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JUGEMテーマ:連載 センサーとレーダーをフル稼働して川を見つけた。でも、その川はいったいどうなっているのか馬鹿に幅が広い上に大量の水がすごい勢いで流れていてあまつさえ濁流だった。これでは女が身体を洗えない。ごめん、と言おうとして女の方を振り向くと、女が濁流に向かって先輩のしゃれこうべを投げ捨てたのとすれ違う。白く丸い頭蓋骨はあっというまに茶色い水の中に消えて、レーダーにも引っかからない位置へ流された。どうして。そう問おうとする前に、女が「ありがとう」と笑った。太陽が沈んでいく。女は俺に寄り...
よーくらなぱさまてー | 2009.05.31 Sun 21:19
JUGEMテーマ:連載 センサーとレーダーをフル稼働して川を見つけた。でも、その川はいったいどうなっているのか馬鹿に幅が広い上に大量の水がすごい勢いで流れていてあまつさえ濁流だった。これでは女が身体を洗えない。ごめん、と言おうとして女の方を振り向くと、女が濁流に向かって先輩のしゃれこうべを投げ捨てたのとすれ違う。白く丸い頭蓋骨はあっというまに茶色い水の中に消えて、レーダーにも引っかからない位置へ流された。どうして。そう問おうとする前に、女が「ありがとう」と笑った。太陽が沈んでいく。女は俺に寄り...
よーくらなぱさまてー | 2009.05.31 Sun 21:19
JUGEMテーマ:連載 第三章 如雪との出会い4 下田での作戦会議(2) そのうち、加藤さんは自分の斜め前に座っているスシボンの様子が常ならぬのに気がついた。 加藤さんは箸を置き、スシボンに声をかけた。「スシボン君よ。君はずいぶん酒がいけるくちだそうじゃないか?」「いや、それほどでもないすよ。最近はちょっと控え気味なんで」「そうかい?」 加藤さんが意外そうな眼をした。 すると加藤さんの横にいた晴美が、正面に坐っているスシボンの顔をちらっと見てから言った。「スシボン先生は、考えることがあるんですって...
ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.05.31 Sun 10:59
JUGEMテーマ:連載女と手を繋いで街にまでたどり着いた。人間たちは俺を見てざわざわとざわついた。マクシスが帰って来たよ、と。俺が女だけ街に置いて再び荒野に出ようとすると、女がそれを嫌がった。真新しい服と綺麗なカツラを買ってくれた。黒髪のパッチを外して金髪のパッチに変更する。服を着ながら、先輩はこんな姿をしていたのか、と聞いたら蹴られた。私はそこまで最低な人間じゃないわ、と怒られた。女が煤で汚れた俺の身体をタオルで拭いて磨いてくれた。全部終わって鏡の前に立つと俺は兵器というより小奇麗な人間になっ...
よーくらなぱさまてー | 2009.05.30 Sat 21:12
JUGEMテーマ:連載 第三章 如雪との出会い4 下田での作戦会議(1) 玄丈道場に戻ってきても、ぼくたちの意気はあがらなかった。如雪に食事を招待されていることが心に重くのしかかっていた。今の精神状態のまま出かけたら、如雪にいいように扱われてしまうのは明らかだった。 ぼくたちは考えあぐねて、加藤さんに相談してみた。すると、さすがに物知り博士だけのことはある。気分転換したらどうだと言うのだ。 たしかに、それはよいアイデアだった。しかし、そうは言ってもそれには先立つものが必要なので、どうしたものかと考...
ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.05.30 Sat 08:33
JUGEMテーマ:連載 第三章 如雪との出会い3 如雪とスシボン(8) 講義の最後に、如雪が挨拶をした。「最初に言ったとおり八月十六日にかなり強い地震が起きたね。世の中の気が乱れているから、こうなるのです。こうなったからには、我々はますます気を正していかないといけない。それと気が満ちた生活をする必要がある。稽古のときだけ気を満たしても、残りの大部分の時間をだらだら過ごしていては意味がないでしょう」 如雪がそう言うと、受講生たちは大きくうなずいた。「それと、こういう気が乱れている時期には...
ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.05.29 Fri 08:53
JUGEMテーマ:連載 夜が来ると世界は静まり返って、助かった唯一の街の光だけ見えた。女は俺が差し出した缶詰をちょっとだけ食べて目を閉じた。フル稼働させたエネルギーで俺は自分の体温を上げて女に寄り添う。夜は寒い。俺には体感温度というものがないので分からないが、戦争のときに俺と一緒に戦っていた兵士がそう言っていたからそうなのだろう。人間というのは脆いんだと学習した俺は、その人間の中でも壊れやすい方の女の扱いに神経質になっていた。俺たちは人間を守るために兵器として生まれて、そしてそれ以外の目的で生...
よーくらなぱさまてー | 2009.05.28 Thu 23:31
JUGEMテーマ:連載 第三章 如雪との出会い3 如雪とスシボン(7) ぼくは興奮のあまり眼に涙が溜まってきて、スシボンが少し滲んで見えてきた。 だが、ふとスシボンの右腕を見ると、気のせいか動いているように思えた。そこで、眼をこすってもっとよく見たところ、指の先がピクピク痙攣しているらしいとわかった。 もしかしたらと、ぼくは晴美に声をかけた。「スシボンの手が、かすかに動いているような気がするんだけど」「えっ、そう?」 晴美は身を乗り出してスシボンの腕をのぞきこんだ。「あ、そうよ、そうだわ。...
ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2009.05.28 Thu 08:38
JUGEMテーマ:連載 理解をしようとする、という事にはかなり問題がある。マクシス001〜899という名前の廃棄された巨大機械兵士たちが何も見えない何も見えないと俺の方をずっと見つめていた。太陽に匹敵する爆発から街を守った彼らは用無しなのか。俺の着ていた服はボロボロなのにこんなに悲しいのはそのせいじゃない。俺の名前はマクシス900。どんな嘘を重ねても戦争は終わらなかったし、誰も帰ってこなかった。動力としてマクシスの中に埋め込まれている高エネルギー体ばかりを狙ってくる奴らは今では後を絶たない。結局何も終...
よーくらなぱさまてー | 2009.05.27 Wed 20:52
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