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JUGEMテーマ:自作小説 ライラック色のドレスをステージに蹲らせ、ウキアシは平伏すように姿勢を沈めた。その両手は胸の前で貝のように握られている。祈っているのだろうか。捧げようとしているのだろうか、自身の全てを。熟している全てと、まだ熟していない全てを。あるいは奪い取ろうとしているようにも見えた。そのための計略を胸の内に蠢かしているようにも感じた。彼女は彼女の皮膚の裏側に、膨大な呪文を、とても繊細で退廃的な呪文を記述しているように思えた。それは今にも皮膚全体に浮かび上がってくるよ...
pale asymmetry | 2019.09.21 Sat 21:38
JUGEMテーマ:自作小説 周囲の風景がブロック状に解体され、余剰次元に飲み込まれていく。残されたのは群青色の空間だけだ。そこに僕らは歪な獣になって浮かんでいる。いや、空間に爪を立て踏ん張っている。踏ん張って、魚を見上げている。魚となって僕らと対峙している鶺鴒船を。それは四肢のような腹鰭と尻鰭を持ち、翼のような背鰭を拡げ、しだれ桜のような尾鰭を揺らしている、黄金色の魚だった。確かにそんな魚だった。にもかかわらず、横たわる黄金の衣を纏った貴婦人にも見えた。二つのイメージが重なってい...
pale asymmetry | 2019.09.20 Fri 22:28
JUGEMテーマ:自作小説 もしこれが生物なら、決して捕食者ではないだろう。常に捕食者から逃げ惑い、隠れる場所を探し、けれど大きな身体がそれを容易にさせないような、そんな生物だろう。けれどこれは生物ではなかったから、ステージの中央、器に並んで七本の脚を伸ばして立っていた。七本の脚は全て長さが違い、その位置もデタラメだったので、支えられているボディは常にふらついている。逃げ惑うように。あるいは夢見るように。ボディは平たく細長い長方形の板状で、だから僕はこれのことをデッキと呼んでいた...
pale asymmetry | 2019.09.19 Thu 21:26
JUGEMテーマ:自作小説 その唇が何かを囁く。けれど声は発せられていない。いや、発せられたのは透明の声、透明の呪文なのだろう。それはきっと秘密の呪文だから、色を持ってはいけないのだ。声色を晒せばその呪文は無効化されてしまうのかもしれない。誰に、もちろん鶺鴒船に。鶺鴒船内部の知性体に。しばらくの間囁き続けた後、ミツメは一端唇を閉ざす。そして鶺鴒船を見上げた。鶺鴒船の反応を窺っているようだった。僕も鶺鴒船を観察する。船は淑やかに浮かんだまま沈黙している。何かを熟考しているように見え...
pale asymmetry | 2019.09.15 Sun 21:08
今度のロボ子さんは嬉し恥ずかし少女漫画風ラブコメ編! 露穂子さんと西織先生。ふたりの禁断の秘密が明らかに…! ロボ子さんといっしょ。 第97話『天体観測の夜。その3。』 #小説家になろう https://ncode.syosetu.com/n9675ep/97/ #ノベルアッププラス https://novelup.plus/story/613034401/707432838 JUGEMテーマ:自作小説
MUNNINの止まり木 | 2019.09.15 Sun 18:14
19世紀末、ロンドン。日本刀を手にサムライ少女が駆け抜ける! 『静』開幕。 二話同時更新。 静 1話――『ディクソン邸』 https://ncode.syosetu.com/n2422ft/1/ 2話――『静』 https://ncode.syosetu.com/n2422ft/2/ JUGEMテーマ:自作小説
MUNNINの止まり木 | 2019.09.15 Sun 08:17
JUGEMテーマ:自作小説 その船体は、繭のような形で淑やかな紫紺色をしていた。でもその表層は繊維質ではなく金属のよう。それも固体状態の金属ではなく、液体状態の金属が落下途中の雫のように集まっているような、そんな感じに見えた。これが繭ならば、内部には何が守られているのだろう。時間熱そのものだろうか。それとも時間熱を運び、そのために殉ずる知性体が覚醒と睡眠が重なる状態で庇護されているのだろうか。繭の内部でその知性体は、良き夢と悪しき夢の両方とに絡まり合いながら、変態をし続けているの...
pale asymmetry | 2019.09.14 Sat 22:03
今度のロボ子さんは嬉し恥ずかし少女漫画風ラブコメ編! 天文部じゃない井原先輩たちまでやってきた。 ロボ子さんといっしょ。 第96話『天体観測の夜。その2。』 #小説家になろう https://ncode.syosetu.com/n9675ep/96/ #ノベルアッププラス https://novelup.plus/story/613034401/510006145 JUGEMテーマ:自作小説
MUNNINの止まり木 | 2019.09.14 Sat 18:52
『ええええええええーーーーー!?』 ロボ子さん、絶叫。 ロボ子さんといっしょ。 小説家になろう https://ncode.syosetu.com/n9675ep/ ノベルアップ+ https://novelup.plus/story/613034401 JUGEMテーマ:自作小説
MUNNINの止まり木 | 2019.09.14 Sat 10:18
JUGEMテーマ:自作小説 タワーといえば、それはこの都市の地理的中心に建つ塔のことを指す。都市のどの建物よりも圧倒的に高い塔で、そういう塔は一つしかなかったから、固有の名称は必要なかった。ただタワーと呼ぶだけで良かった。そう呼ぶだけで、委員会のメンバーは安心しているようだった。タワーと発するだけで。つまりタワーは彼らの思想の中心にも建っているということなのだろう。それはきっと、タワーに時間が格納されていたからだ。タワーの最下層、地下深くに。時間はそこで揺らがない炎を放ち、その熱...
pale asymmetry | 2019.09.13 Fri 21:32
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