[pear_error: message="Success" code=0 mode=return level=notice prefix="" info=""]
海の幸を使ったパスタやピザ、それから、若い人もいるからと、牛のかたまり肉のローストも注文した。程良く疲れた体に、おいしい食事が染み渡る。 「明日はどうしますか?」 「明日は、本格的に町の探索だな。スーパーや病院の場所も、足でチェックしたいからね」 「じゃあ俺達はその間に、家の中をチェックして、修繕やリフォーム案をレポートにまとめまておきます」 大竹が真面目な顔でと言うと、是枝は「それは見応えがありそうだね」などとからかった。そこに設楽が、前のめりで手を挙げてくる。 「そしたら明日、...
真昼の月 | 2019.05.03 Fri 08:05
「結構行ってるんだな」 「うん。斎和さんが行きたがるからさ」 「はは、お前がはまってなきゃ、是枝さんだってそんなに誘ってこないだろ?」 大竹が当たり前のように言ってのけると、宮嶋は目をぱちくりと見開いて、それから少しだけ赤くなった。 「……そう、なのかな……」 「そりゃそうだろ」 少し離れた所で、是枝が設楽にシュノーケリングの細かなテクニックを教えている。設楽なら、すぐに覚えてしまうだろう。仲の良い親子にも見えるというのは、内緒にしておいた方が良いだろう。 ...
真昼の月 | 2019.05.02 Thu 08:03
「まぁそうだな。俺も実家で飯喰ったり、啓介んち片付けてる時って、面倒くせぇなーとしか思ってないんだけど、お前が来ると思って飯作ってる時は、やっぱ楽しいもんな」 「ほんと!?マジで!?」 ぱぁっと顔を明るくする設楽に、大竹はもう一度微笑んだ。 「可愛いな、設楽」 「ありがとう!」 ここでありがとうと言うのが設楽だ。設楽のこういう所を、大竹は好ましくも羨ましくも思っている。 だが、ちゃんと釘を差すのを忘れてはいけない。 「でもここでチューとかすんなよ。足がテントの外にはみ出てること...
真昼の月 | 2019.05.01 Wed 08:25
「まぁそうだな。俺も実家で飯喰ったり、啓介んち片付けてる時って、面倒くせぇなーとしか思ってないんだけど、お前が来ると思って飯作ってる時は、やっぱ楽しいもんな」 「ほんと!?マジで!?」 ぱぁっと顔を明るくする設楽に、大竹はもう一度微笑んだ。 「可愛いな、設楽」 「ありがとう!」 ここでありがとうと言うのが設楽だ。設楽のこういう所を、大竹は好ましくも羨ましくも思っている。 だが、ちゃんと釘を差すのを忘れてはいけない。 「でもここでチューとかすんなよ。足がテントの外にはみ出てること...
真昼の月 | 2019.05.01 Wed 08:05
「何だよ、その顔」 「いや……俺、宮嶋さんって……なんか、完璧な人だと思ってたから」 部屋の片付けを大竹に任せているのも、単に甘えているだけなのだろうと……そう思っていたのだ。 だが……。 「あいつの外面完璧だからな……。それでみんな騙されるんだよ。なんか納得いかねーなぁ……」 それだけ言うと、大竹はまたごろりと横になった。 「……じゃあ、俺は?」 設楽が大竹の上に覆い被さるようにして、恐る恐る...
真昼の月 | 2019.04.30 Tue 08:09
「何だよ、その顔」 「いや……俺、宮嶋さんって……なんか、完璧な人だと思ってたから」 部屋の片付けを大竹に任せているのも、単に甘えているだけなのだろうと……そう思っていたのだ。 だが……。 「あいつの外面完璧だからな……。それでみんな騙されるんだよ。なんか納得いかねーなぁ……」 それだけ言うと、大竹はまたごろりと横になった。 「……じゃあ、俺は?」 設楽が大竹の上に覆い被さるようにして、恐る恐る...
真昼の月 | 2019.04.30 Tue 08:01
「……変なこと聞くようだったらごめん。宮嶋さん、さっきなんであんなにピルピル怯えてたの?」 先ほどの気まずい空気を思い出して、今宮嶋の話題を振るのはまずいかと一瞬思ったが、それでも設楽は先ほどの宮嶋の思いもよらぬ姿が気になって仕方ないのだ。 あの人が、あんな風になるなんて……。 「……あ?啓介……?」 なんだっけ、と返ってくる声が、ずいぶんと眠たそうだ。 「寝るなよ!ね、さっきの宮嶋さん、変だったよね?」 ゆすゆすと肩を揺する...
真昼の月 | 2019.04.29 Mon 08:02
「設楽、どうした?」 水面に顔を出した大竹に声をかけられ、「ううん」と首を振る。頬が緩む。大竹の水に濡れた顔が穏やかだ。山の方が落ち着くと言いながら、大竹は水に入っていると本当にリラックスした顔をする。でも、それはダイビングのような大がかりな物でなくても良いのだそうだ。ただ水に浸かっているだけで、大竹はいつも満足そうだ。 「そろそろ本格的に潜ってみるか?」 「うん。まだあんまり深い所には行かない方が良いよね」 「そうだな……。この辺を、横移動しとくか」 お前の後をついて...
真昼の月 | 2019.04.28 Sun 10:58
「設楽、どうした?」 水面に顔を出した大竹に声をかけられ、「ううん」と首を振る。頬が緩む。大竹の水に濡れた顔が穏やかだ。山の方が落ち着くと言いながら、大竹は水に入っていると本当にリラックスした顔をする。でも、それはダイビングのような大がかりな物でなくても良いのだそうだ。ただ水に浸かっているだけで、大竹はいつも満足そうだ。 「そろそろ本格的に潜ってみるか?」 「うん。まだあんまり深い所には行かない方が良いよね」 「そうだな……。この辺を、横移動しとくか」 お前の後をついて...
真昼の月 | 2019.04.28 Sun 08:03
◇◇◇ ◇◇◇ 2人はラッシュガードのファスナーを首元まで上げ、マリンシューズとフィンをつけてから、海に向かってペタペタと歩いて行った。フィンを履いて地上を歩くのは大変だ。見ると、周りにもペンギンのようにヨチヨチと歩いている人の姿が見えた。 そのままの格好で腰まで海に浸かったら、水中マスクだけつけて、シュノーケルは咥えず、もう少し沖まで泳ぐ。 最初は大竹の様子を躊躇い勝ちに伺っていた設楽だが、すぐに海中の様子に心を奪われる。先程の会話も忘れてしまうほどの衝撃だった。 ...
真昼の月 | 2019.04.27 Sat 08:13
全1000件中 621 - 630 件表示 (63/100 ページ)