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JUGEMテーマ:自作小説 それは咆哮のようでもあったし、演奏のようでもあった。もし咆哮だとすれば、風を切り裂くスピードで疾走できる獣の咆哮だろう。だたしその獣はスピードだけが頼りで、それがなければあっさりと天敵にやられてしまうような、そんな非力な獣だろう。その四脚の駆動だけを命のよりどころにして、眠ることも食うこともせずにただ走り続けたいと思っているのだろう。実際には、眠らないわけにも食わないわけにもいかないのだけれど。ただ休むことなく走り続けることが出来れば、その疾走は天敵か...
pale asymmetry | 2019.11.21 Thu 22:43
JUGEMテーマ:自作小説 短くなる手許の煙草を目を細めて見て、フィルタギリギリまで煙を吸い込む。 煙草一本で目の前の景色を白けさせるのも安くない世の中だ。 少しばかり現状の説明の続きをしよう。 まず、このメタ表現になっている世界表現については、俺の趣味だ。 何故そんなことがなせているのかというと、それは「現代だから」ということにほかならない。 そう、これは日記だ。この文章がどのように世間に流布されているかはわからないが、 これを読んでいるあなたは、おそらくこれが刊行されているものでない限り...
日常的駄文-上向いてれば人生は上々だ【孤髑髏漫】 | 2019.11.18 Mon 23:29
JUGEMテーマ:自作小説 それは箱だった。それは確かに箱にすぎなかった。最初は掌に載せられるくらいの大きさの箱だったのだ。強固に閉じられてはいたけれど、転がせば素直に転がるような、旅に出ればすぐに迷子になってしまうような箱だったのだ。けれど誰かが言いだしたのだろう。このままでは危険なのではないかと。時が来るまで、もっと厳重に閉じ込め、その機能を無効化しなければいけないのではないかと。そして箱は別の箱に閉じ込められた。しかしまた誰かが意見したのだろう。まだ足りないのではないか、も...
pale asymmetry | 2019.11.18 Mon 22:02
JUGEMテーマ:自作小説 響き渡るオルガンの音は、鋼鉄製のクラゲを連想させる。いつ聴いても、何度聴いてもそれを連想させる。透き通るボディの内部には精巧な時計のような細かなパーツがぎっしりと詰まっていて、硬く鋭く揺るぎなく、まるで共食いしているように噛み合い連動しているのに、その身体全体は安穏と怠惰に小躍りしている。そんなクラゲだ。鋼鉄製だから頑丈なはずなのに、今にも砕けてしまいそうな危うさで踊る。優しい人たちは助けてやろうと手を差し伸べるけれど、鋼鉄製だから逆に砕かれて潰されて...
pale asymmetry | 2019.11.16 Sat 22:08
JUGEMテーマ:自作小説 天を翔けているのは何だろうか。目覚めて最初に考えたのはそのことだった。僕はそのとき固く閉ざされた箱の中に収納されていて、だから箱の外の風景を見ることは出来なかった。けれど自分が、自分の納められた箱が、夜にくるまれていることは感じ取ることが出来た。叡智に満ちた夜、その叡智が艶やかすぎて非情な夜に。そんな夜を、何かが翔け回っていたのだ。鳥ではなかった。星も月も隠された闇夜を飛翔することのできる鳥を僕は知らなかったけれど、そんな鳥がいたとしても鳥ではなかった...
pale asymmetry | 2019.11.15 Fri 22:26
JUGEMテーマ:自作小説 あの日、好きな人が出来たから身辺整理をしようと思ったあの日、 とある彼女が自殺未遂をした。 未遂、と言っても軽いリストカットのような、興が乗ったから切った、ような、 そんな軽いものではなく、当時の医師の話では、場合によっては後遺症が残るほど、だった。 その日からしばらく「彼女」の看病に追われ、気がつけば意中の人は他の若そうな男とくっついていた。 人生ってそんなものだろうな、と思ったけれど、あのとき、あのタイミングでなにかの違和感を感じたのも事実だった...
日常的駄文-上向いてれば人生は上々だ【孤髑髏漫】 | 2019.11.15 Fri 12:59
JUGEMテーマ:自作小説 「そう。例えるならば、これは欠片だ」 魔法使いがそう言いながら、くるりと水晶に見えるものを指先で回した。 水晶に似た何かは、けれども中心に微かな炎を宿している。 「欠片?」 「そう。はるかなる太古、本当の魔道使いたちが使用していた魔道具のかけら」 それが時を経て、わたしのもとにたどり着くとはなかなか興味深いな、と、魔法使いはいう。 その表情にはなぜか、自嘲の気配が漂っていて、わたしは首を傾げた。 魔法...
My 365 Story | 2019.11.12 Tue 18:42
東京に向かう車内はとても静かでした。慣れない身体で江ノ島を散策してランチを取ってから夕方過ぎまで水族館に滞在したので、疲れて寝ているか、話をするような気力を無くしていました。元気なのは運転しているサヤカだけ、私もすっかり疲れてしまったので辛うじて聞こえました。 続きはpixivにて 女子会がやりたくて(同窓会編)第十五話(最終話) *不定期連載です。 JUGEMテーマ:自作小説
あやかる | 2019.11.12 Tue 17:26
JUGEMテーマ:自作小説 何かが互い違いになっているように思えた。そう思えたけれど、何がてれこになっているのかにはすぐには気づけなかった。疲れていたのだ。私は、私たちは。眠っていたわけではないはずなのに、ついさっき目覚めたばかりのような気怠さが、気持ちに纏わりついているように思えた。鬱陶しくはない。むしろその気怠さが、痛みを和らげてくれている。身体中が痛かったのだ。細かく細かく切り裂かれたような痛みと、細かく細かく打ち据えられたような痛みが、身体の表面と奥深くを流れているようだ...
pale asymmetry | 2019.11.03 Sun 22:00
JUGEMテーマ:自作小説 色彩と紋様が夜の内面を埋め尽くしている。那由他の色彩の波紋が、シンボルとして舞う紋様とじゃれ合っている。それに極彩色の仮面の群れも加わり、それは優雅に飛翔することで、遊戯を盛り立てているようだ。夜の内面は、結界の内面は、そういう遊戯に満ちていて、とても剣呑で、とてもたおやかだった。そして私は覆いかぶさっていた。全てに、夜として。つまりその遊戯は私の表層で繰り広げられていたのだ。私が今どのような形態で、どのように存在しているのか、あるいはどのような事象と...
pale asymmetry | 2019.11.02 Sat 21:22
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