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「何で謝るんですか? 私は、ヴァルト王子の言ってること信じます。ヴァルト王子の言うとおり、ダークエルフさんたちが優しい人たちなら、私たちに危害は加えないはずでしょ?」 私がにっこり笑うと、ヴァルト王子は私の両手を握って、すがるように「ありがとう」と繰り返した。「でわ、決定ですね」 アネモネちゃんは、パンっと手を叩いた。 そんな彼女に、私は振り向き頭を下げた。「ごめんなさい、アネモネちゃんまで巻き込んで……」「いえ。僕は、はづきの優しさに動かされただけですよ」 アネモネちゃんは、愛らしくまた...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:45
「でも、あの……」「世界の運命も君にはかかっているんだぞ?」 ルークさんがそう怒鳴ると、私は何故か胸がチクっと痛んだ。 怒鳴られて怖かったわけじゃない。 ただ……、私個人じゃなくて、世界の運命の心配していルークさんの言葉に、傷ついた気がした。――ルークさんが、世界の運命を心配することなんて、当たり前のことなのに……。「ルーク殿。そう熱くならないでください。はづき、貴方は何か考えがあって言ったのでしょう? 僕はそのアイデアを聞いてみたいです」 アネモネちゃんは、落ち込んでいる私の背中をそっと...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:44
「でわ、お聞きしたい。俺たちが、ヴァルト王子をダークエルフの里へ連れて行くメリットはなんなのですか?」 ルークさんは、冷静にヴァルト王子に聞き返した。「それは君たちの探している魔導具の一つが、ダークエルフの里にあり、そこの扉の鍵を開けられるのが王家の血を引く者だけなんだ」 その言葉に、ルークさんは目を丸くし、私を振り返り、そしてまたヴァルト王子の方を向いた。「何故そのことを知って……」「我々エルフは、無駄に君たち人間の何倍も長生きしていない。最近の魔物の凶暴化や異変、はづきの不思議な魔力の流れ...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:44
ルークさんは、少し驚いたみたいだった。「はづき様と、同行されているルーク様、アネモネ様をご一緒にお連れするよう言われてますので、どうか我々とご一緒にお越しください」 兵士さんは、再び私たちに頭を下げた。「ルークさん、こんなに頼んでるし……行ってみませんか?」 ルークさんは少し考えると、分かったと言って、兵士さんに「案内を頼む」と頭を下げた。 こうして私たちは、ヴァルトさん……じゃなく、ヴァルト王子の待つ城へと向かった。 オルディアルのお城にも負けないほど、高価そう...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:43
第9話 王子の想い 私たちは海を渡り、太陽が一番高い位置にある頃に、エルフさんたちが住み、治めているリエダフ国についた。 ルークさんが、王都に向かって情報収集をしようと提案してくれて、私たちは王都に向かうことになった。 リエダフ国の大地は、ルークさんの住んでいたオルディアル王国より自然が多く、大きな木や綺麗な花がたくさんのびのびと咲いていた。 見たこともない植物に、私は一人驚いていたら、ルークさんに「はぐれるな」と、苦笑いされた。  ...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:42
男の人は、少しおかしそうに笑ってた。「えっとその……私、この世界に詳しくないというか、なんと言うか……」 ルークさんやアルキオンに、魔導の姫のことを他言するなと言われてたから、下手に話せない。 でも、この世界の住人だったら、やっぱりエルフを知っているのが普通なのかな?「はははっ。レディは、どうやら相当な箱入り娘なようだね」 男の人は、豪快に笑っていた。 どうにか、怪しまれていないみたい。「ところで、レディ? 君の名前を聞かせてもらってもいいかな?」「えっと、はづきです」「はづき? 変...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:40
第8話 エルフの男 私達は、今いるオルディアル王国から、エルフさんという種族の住む、リエダフ国に行くため、船に乗ろうとしていた。 もちろん行き先を決めたのは、言うまでもなくアルキオン。 異世界の別の国ってなると、異世界のそのまた異世界に行くみたいで少し怖い気もするけど、美しいと聞いたエルフさんに会うのも少し楽しみな気もする。 ブロロォー! 船の大きな汽笛の音が聞こえてきた。「そろそろ出発だ、乗り込むぞ」 ルークさんに連れられ、私とアネモネちゃん...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:38
私たちは、まだ少し蜘蛛の焼け焦げた気持ちの悪い匂いの漂う森を後にした……。 教会に戻ると、シスターたちは泣きながら、アネモネ様の帰りを喜んだ。 その後、私とルークさんがアネモネ様を助けたことと、私が魔導の姫と聞いたシスターたちは、神様の使いと拝み始め、大変だった。 その日は、シスターたちの進めもあり、私達は教会に泊めてもらうことになった。 ――次の朝。 私とルークさんがシスターたちの挨拶をすませ、教会を後にしようとしていると、アネモ...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:37
「じゃあ、どうするの!?」 私は、ルークさんを助けなきゃと、必死であれこれ考えたけど、アルキオンに無理だと言われ、絶望しそうになった――その時だった!「ま……どう……の姫」 誰かが、私の袖を掴んだ。 振り返ると、アネモネ様が私に何か訴えようとしていた。「こ……これを……」 アネモネ様は、私に指輪渡してきた。「それは!? 姫、その指輪をしてください!」「うっうん」 私は戸惑いながらも、その不思議な模様の入った指輪をゆっくりとはめた。「っ!?」 すると、私の体がふわりと浮き上がる感じがして、血がめぐる...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:35
森の中は、太い糸のようなモノが木々のあちこちに引っ付き、森を暗くしていた。「この糸のようなモノは一体……」 ルークさんは、木々に引っ付いている糸を足元に落ちていた枝で取って確かめた。それは、ねばねばとした糸で枝についた糸が、糸を引いていた。 ルークさんは枝を捨てると、「先へ急ごう」と、森の奥へと進んだ。 私たちが奥に進むにつれて、どんどん太陽の光が届かないように太い糸が張りめぐらされ、辺りが暗くなっていく。「うわぁー!!」 突然、森の奥の方から誰かの叫び声...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:35
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