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2015年。 「蒼穹」同人。第1句集。 コスモスの丈を違へて瓶にさす 山眠ることの遅さよ午の年 能面の奥より響く梅雨の声 天の川手枕をして読む源氏 薄墨に溶けたるごとき初夢や 初夢の駿馬は先を駆け抜けぬ 鉛筆を回す思考や日脚伸ぶ 海苔好きの母は動けぬ人となる 長閑さの隙間を抜けし野球音 沢山葵大葉の蔭に眠りけり 罫線を真直ぐ引けば風薫る 遠雷やペンの重さの返事書く 公園は無人となりて小鳥来る JUGEMテーマ:俳句
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.03.10 Thu 23:46
JUGEMテーマ:俳句 開催日:令和4年2月27日(日) 場 所:本部道場 南寮 参加者:10 名 投句者:5 名 梅の開花も告げられ、風にもやっと春の兆しが感じられる一日でした。 最高得点者は ”のりこさん” 今回の兼題は「春浅し」「梅見」「白魚」 ------各自の高得点句を紹介します。-------- 白魚の旬と貼紙天麩羅屋 幽谷先生 車窓より流れる雲や春浅し 霞山老師...
座禅修行だより | 2022.03.09 Wed 14:43
平成13。第5句集。 読初めやコミンテルンの崩壊史 落椿大地の鼓動聴くかたち 客容れてから風鈴の舌はしゃぐ 手を離れ手へ戻る子や青き踏む 扇風機生くるに飽きし如き音 眦に光るもの溜め角切らる 交響曲終り師走のシャンデリア 峯雲の下剋上むくむくとかな 寒鴉なゐ跡に唖々人へ唖々 古稀傘寿頷き合ひて心太 三尺寝臍のゆがみを覗かせて 月へ来て妻透明となりにけり 落とし水土を噛み土水を噛み 吸ひながら煙草やめると四月馬鹿 マネキンにまばたきなかり...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.03.02 Wed 12:30
平成25。 「草苑」同人→「草樹」会員。第1句集。 マフラーの結び目太く少年来 ふらここの蹴上げる空の軽さかな 初恋も失恋も海ソーダ水 葉桜となって漢の空となる シャガールの羊と冬の午後に居る あきらかに梟こちら見て居りぬ 石鹸玉吹く口をして子の眠る 入学の子の振り返る目と合いぬ 真砂女忌となる日の膳のほたるいか 品書きの墨匂い立つ良夜かな 時の日のひとそれぞれの影の丈 日の中で少し膨らみ寒雀 吹雪の夜軍医の顔に戻る叔父 新巻の目にう...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.02.22 Tue 00:31
2010年。第1句集。 はつきりしない人ね茄子投げるわよ C難度宙返りせる春のたましひ 初夢に小さき人を踏んでしまふ 少しだけ飛ぶにはとりやゐのこづち 目覚むれば人の家なりチューリップ おたまじやくし諸手に掬ふこぼれ落つ 音高く庖丁つかふ立夏かな 恋文をみせあふ少女百日紅 布かけて文鳥の籠冬深む 少年の手淫にねむる小雪かな ポケットに去年の半券冬の雲 膝たてて膝の匂ひや冬深む きみみかんむいてくれしよすぢまでも 草踏んで会ひにゆくなり日の盛り ...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.02.20 Sun 12:30
2018年。 「森の座」同人。「群星」代表。第3句集。 嫁ぐかの柩の母の花衣 籐椅子に坐すや亡夫の押し返す そこここに爆ずるゴーヤや敗戦日 枯れきつて骨うつくしき欅かな 麓まで垂るるその列初詣 冬耕も詩嚢も天地返しかな 兵卒の大きな墓標冬菫 冬日撥ね枯山水の波頭 吾を照らすナースやバレンタインの夜 種牛の波打つ背や下萌ゆる 料峭や老攫ひゆく介護バス 御虎子(おまる)へのうんち初めて桃の花 高階の玻璃満帆に大南風 大小の無き万国旗青嵐 まるで...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.02.17 Thu 22:49
昭和52。 「寒雷」「陸」同人。第1句集。 子の頭撫づ雛の髪よりやはらかし 乳房躍らせ盥に春の水を張る 風しづむたび雛罌粟は蝶を飛ばす ラムネ飲む壜の底より白鳥座 いぶかしみ金魚近寄る無精髭 天の川ひとは音たて尿りなす こほろぎや足でさぐれど下駄揃はず 降誕祭頭上を走る暗き梁 三伏の鉄鍛つ貌やわめくに似て 転げ出てピーマンそれぞれ肩怒らす 青簾主婦を忘れし妻匂ふ 肉となり鯉の冷たさ重さ掌に 一大鉄塊地鳴りして来てラッセル車 身にとほき手足...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.02.13 Sun 15:10
1993年。 「万蕾」同人。第1句集。 朝より灼けて坑夫の墓百基 秋天を突く噴水の力づき 雪蹴つて負けの嘆きを隠さざる 肩に手を置かれてゐたり虫時雨 去年今年なく作業衣をつけにけり 秋晴や電柱の影壁に折れ 群羊に重なり春の雲まろし 芥子朱し小手かざさねば沖見えず 芥子吹かれあるなしの影ちらつけり ビールの罐ぺかぺか潰し論議中 足音の落葉を踏みて遠ざかり 竹林に真直ぐな雨秋初め 蜥蜴出づ六千尺の巌の上 着ぶくれて鏡にとらへられにけり 菜の花に...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.02.05 Sat 00:22
1992年。 「草苑」「航標」同人。第1句集。 頬の傷皺となりたる終戦日 露座仏にほど近くゐて桜餅 鰤の頭をたたき切つたる光かな 風呂吹きの舌にくづれる旅疲 三日はやうねりに向ける舳かな 春立ちぬ仁王の足の裂け目にも 祝ぎごとの夜に入りたる白牡丹 帆柱に雲の行き来やサングラス シャッターを塗りかへてゐるパリー祭 一山に一路見えをり秋あかね 産声やホースの先に薄氷 あたたかや船窓に置く哺乳瓶 六甲の水を飲みをり女郎花 流灯に流るる空のありにけり ...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2022.01.29 Sat 22:23
JUGEMテーマ:俳句 開催日:令和4年1月16日(日) 場 所:本部道場 南寮 参加者:11名 投句者:6名 令和4年の初句会ですが、オミクロン株による感染者急上昇の兆しの中、新年会は取り止め、対策取っての開催であったが、多くの参加者があって盛会であった。 最高得点者は前回に続き ”眞澄さん” 今回の兼題は「初詣」「日向ぼこ」「雪明り」 ------各自の高得点句を紹介します。-------- 女校生けふは巫女...
座禅修行だより | 2022.01.20 Thu 16:00
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