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JUGEMテーマ:連載 第三章 如雪との出会い5 如雪との食事(7) さて、いよいよ食事ということになったが、用意されたランチは、ありふれたものだった。マグロの網焼きに香草が入ったプチサラダ、次いで野菜スープときて、メインは牛フィレ肉の焙り焼き。これにはちょっぴり辛いスパイスソースがきいていた。あとは、オレンジムースにフルーツ、それにコーヒーとケーキ。 ただ、変わっていたのは、前菜代わりかどうか知らないが、最初にスシボン期待の寿司がどっと出てきたことだ。腕に自慢の寿司職人が、我々の目の...
ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.06.14 Sun 08:38
JUGEMテーマ:連載 きらきら星 2章 ♯18:焦燥がはしる 岡崎先生の説明はつまりこういうことだった。 亜紀ちゃんは「湊ひかるちゃんの家で遊んでくる」と、同居しているおばあさんに言って家を出た。しかしいつまでたっても亜紀ちゃんが家に帰ってこないから、学校に電話したのだと言う。「・・・うちにはいません。大体亜紀ちゃんはうちの場所も知らないし、うちの電話番号すら知りません。私は今日はかおるや紗也香と遊んでました」 私は波打つ心臓を抑えながら極力冷静に言葉を紡いだ。 どくん、どくん。受話器を持っ...
きらきら星 | 2009.06.13 Sat 14:42
JUGEMテーマ:連載第三章 如雪との出会い5 如雪との食事(6) 「それでわかった気がしたのだよ。人間には、危険を避けようとする本能があるということを」 如雪は大きくうなずいて見せた。「危機察知本能?」 スシボンは引き込まれるように如雪の顔を見た。「そうだ。遠当てはその本能を刺激するらしいのだ。たとえば、私に殴りかかるとき、腕にとんでもないケガをすると本能で感じたとする。すると、相手は殴りかかろうとするものの、本能からそれを思いとどまり、身を引く」「ふーむ」「それで、相手がその身を引こう...
ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.06.13 Sat 08:58
JUGEMテーマ:連載第三章 如雪との出会い5 如雪との食事(5) コーヒーを飲んで一息ついたところで、ぼくたちはこのビルの最上階にある協会自前のレストランに移動した。 レストランと呼ばれる部屋の真ん中には、十五、六人くらいは座れるであろうダイニングテーブルが置かれていた。テーブルは清潔そうな白いクロスに覆われていた。 この部屋の壁はとりたてて変わったものではなく、白っぽい平凡なクロス張りであった。壁の反対側には大きな窓があり、そこから陽の光がたっぷり入り、部屋全体を明るい雰囲気に保たせ...
ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.06.12 Fri 08:16
JUGEMテーマ:連載第三章 如雪との出会い5 如雪との食事(4) 不思議に思いながら、ぼくは晴美とスシボンとともに会長室に入った。すると、如雪が赤ら顔で出迎えた。「おー、今日は三人ともよく来てくれた。楽しみにしていたよ」 どことなく照れくさそうでもあり、また、それを隠すかのように上機嫌に振る舞っているようにも見えた。「今日はお招きいただき、ありがとうございます」 ぼくはまずは儀礼上の挨拶をした。「まあ、固いことは言わずに座ってくれたまえ」 如雪がソファーを指さした。 三人が並んで着...
ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.06.11 Thu 09:37
JUGEMテーマ:連載第三章 如雪との出会い5 如雪との食事(3) 受け付けにいた若い女に用件を伝えたところ、彼女は直ちにそのことを秘書室に伝えた。すると、打ち合わせ中で手が放せないため、もうしばらく受け付けで待ってほしいという連絡が入った。 ぼくたちは仕方なく受け付けのそばで待っていたが、二十分以上たっても如雪から連絡がこないではないか。 近くにいた受付嬢も申し訳ないと思ったのだろう。恐縮したような顔で再度連絡をとったところ、ようやく三階の会長室の前で待ってくれという返事である。 ...
ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.06.10 Wed 10:02
JUGEMテーマ:連載第三章 如雪との出会い5 如雪との食事(2) 見ているだけでは我慢できず、行列に積極的に混じっていく野次馬も多かった。そのため、踊りの人数はどんどん増え、長い行列ができた。 こうして、「やってられん」と「ええさ、ええさ」という掛け声が、池に石を投げたときできる波紋のように、次々と連鎖して広がっていった。 この踊りの騒がしさは相当なもので、役所には近隣の住民から苦情が殺到した模様だ。 また、これだけ人が出てきてにぎわうと、ケンカやいさかいも絶えなかった。しかし警察も、盆踊り...
ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.06.09 Tue 10:01
ミスター・グリーンはベッドわきのいすに腰かけ、ママと目を合わせることもできずに、しばらく自分のひざをみつめていました。ここへくるまでに、あれこれと考えをまとめてきたはずだったのに、いざママのまえに座ると、それらのすべてが頭からふっとんでしまったようでした。一方ママは、そんなの知ったこっちゃないとでもいうように、すっかり空とぶポニーに夢中になっていました。 なにを思ったのかママは、小机に置かれたちいさな花束をとりあげ、枯れかけた白い花を数本ひきぬくと、ポニーの口におしこみ食べさせてやりました...
こどものほん | 2009.06.09 Tue 05:02
JUGEMテーマ:連載第三章 如雪との出会い5 如雪との食事(1) 下田から帰ってきたときは九月に入っていたが、東京は相変わらず暑かった。 実は、このころより少し前だが、おかしな出来事が東京近郊の町で次々と起きていたのだ。それは?やってられん踊り?という踊りであった。この踊りは燎原の火のように東京近郊に広がっていた。 ぼくが最初にこの踊りを知ったのは、テレビのニュースからであった。東京都西多摩郡檜原村の中学校近くで行われた様子が中継されていたのであるが、お盆のころだったため、この踊りは盆踊りの一...
ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.06.08 Mon 09:20
JUGEMテーマ:連載 きらきら星 2章 ♯17:なんで、どうして、どこにいるの 買い物を済ませ、その後も遊び呆けてさあ帰ろうかと意見が合致した時には腕時計は午後5時を指していた。 私は朝と同じくバスに乗り込んで家に帰った。もうくたくただ。靴を脱ぎ捨て「ただいま!」と叫び、そのまま二階へ直行する。少し遅れて翼が後を追ってきた。「ただいま翼」『おー』 私はかばんの中を漁ると、みんなで撮ったプリクラを眺めた。慣れていない男子たちの施した落書きには、適当なスタンプや日付が書かれていて、見ていて笑える。 一...
きらきら星 | 2009.06.07 Sun 17:25
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