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「あぁ、外の人間だから俺たちと違うんだ」「えっ! 外の人間!?」「こわい人なの??」 子供たちは、「外の人間」と聞いた瞬間、私から離れていった。 だけど、そんな子供たちをメリオさんは笑って、呼び戻した。「お前達大丈夫だ! この人は、怖い人じゃないぜ? はづきって名前なんだ。皆仲良くしてやってくれ」「よろしくね、みんな」 私は、メリオさんと一緒に子供たちの視線の高さまでしゃがむと、にっこりと笑ってみた。 すると、子供達も顔を見合わせると、とびっきりの笑顔を返してくれた。「うん! はづ...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 21:04
確かに、他の皆とは会えないけど、こうして私を気遣ってくれてる。メリオさんは、とっても良い人なのかもと、私は思った。「あの……なんで、外界の人はここに近づいちゃだめだんですか?」 私の質問に、メリオさんは頭をボリボリかきながら、苦笑いした。 ちょっと、話し難いこと聞いたかな?「あー……それはだな。昔、迫害とか奴隷化とかいろいろあったんだ。だから、俺達セルクティスと供に生きてきた動物達は一緒にここへ逃げて、幻術で外界との道をなくしたんだ」「幻術?」「相手に幻を見せる秘術みたいなやつさ。魔...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 21:04
第15話 セルクティス あれ? 何だか暖かい……。 私は、暖かさと明るい日差しで目が覚めた。「おぉ! 姫さん、目覚ましたかい?」 見覚えのない部屋で私はベットの上、そして見覚えのない赤毛の男の人が、私の覗き込んでいた。 誰だろう?っと、思いながらぼーっと見ていると、背中にあるはずもないモノが見えた!「羽っ!?」 私は驚いて、飛び起きた! 寝ぼけていた頭も、ばっちり覚めた。「ここはどこ? 何? あなた誰?」 私は、混乱してあたりを見渡し、わ...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 21:03
吹雪の真っ白な中、一際目立つ赤い羽根が一つ落ちてきた。 そして、バサバサと大きな音をたてながら、巨大な鳥さんが私達の前へ空から降りてきた。 その鳥さんはまるで、伝説に出てくる朱雀のようだった。「もう一度言う。この地から立ち去れ」 さっきから聞こえる低い声。 それは、この大きく真っ赤な鳥さんから聞こえていて、私はびっくりしていた。 だけど、ルークさんは落ち着いた感じで鞘から手を放すと、鳥さんの前に跪いた。「この地を守る獣の力を受け継ぎし民、セルクティスとお見受けする。我ら...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 21:01
第14話 雪の民、獣と人 「次の魔道具は雪で閉ざされし北の地、ユロイスにある」 私たちは、アルキオンのその言葉を頼りに、オルディアル王国やリエダフ国から遥か北にあるユロイスに足を踏み入れていた。 お城で防寒具も貰い、ユロイスまで徒歩でも馬で船でもいけないからと、王宮の皆さんの反対を押し切り、ヴァルト王子が移動魔法で一瞬でユロイスまで飛ばしてくれた。 そして、ヴァルト王子も一緒に同行することになった。 やっぱり魔法は、しみじみ...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 21:00
「はづき、私は君のことを愛しているんだ……」 ヴァルト王子の愛を告げる言葉に、俺の心は飛び跳ねた。 そして、凄く嫌な気分……何とも言えない、胸を締め付けられるような感じがした。 はづきは、何と答えるのだろうか? そればかりが、頭の中を駆け巡る。 聞き耳をすませていると、はづきは了承はしなかったが、凄く戸惑っているようだった。 俺は左手でうるさい胸を押さえながら、静かにその場を離れた。 いつの間にか、自分の部屋の前まで来ていた俺は部屋に入り、そっと...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:58
第13話 本当の想い 俺は、はづきの部屋から出て、早足に自分の部屋へと向かった。 ――俺は、あの時一体何を言おうとしたんだ? はづきは、魔導の姫。世界を救う存在。 異世界の少女で、何も戦うすべもなく、守るすべもない彼女を守って、世界を救うのが俺の役目であり、責任だった。 ……なのに、何なんだこの気持ちは?「それは、愛ね」 俺が部屋でふさぎ込んでいると、ふっと聞き覚えのある声が聞こえた。「お前は!?」 俺の目の前には、はづきとの出会うきっか...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:57
「あの……もう大丈夫ですから、ヴァルト王子」 私が苦笑いすると、ヴァルト王子は首を振り「大丈夫じゃない!」と、怒られた。「私が、どれだけ心配したか分かっているのかい?」 ヴァルト王子は跪いて、私の手を握り、目を真っ直ぐ見てきた。「はづきが、もう目を覚まさないのではないかと、どれだけ胸を痛めたか……」 ヴァルト王子は、私の手を握ったまま、自分の額に当てた。「はづき、私は君のことを愛しているんだ……」 ……えっ? 愛してる?「まままっ待ってヴァルト王子! そんな冗談やめてください!」 私は、ヴァルト王子...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:56
私がにっこり笑うと、ルークさんは釣られて一瞬笑い、そして急に真面目な顔になり、私の両手を自分の手で包んだ。「はづき。この戦いが終わったら俺と……」「大丈夫ですか、はづき!!」 丁度そこへ、アネモネちゃんが勢いよく、息を荒げながら入ってきた。 ルークさんは、その瞬間手をサッと引き、立ち上がった。「アネモネ様、丁度良い所に。俺は席を外すので、はづきをお願いします」 そういうと、ルークさんはさっさと部屋を出て行ってしまった。 アネモネちゃんは、そんなルークさんに首を傾げつつも、彼の座って...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:55
第12話 謎の夢、秘密、告白 ――気分が悪い。 何も見えない、暗い暗い場所に私はいた。 何も考えられず、ただ体が重く、気分が悪い――いや、イライラする。 このもやもやを発散したい。 あぁ、誰かを傷つけたい。 あぁ、誰かを泣かせたい。 あぁ、全ての人が不幸になればいい!! ……そうよ。 皆不幸なればいい。 皆いなくなればいいのよ。 ……私に不幸を押し付けた人間達など!! 「ヤメテ!!」 私は、ベッ...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:54
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