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整体師 諸星玄丈 第138話

JUGEMテーマ:連載第四章 玄丈先生の危機1 異変(10) 「では、もうちょっと整体に近いところで例をあげてみようか。武蔵は空の心をもてと言っているが、野口先生は、愉気をするときは天心《てんしん》で行えと言っている。このあたり、ちょっと似ていてておもしろいよ」「天心?」 ぼくは思わず声をあげた。またわけのわからない言葉が出てきたからだ。 とたんに物知り博士が始まった。「愉気というものは澄んだ気で行えということだ。静かな気、澄んだ気でないとだめなんだ。荒れた気、乱れた気はだめ。それくらいは、げっしんで...

ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.06.30 Tue 08:38

整体師 諸星玄丈 第137話

JUGEMテーマ:連載第四章 玄丈先生の危機1 異変(9)  物知り博士はゆっくり読みあげた。 ――身体がゆっくりしているときでも心を弛緩させず、身体が激しく動くときも心がはやることなく、心が身体の動きにひきずられることなく、また身体の動きが心にひきずられてもいけない。「ふむ、ふむ」 スシボンがうなずいた。「今のは、技術論に近いかもしれないな。ただ――」 加藤さんは、つづけた。「ただ、そのあとにこれがくるんだよ」 ――心のなかを濁らせず、広くする。その広い心に知恵を置く。知恵(思考)も心も、ひたすら磨くよう...

ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.06.29 Mon 08:22

整体師 諸星玄丈 第136話

JUGEMテーマ:連載第四章 玄丈先生の危機1 異変(8)  ボヤ騒ぎから三日後、またおかしな事件が起きた。 ことの成り行きはこうだ。 その日の朝、晴美が玄丈先生の執務室に行くと、部屋が荒らされているのに気がついた。大急ぎで先生に連絡して調べたところ、金目のものは何も盗まれていないことがわかった。また、貴重品が入っているキャビネットがこじあけられ、経理の部屋にも侵入の痕跡があったが、いずれも貴重品は盗まれていなかった。 いったい、何を盗もうとしたのか。みんな首を傾げるばかりであった。 そのころから、玄...

ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.06.28 Sun 09:02

整体師 諸星玄丈 第135話

JUGEMテーマ:連載 第四章 玄丈先生の危機1 異変(7)  ほかの可能性を探ろうとして、ぼくはたずねてみた。「タバコの吸い殻が入ったゴミ袋を、あのあたりに置いた可能性はありませんか?」「ゴミは朝起きてから出すことになっているんだ。夜のうちには出さない。火でもつけられたら危ないって以前から注意されてる」「そうね。事務局の方から、そういうふうに厳しく通達してあるわ」 晴美がうなずいた。「だから、あそこには火の気は全然ないはずなんよ」「そうなると――」 それまで黙って話を聞いていた翔太が顔をあげた。「...

ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.06.27 Sat 08:20

整体師 諸星玄丈 第134話

JUGEMテーマ:連載  第四章 玄丈先生の危機1 異変(6)「とにかく大事にならなくてよかったわ」 晴美が軽いため息をついた。「おれの方は大損害だ。寝間着に消火液がぶっかかってしまったから、たぶんもうオシャカだろうな。ああ、もったいない」 今度はスシボンが大きくため息をついた。「身代わりになってもらったと思って、あきらめることね」「そういうことす」「それで、スシボン先生。火事の原因はわかったの?」 晴美が思い出したようにきいた。そうだ、そこが肝心なポイントだった。「それがおかしいんだ。だいた...

ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.06.26 Fri 09:12

オリキャラさんとその作者さんに39の質問 (数奇屋詠人編)

JUGEMテーマ:連載  オリキャラさんとその作者さんに39の質問。作者さんのヘルプやつっこみ、キャラクターさんの反論、なんでもありです。 詠人文字色 現臣文字色- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 01:キャラクターさん、お名前をお願いします。数奇屋詠人(すうきや・よみひと)です。02:さしつかえなければお歳を。17歳です。03:身長/体重を含む、容姿的な特徴を教えてください。身長は170前後、体重は50半ばくらい…だったと思います。あとは…普通かな。あ...

唯我独尊自堕落俺様少年。 | 2009.06.25 Thu 21:59

整体師 諸星玄丈 第133話

JUGEMテーマ:連載 第四章 玄丈先生の危機1 異変(5) バカヤロウ。落語をやってる場合じゃないぞ。「加地のやつ、起きてきやがらねえ。仕方ないから、おれは大あわてで炊事場にすっ飛んでいった。と言っても、暗い廊下を走っていくんだから、あっちで肘をぶっつけ、こっちで膝をぶっつけだ。ようやく炊事場で消火器を見つけて、また廊下を戻ってきたんだが、またあっちで顔を擦り、こっちでけつを擦りだ。おまけに、今度は消火器をもってるから、あっちの壁にどしん、こっちの柱にどしんとぶつかってさ。道場のあちこちに穴があ...

ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.06.25 Thu 09:19

大きな世界と小さな世界-第五話-

リオは死んだ。それは、大きな世界のせいではない。誰のせいでもないのだ。―いや、リオを止めることができなかった私が一番悪いのだ。

雫のおと | 2009.06.24 Wed 17:24

整体師 諸星玄丈 第132話

JUGEMテーマ:連載  第四章 玄丈先生の危機1 異変(4)「それで、どうしたんですか?」 ぼくは先を急かすようにきいた。「急いで起き上がって灯りをつけたら、煙がかなり入ってきているのがわかった。それで、あわててドアをあけたんだ。このドアから道場の裏庭に出られるのは知っているだろう」「うん。それで」「ドアをあけたら、外から煙がどっと入ってきた。ドアの外で炎が激しく立っているのも見えたよ」「で?」「そりゃあ、もうびっくりしたさ。あわてて、大声で助けを求めた」「あら、ほかに誰かいたの?」 晴美が...

ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.06.24 Wed 09:11

整体師 諸星玄丈 第131話

JUGEMテーマ:連載  第四章 玄丈先生の危機1 異変(3) 翌日の午後、道場に出かけると道場は大騒ぎになっていた。この日の未明、道場でボヤ騒ぎがあったのだ。 当事者はスシボンだった。そこで、その晩、事情を聞くために、ぼくはスシボンを香港飯店に誘った。ほかに晴美と大沢翔太がついてきたが、翔太と話すのは久しぶりだった。翔太は最初に会ったときの印象が嘘のようで、すっかり快活な顔つきと俊敏そうな体つきに変わっていた。 香港飯店では、窓際の席が玄丈道場の会員たちの専用席になっている。この日、スシボン...

ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.06.23 Tue 08:23

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