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JUGEMテーマ:連載 第四章 玄丈先生の危機2 スキャンダル発生(5)「どうして、如雪先生がそんなことをしたのかなあ」 如雪を信頼していた敦子は裏切られたような顔で言った。 ぼくは、横合いから口をはさんだ。「実は、如雪は、ぼくたちにも声をかけていたんですよ」「えっ」 敦子は驚いて口をあけたままになった。「ぼくとスシボン、それに晴美ちゃんにまで声をかけた」「ほんとなの?」「ええ。しかも、給料を倍にするという条件でね。おそらくほかの指導員にも、そんなふうに声をかけたんだと思いますよ」「ひどいことをす...
ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.07.06 Mon 06:40
JUGEMテーマ:連載 第四章 玄丈先生の危機2 スキャンダル発生(4)「仕方ないわね。玄丈先生も私たちに弁明してくださるといいのだけれど」 君恵は皮肉な笑いを浮かべた。「弁明ですって? さっきから聞いていれば、君恵さん。あなたの言い草はちょっとおかしいわ。どうして玄丈先生が弁明なんかする必要があるのよ。説明ならともかく」「弁明も説明も同じことじゃない」「全然違うわよ。弁明というのは何か落ち度があったときのことでしょう。落ち度がないのになんで弁明しなければいけないの?」 敦子は爆発寸前になった。「...
ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.07.05 Sun 06:51
JUGEMテーマ:連載 第四章 玄丈先生の危機2 スキャンダル発生(3) まったくもって、ひどく劣悪なゴシップ記事だ。玄丈先生をよく知る者なら、こんな記事を本気にすることは絶対ないだろう。しかし、何も知らない人間が読めば、なかには本気にする者が出てくるかもしれない。 噂の足は速く、十月の半ばには多くの会員の間にスキャンダル記事のことは広まっていた。講座を受講するために道場に来た会員たちは、あちこちでグループをつくり、ひそひそ話をするようになった。 ぼくの隣では、岩下敦子と安井君恵が額を寄せて...
ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.07.04 Sat 07:50
JUGEMテーマ:連載第四章 玄丈先生の危機2 スキャンダル発生(3) A子は、さらに回想する。 ――先生の手は私の下腹部に達しました。さらにその手はサッと下りて、とうとう恥骨に行き当たりました。先生は、そこに軽く力を入れて押し下げました。私は気持ちがよくなって、思わず腰を浮かせてしまいました。もう少しで私の大事なところに先生の手が届く。私は密かにそれを期待しました。でも、このとき先生はすっと手の力を抜いてしまわれました。私は軽く失望して、一度は浮かせた腰を床に落としてしまいました。 A子はさらにつづ...
ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.07.03 Fri 08:49
拳頭 40万円。 万札に五千円札と千円札も混じり、折りあとやシワもあってかなりの厚さの札束になっている。 “胴元”の緑色のフェルトが張られたテーブル――“雀卓”というらしい――の上に置かれたそれを見据えているのは6人。 無二と写楽、チャボ、佐ノ助、そして青白い顔にメガネをかけた男と、なぜか比嘉(ヒガ)がいる。 見るからに神経質そうなメガネの男が、件の壬生であるらしいことはすぐに察せられた。 比嘉がここにいる理由はよくわからないが、こうやって誰かについていること自体はめずらしくない...
き み は ぼ く の ひ か り | 2009.07.02 Thu 16:46
挨拶 胃壁がひきつれるような鈍い痛みを覚えはじめた頃、テーブルの横に人の立つ気配があった。 「見ない顔だな」 頭上から声がして、無二はスプーンをくわえたまま顔を上げた。 ひとりの寮生が不躾な眼差しでこちらを見下ろしている。 目鼻のはっきりした中高な造りが、どことなく異国の血を感じさせる。 片耳の十字のピアスに目がいった。 「挨拶がまだじゃねえのか」 「昨夜来たんだよ」 無二が口をひらく前に、向かいの写楽が言うと、 「ですよ、だろ写楽」 相手がすかさず訂正を求めた。 その...
き み は ぼ く の ひ か り | 2009.07.02 Thu 15:56
JUGEMテーマ:連載 第四章 玄丈先生の危機2 スキャンダル発生(1) それから数日して、玄丈道場の空気はもっと深刻になっていた。玄丈先生の女性スキャンダルが週刊誌に載ったのだ。この雑誌は九月初めに発売されていたが、玄丈道場の主要メンバーの耳に入ったのは、十月に入ってからのことであった。 週刊誌には、整体師に騙されたと訴える女の手記が載っていた。記事のタイトルは「昼下がりの情事――整体師に捨てられた人妻」という陳腐なものであった。 A子という人妻の手記によれば、彼女は長い間、妻子ある整体師と関係を...
ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.07.02 Thu 08:40
JUGEMテーマ:連載小説の中で過剰な表現や少々グロイ表現があるかもしれません。年齢制限はしたくはありませんので、そこは自己責任でお願いします。
*SKULLNIGHT* | 2009.07.01 Wed 23:52
しかしあくる日には、フィフィはまるで何事もなかったかのように、ぱりっとした服を着て鼻歌をうたいながら、町のホームセンターへと出かけていったのでした。ベッドですこしおそめの朝食をとりながら、ミスター・グリーンはぼんやりと、ひとりうなずいておりました。 きのうの話についてフィフィが気にしないようにと努めているのか、あるいはほんとうに気にしていないのか、ミスター・グリーンには判断しかねるところでした。しかし、フィフィがむかしから兄である自分よりもずっと強い人間であることは、ミスター・グリーンが...
こどものほん | 2009.07.01 Wed 03:16
JUGEMテーマ:連載小説の中で過剰な表現や少々グロイ表現があるかもしれません。年齢制限はしたくはありませんので、そこは自己責任でお願いします。
*SKULLNIGHT* | 2009.07.01 Wed 00:16
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