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整体師 諸星玄丈 第150話

JUGEMテーマ:連載  第四章 玄丈先生の危機3 忍び寄る影(6)「ところで、彼女のセールスはどんなやり方だったんですか?」 翔太はいよいよ核心に迫る質問をした。「銀行の預金金利はただみたいなものだから、ダイヤの方がずっと有利だと言っていた。一度支店長の説明をじっくり聞いてくださいと、熱心に誘ってきたんだよ」「それで、支店についていったんですね?」「ああ、立派な応接室に通されてびっくりした。すごい会社だと思った。おいしいケーキとコーヒーも出たし、課長と部長、それに最後には恰幅のいい支店長さん...

ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.07.12 Sun 07:55

整体師 諸星玄丈 第149話

JUGEMテーマ:連載 第四章 玄丈先生の危機3 忍び寄る影(5) 翔太は冷静な眼をぼくに送りながら言った。「おそらく、彼女はおばあちゃんの出身地を前もって調べておいたんでしょうね」 すると、ヨシが鋭く口を開いた。「そんなことはないよ!」 翔太の言葉を被うかのような強い反応だった。「康子ちゃんはほんとに親切だったんだから」 ヨシの眼には康子に対する疑いの色などまったくなかった。そして、 ヨシは康子がいかに親切な人間かを、翔太に力説しはじめた。「康子ちゃんは風呂でおれの背中を流してくれたこともあった...

ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.07.11 Sat 09:19

ミスター・グリーンと空とぶポニー #16

 やがて秋がやってくると、木々は黄や赤に色づき、空気もひんやりと肌寒くなってきました。ミスター・グリーンはまいにち目のまわるいそがしさで、しょっちゅう泣きごとをいっては、フィフィをうんざりさせていました。 それというのも、今回の空とぶポニーのヒットにより、グリーンおもちゃ工場の過去の製品の数々も、じょじょに注目されはじめ、注文がふえてきたからなのです。それはおそらく歓迎すべきことなのでしょう。けれど、もともとのんびりやることが性に合っているミスター・グリーンにとって、この状況はしょうしょう苦...

こどものほん | 2009.07.11 Sat 00:50

にじのかけら 01

JUGEMテーマ:連載小雨が降った昼が過ぎた。夕方になるには少し早いようなでも薄暗さがにじみ始めた空の上。ぼこぼこで細切れの雲と雲の隙間にそれをみつけた。「にじのかけらですよー」隣のそいつが指差して言う。なんて素敵なネーミングなんでしょう。にじのかけら。でもそれは確かに虹の欠片だった。薄い薄い赤色と黄色が灰色の雲から顔を覗かせている。なりそこないだ。虹のなりそこない。長さもない。色も二色。でもそれは虹としか呼べないもので。「なんて素敵なネーミング。でもなんて素敵に中途半端」「かけらですよー」りょう...

よーくらなぱさまてー | 2009.07.10 Fri 14:06

EGOIST.21

JUGEMテーマ:連載The pursuer and the pursued.--05

Dear Children | 2009.07.10 Fri 09:00

整体師 諸星玄丈 第148話

JUGEMテーマ:連載  第四章 玄丈先生の危機3 忍び寄る影(4)「今年の正月はじめだったか、突然康子ちゃんから――もう家族づきあいのようなものだから康子ちゃんと呼んでるんだけど、電話がかかってきたんだ」 ヨシの話によると、康子はこう言っていたそうだ。 ――ダイヤモンドにご興味はありませんか。ただいま、ダイヤモンドはたいへんなブームなんです。「ということは、上田康子はダイヤモンドの販売員だったんですね?」 翔太が確かめるようにたずねた。「ああ、そうさ」 うなずいて、ヨシは話をつづけた。「おれはダ...

ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.07.10 Fri 08:19

整体師 諸星玄丈 第147話

JUGEMテーマ:連載  第四章 玄丈先生の危機3 忍び寄る影(3)「怪しい者ではありません。私たちは、上田康子という人のことについて、うかがいたいと思って来たんです」「……」 ヨシは黙っていた。「実は、私の知り合いが太陽の園という保育園に関係していて、上田さんのことで困っているんです」「……」 相変わらず返事はない。「上田さんの事件のことはご存知ですよね」「ああ、聞いてる」 ようやくヨシは口を開いて、つづけた。「でも、何かの間違いだよ。康子ちゃんは絶対悪い人間じゃない」「上田さんのことをご存知で...

ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.07.09 Thu 08:08

(9)「やつの動きを調べる必要がある」

JUGEMテーマ:連載  だが、個人的な恨み辛みによる殺しの場合には、殺しの理由も語らず、特別な条件もつかないことも時としてあったのも事実だ。依頼者が殺しにかかわっていることさえ隠せれば、どんな手段でもいいからとにかく殺して欲しいというケースもないことはない。この男の場合も、そうなのかもしれない。「いいだろう」煙草に火を点けながら言った。「ともかく殺せばいいんだな」「ああ」男は頷いた。「今夜、九時…」「こ、今夜? 今夜なのか?」「都合が悪い? 別の仕事かにゃにか(何か)で?」男もややアセっている感じ...

天使のヒットマン。(小説ブログ) | 2009.07.09 Thu 03:20

整体師 諸星玄丈 第146話

JUGEMテーマ:連載  第四章 玄丈先生の危機3 忍び寄る影(2) 晴美から話を聞いて、ぼくは保育園の元経理担当者を調べてみようと思った。このとき、ぼくは翔太に声をかけた。こういうことに彼は実に使えるのだ。 金を持ち逃げした犯人は上田康子という女で、歳は五十代半ば、太陽の園に来る前は小さな会社の経理課に勤めていたらしい。岸園長とは玄丈道場で知り合ったという。 ぼくたちは岸園長から上田康子の住所を聞き、さっそく彼女のアパートを訪ねた。だが、ドアをノックしても返事はなかった。新聞受けに大量の新聞...

ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.07.08 Wed 07:51

整体師 諸星玄丈 第145話

JUGEMテーマ:連載  第四章 玄丈先生の危機3 忍び寄る影(1)「げっしん、ちょっときて。たいへんなことになってるのよ」 敦子に怒鳴られているぼくのそばに晴美が来て、そっと耳打ちした。晴美は、ぼくを道場の隅に連れていった。「どうしたんだい? スキャンダル記事がまた出たのかい? それとも、指導員が引き抜かれたのかい?」「そうじゃないのよ。また別の話よ。いったいこのごろうちの道場はどうなってるのかなあ。次から次へと難題だらけだわ。いいかげん勘弁してほしいわ」 晴美はことのてん末を次のように説明...

ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.07.07 Tue 09:12

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