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俺が慎也に幸せにして貰うんじゃない。俺が慎也を幸せにしたいのだ。自分の妹も説得できなくて、どうして慎也を幸せにできる? 設楽の真っ直ぐな瞳を、優唯はずっと見つめていた。それから、不意に目を伏せた。思い詰めたような色は、まだ瞳に色濃く残っている。 「……どうして?苦労するって分かってるのに……。そりゃうちのおばあちゃんはジェイク達がいるから馴れてるし、ダメなんていわないと思うよ。でも、慎おじちゃんも智お兄ちゃんも、おばあちゃんやジェイク達とだけ生きてる訳じゃない...
真昼の月 | 2019.06.04 Tue 14:04
何か言い繕おうとしたが、あまりにもその発言が衝撃的すぎて、設楽は何も言い返すことができなかった。知ってるって……知ってるって、そ……そっか、知ってるのか……いや、良いのか?そんな事……っていうか、どうして知ってるんだ?だって慎也も同じ環境で育ったのに、全く何も気付いてなかったし……って、いやでも慎也は元々相当鈍いし、女の子の方がこういう事は敏感なのかも……でも……え?いや、でも……!! 設楽...
真昼の月 | 2019.06.04 Tue 13:59
「……俺さ……俺も、謝った方が良いのかなって思ったんだよ。だって、俺が宮嶋さんにあんな事を言わなければ、宮嶋さんは」 「だから、それは違うって言ってるだろ?」 設楽の発言を喰い気味に堰き止めると、設楽は顔を赤くして食いかかってきた。 「違わないかもしれないだろ!?だったら俺も、少なくともそのことに関しては、宮嶋さんに謝った方が良いのかなって思うじゃん!……でも……」 でも、その言葉は喉元まで出かかって、どうしても口から出すことができな...
真昼の月 | 2019.06.04 Tue 08:33
「……俺さ……俺も、謝った方が良いのかなって思ったんだよ。だって、俺が宮嶋さんにあんな事を言わなければ、宮嶋さんは」 「だから、それは違うって言ってるだろ?」 設楽の発言を喰い気味に堰き止めると、設楽は顔を赤くして食いかかってきた。 「違わないかもしれないだろ!?だったら俺も、少なくともそのことに関しては、宮嶋さんに謝った方が良いのかなって思うじゃん!……でも……」 でも、その言葉は喉元まで出かかって、どうしても口から出すことができな...
真昼の月 | 2019.06.04 Tue 08:05
「せっかくピザの作り方を教わったし、設楽君はああ言ってたけど……あなたは俺が包丁を持つってことを、とても許しそうには見えませんね」 「そうだね。啓介が僕の為に一生懸命料理を覚えようとするという、その行為に感動しそうだけど」 「その言い方!どうせ料理自体には全く期待はしてないってことでしょう?」 宮嶋の小さな憤慨に、是枝は楽しそうに笑った。 「何で啓介が料理をする前提なんだい?あの2人は元々2人とも料理をするようだから、智一君は負けん気を出して頑張るんだろうけど、僕はやりたい...
真昼の月 | 2019.06.03 Mon 08:05
「せっかくピザの作り方を教わったし、設楽君はああ言ってたけど……あなたは俺が包丁を持つってことを、とても許しそうには見えませんね」 「そうだね。啓介が僕の為に一生懸命料理を覚えようとするという、その行為に感動しそうだけど」 「その言い方!どうせ料理自体には全く期待はしてないってことでしょう?」 宮嶋の小さな憤慨に、是枝は楽しそうに笑った。 「何で啓介が料理をする前提なんだい?あの2人は元々2人とも料理をするようだから、智一君は負けん気を出して頑張るんだろうけど、僕はやりたい...
真昼の月 | 2019.06.03 Mon 08:03
「2人の趣味なんだろうね。実用的で、良い趣味だ」 是枝が頷きながら、洗った皿を宮嶋に渡していく。宮嶋も「そうですね」と頷きながら、受け取った皿を拭いていく。 ちなみに、皿を洗うのが是枝なのは、家事に関しては本当に大雑把な宮嶋に皿を洗わせるつもりが、是枝の中には毛頭無いからだ。まだ友人の所有物である食器を割られてはかなわない。 「あのデザートピザも美味しかったねぇ」 「ええ。慎也、ああ見えて甘い物好きだから、デザートピザは欠かせないんでしょうね」 オレンジを輪切りにして、生地の発酵...
真昼の月 | 2019.06.02 Sun 08:12
「いや、これは店を出せるレベルだよ!」 「褒めすぎだよ、是枝さん!ソースは出来合なんだから!」 最初のピザはマルゲリータだった。大竹が釜から取り出すと、すぐに設楽が切り分ける。良いコンビネーションだ。 宮嶋もマルゲリータを口に入れ……思わず「おいしい!」と唸った。 「石窯の炭火焼きだもん、香ばしくておいしさ3割増しだよ。せっかくこんな良い物があるんだから、2人も活用しないと!」 「いや、これは設楽君が作るから、こんなにおいしいんじゃ……」 最初から弱音を...
真昼の月 | 2019.06.01 Sat 08:05
「ほら、生地に照りが出てきただろ?そしたら丸くまとめて……あ、違う。もっと端っこが出ないように綺麗に丸めて。違う違う、この辺もっとぴっちりくっつくように……摘まんでくっつける感じで」 「こ、こう?」 「そう。そしたらボウルに入れて、濡れ布巾……塗らしたキッチンペーパーでも良いから、上に掛けて、ラップして、30分から1時間くらい置いて、一次発酵。冬は段箱にお湯入れたペットボトルとかと一緒に入れておいて、少し暖かくしてあげること。発泡スチロールの箱とかゲット...
真昼の月 | 2019.05.31 Fri 08:02
「レストランで親しい人だけ呼んで、誓い合えば良いだけの話だろ!?どうせ式に来るのだって、慎也と設楽君くらいだろうし!そんな恥ずかしい式になる筈がないじゃないか!」 「京都では同性婚を挙げてくれるお寺があるらしいよ」 「ああ、仏式か。それも良いかもな」 「だからやめろって!!」 ムキになる宮嶋が可愛くて、こうして笑い合えるのが楽しくて、いつまでもくだらない話をしまくった。設楽も大竹も是枝もゲラゲラ笑って、こんなに笑ったのも久しぶりかもしれない。 「もう!そういう事を言うんなら、式なん...
真昼の月 | 2019.05.30 Thu 08:11
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