ひてこの道滝に尽く 誰の手ものがれて自在雪...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2019.06.06 Thu 22:49
昭和51。 秋櫻子門下。 公魚の湖はなれてはすぐ凍てぬ 傘触れて牡丹のひとつくづれけり 牧夫来て牛つどひそむ九輪草 絵硝子を影ひかり過ぐ夏の蝶 すぐ母に風邪さとらるる初電話 蘆花鏡花母の遺せし書を曝す 梟に白夜の森の暗からず うごくもの大雪渓の羊のみ 鯵刺の銜へし白魚ひかりけり 船追ひて蟹摑みゆく尾白鷲 竹伐れば高天原にひびきけり 流氷の相搏つ音や夜の港 流氷の起伏まばゆき日の出かな 魚籠ぬけし蛸ゐて海女の跪坐ながき 牧牛に宗谷の霧...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2019.06.02 Sun 21:54
昭和60。 「雪解」同人。第3句集。 くさめして月にふたたび顔あげず 一塊の野火燃ゆ沼の面にも 花疲れ老の手をひくそのことに 涅槃図の隈なる蝶は吾がつれ来し 種芋を伏せて母の地うたがはず み仏を辞して日傘の道ふたたび 冷やかに観光は妃の寝所へも 闘牛に血湧かず汗の仏徒われ 初秋風十指ひろげてかよはしむ 御僧に別辞を萩に一瞥を 闇汁のとなりは仏間ゆるされよ 天よりの引く力いま凧のぼる ギプス出て五体わがもの青き踏む わくら葉や均らしてあれど爆地...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2019.05.27 Mon 22:21
昭和60。 「かつらぎ」同人。第一句集。 夭夭の一語を識りし夜長かな 鷽替の神事に巡査もまれけり 風花の地に触るるともなく消ぬる 一束の菫をもつて存問す 群青の深雪月夜といひつべし 我が声におうと出られし裸僧 一面にしろがね光り干鰯 登りけり風土記の丘の高ければ 男山われに対する端居かな 白き鬚もつるる花は烏瓜 露の径叡山百句志し 描きしごと黒猫をりぬ芥子の花 花伝書に対して灯火親しめり 燦々と日のとどまれる牡丹かな 炉の婆は素十先生語...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2019.05.20 Mon 22:06
昭和61。 「河内野」主宰。第4句集。 流さるるさだめの雛を舟に積む 入水の滝も崩御の渕も澄む 波は円重ねやまざる噴井かな 猪垣の走る縦横無尽かな 総指揮は消防署長芦を焼く 春泥につらねて敷きし歩板かな 布の水ばかり望遠鏡の滝 踊笠ふかくかむりしうらみあり 牡丹鍋つづく落人物語 振り返り見し眼するどき寒垢離女 十字架にステンドグラスより初日 洗ふ娘にまたも大根車着く 上段の羽子板売れしどよめきよ 閉山のことに出水の物語 稲雀空をおほふと...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2019.05.16 Thu 22:52
平成29。 「運河」「晨」同人。「鳳」主宰。 蝶が蝶追ふ感覚の縮まらず 籐椅子のヌードモデルのガウンかな 祭の子父の太腿つかみ来る 新聞を漏斗に種を収めけり 月山の仔狐跳べる良夜かな 盆梅展二階の畳ふはつけり 一樹とは強きものなり山桜 清水の舞台の下の恋の猫 木雫のかたちくづさず凍りけり 切岸にまんまるの穴鳥の恋 月明の藁屋にピアノ連弾す 榾足して匂ひかはれる春炉かな 夏の蝶ひたすらといふ高さとぶ 水見舞水が一番よろこばれ 春筍の土ぬぐは...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2019.05.09 Thu 20:56
2018年。 「漣」主宰、「晨」同人。第3句集。 「春のまのあたり句会」で拙句が前田主宰の特選となり、賞品としていただいた。 去年今年海のきはまで星満ちて 比良晴れよ比叡晴れよと揚雲雀 尼様のひときは小柄花まつり 一抱へ馬へ抱きくる藤若葉 虫干や箱を出にくき古今集 刺強きものを離れず秋の蜂 晩秋の日溜りとなる湖心かな 寒ムや世の何かくづれてゆく気配 龍天に登り赤子に蹴る力 みづうみは真闇いちまい白鳥座 大皿の山河に余る江鮭 雑炊や亡き人に腹立てて...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2019.05.04 Sat 11:05
平成13。 「橡」同人。第3句集。 さねかづら父を男として論ず 雪折れの竹又竹や直指庵 落鉄の馬曳かれくる夕ざくら 父の日の師の長眉にまみえけり 零戦も遺品のひとつ露置きて 麺麭の山割って勤労感謝の日 ふくろふや楮ふた夜を川晒し 子の家の客となりたる素足かな 雪折れの木の仏性やほととぎす 菖蒲湯や男の子すこしく買被り 翁忌や歴々としてわが師系 沈む日や円板とまる草刈機 かのナチの国より戻り原爆忌 秋立つと朝刊にのるリルケの詩 足摺や岸摺...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2019.04.30 Tue 21:19
昭和41年。 「雪解」主宰。第8句集。 端に日ののりて大冊読はじめ 松過ぎの金屏を立てのこしたる ふもとより牛の一列牧開き 春雷のいまの怒りの夏の如 栄螺焼く夜の二見へ宿を出づ 故友また故友青きも踏みあへず 新茶古茶しらず疲れに喫したる 草引きし大渇には古茶くまむ 大事些事過ぎつつ欠かさざる昼寝 苺置き辞書置き子の名選ぶなり うすものの機上夫人に雲ぞ敷く 鏡台のみだれ香水澄むほかは 遊船をあがりて蟹の中の道 玉虫を拳はげしくとらへたる 秋...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2019.04.23 Tue 21:56
俳句ライフ FM Kawaguchi で 紫主宰・山?十生の「俳句ライフ」放送中です。 4月10日放送分より 今週の秀句紹介 いい人が一番苦手山笑ふ (秩父紫3月例会 特選句) 今週の十生一句 (表記は俳句スパイスによる) 天 山笑い柔らかな風降りそそぐ ビン(小学生) 地 引っ越しのトラック見守り山笑う サキママ 人 眠気来る嬰児(やや)の手温し桃の花 モコちゃん 先週から村重美加さんに加えて...
俳句スパイス | 2019.04.17 Wed 08:58
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