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ベッドの上で水を飲む設楽の隣に座り、大竹はそっと設楽の肩を抱き寄せた。 「大丈夫だよ。啓介、ずいぶんホッとした顔してただろ。お前の言いたいこと分かってるから」 「でも……」 「良いから!こっから先はもうその話は無しだ。お前が普通にしてないと、あっちが気にするだろ!お前だってそう思ったから、あいつと普通の顔してピザ作ってたんじゃないのかよ」 「……それは……、……そうだけど……」 部屋に戻ってきてこんなに落ち込むくらいなら、あ...
真昼の月 | 2019.06.05 Wed 08:03
◇◇◇ ◇◇◇ 食事が終わって、結局後片付けをしたのも大竹と設楽だった。シギーが僕がやろうかと買って出たが、それは冴子から「シギーがやると勝手に食器や調味料の位置替えられるからやだ」と断られていた。 後片付けも終わって、冴子の淹れたコーヒーをみんなで飲んで、少しだけまったりしてから、「じゃあ」と大竹が立ち上がる。 「このままだと切りないから、そろそろ俺ら帰るわ」 「あら、夕飯までいれば良いじゃない」 「その後また泊まるのか?明日は仕事だよ」 「もう!」 不満そうな冴子を、清香を「...
真昼の月 | 2019.06.04 Tue 14:29
「だって、親からしてみたらよ!?」 「同じ親でもおばあちゃんはともお兄ちゃんのお母さんじゃないでしょ!おばあちゃんが口出ししたら、うまくいく物もいかなくなっちゃうよ!ともお兄ちゃんにいつまでも慎おじちゃんの面倒見て欲しかったら、後は本人達に任せて、おばあちゃんは黙って見守らなきゃダメ!!」 優唯ちゃん……。 昨日の優唯の台詞を考えれば、優唯が今自分達を応援してくれようとしている気持ちに胸が痛くなる。子供の頃から仲良くしていた優唯が、まだ小学生の優唯が、自分達を気遣い、自分...
真昼の月 | 2019.06.04 Tue 14:25
俺が慎也に幸せにして貰うんじゃない。俺が慎也を幸せにしたいのだ。自分の妹も説得できなくて、どうして慎也を幸せにできる? 設楽の真っ直ぐな瞳を、優唯はずっと見つめていた。それから、不意に目を伏せた。思い詰めたような色は、まだ瞳に色濃く残っている。 「……どうして?苦労するって分かってるのに……。そりゃうちのおばあちゃんはジェイク達がいるから馴れてるし、ダメなんていわないと思うよ。でも、慎おじちゃんも智お兄ちゃんも、おばあちゃんやジェイク達とだけ生きてる訳じゃない...
真昼の月 | 2019.06.04 Tue 14:04
何か言い繕おうとしたが、あまりにもその発言が衝撃的すぎて、設楽は何も言い返すことができなかった。知ってるって……知ってるって、そ……そっか、知ってるのか……いや、良いのか?そんな事……っていうか、どうして知ってるんだ?だって慎也も同じ環境で育ったのに、全く何も気付いてなかったし……って、いやでも慎也は元々相当鈍いし、女の子の方がこういう事は敏感なのかも……でも……え?いや、でも……!! 設楽...
真昼の月 | 2019.06.04 Tue 13:59
「……俺さ……俺も、謝った方が良いのかなって思ったんだよ。だって、俺が宮嶋さんにあんな事を言わなければ、宮嶋さんは」 「だから、それは違うって言ってるだろ?」 設楽の発言を喰い気味に堰き止めると、設楽は顔を赤くして食いかかってきた。 「違わないかもしれないだろ!?だったら俺も、少なくともそのことに関しては、宮嶋さんに謝った方が良いのかなって思うじゃん!……でも……」 でも、その言葉は喉元まで出かかって、どうしても口から出すことができな...
真昼の月 | 2019.06.04 Tue 08:33
「……俺さ……俺も、謝った方が良いのかなって思ったんだよ。だって、俺が宮嶋さんにあんな事を言わなければ、宮嶋さんは」 「だから、それは違うって言ってるだろ?」 設楽の発言を喰い気味に堰き止めると、設楽は顔を赤くして食いかかってきた。 「違わないかもしれないだろ!?だったら俺も、少なくともそのことに関しては、宮嶋さんに謝った方が良いのかなって思うじゃん!……でも……」 でも、その言葉は喉元まで出かかって、どうしても口から出すことができな...
真昼の月 | 2019.06.04 Tue 08:05
「せっかくピザの作り方を教わったし、設楽君はああ言ってたけど……あなたは俺が包丁を持つってことを、とても許しそうには見えませんね」 「そうだね。啓介が僕の為に一生懸命料理を覚えようとするという、その行為に感動しそうだけど」 「その言い方!どうせ料理自体には全く期待はしてないってことでしょう?」 宮嶋の小さな憤慨に、是枝は楽しそうに笑った。 「何で啓介が料理をする前提なんだい?あの2人は元々2人とも料理をするようだから、智一君は負けん気を出して頑張るんだろうけど、僕はやりたい...
真昼の月 | 2019.06.03 Mon 08:05
「せっかくピザの作り方を教わったし、設楽君はああ言ってたけど……あなたは俺が包丁を持つってことを、とても許しそうには見えませんね」 「そうだね。啓介が僕の為に一生懸命料理を覚えようとするという、その行為に感動しそうだけど」 「その言い方!どうせ料理自体には全く期待はしてないってことでしょう?」 宮嶋の小さな憤慨に、是枝は楽しそうに笑った。 「何で啓介が料理をする前提なんだい?あの2人は元々2人とも料理をするようだから、智一君は負けん気を出して頑張るんだろうけど、僕はやりたい...
真昼の月 | 2019.06.03 Mon 08:03
「2人の趣味なんだろうね。実用的で、良い趣味だ」 是枝が頷きながら、洗った皿を宮嶋に渡していく。宮嶋も「そうですね」と頷きながら、受け取った皿を拭いていく。 ちなみに、皿を洗うのが是枝なのは、家事に関しては本当に大雑把な宮嶋に皿を洗わせるつもりが、是枝の中には毛頭無いからだ。まだ友人の所有物である食器を割られてはかなわない。 「あのデザートピザも美味しかったねぇ」 「ええ。慎也、ああ見えて甘い物好きだから、デザートピザは欠かせないんでしょうね」 オレンジを輪切りにして、生地の発酵...
真昼の月 | 2019.06.02 Sun 08:12
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