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掌編。超短編。など、名前は様々。
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扉を開きまた閉じる

JUGEMテーマ:ショート・ショート   「団扇って、だいたい丸いじゃない?」  風呂上がりに、僕らは窓辺でスイカを食べていた。今年初めて食べるスイカだ。 「角張ってないという意味ならそうだね。まん丸ではないけど」  彼女は団扇をパタパタさせながら、気持ちよさそうに笑う。僕のことを笑ったのか、風に擽られたからか、どちらなのかは解らなかった。 「小僧がね、観音開きの扉を開いたり閉じたりしているわけ」 「え?」 「だから小僧がね、たぶん金太郎みたいな前掛けをした小僧がね、扉を何...

pale asymmetry | 2020.06.09 Tue 21:48

王の崩御

JUGEMテーマ:ショート・ショート    雨が真っ直ぐに降っていた。僕は透明な傘を差していたから濡れていなかった。空想の傘という意味じゃないよ。コンビニで買った透明なビニール傘という意味。犬は雨に打たれて濡れていた。犬は傘を差していなかったから。でも犬は雨の全てを受け入れていたから、不自由のない表情をしていた。僕にはそう見えた。犬が傘を差さないのは身体的な理由ではなく、僕よりもずっと雨と近しい間柄だからなのだろう。雨に濡れる犬は、そう思わせるたたずまいで地面に鼻を沿わせていた。  ...

pale asymmetry | 2020.06.07 Sun 21:44

Feeling of grapes

JUGEMテーマ:ショート・ショート    お昼過ぎに目覚めてリビングに行くと、リビングの真ん中のソファーに彼女が横たわっていた。大きなソファーは存在感が強くて、リビングの真ん中がこの銀河の真ん中であるかのように感じた。こんな端っこの惑星にいるにもかかわらず。彼女はマスカット色の水着を着ている。リビングの窓は全開で、南からの風が白いカーテンを盛大に踊らせていた。踊るカーテンは、何故だか天の川のように見えた。 「どうして水着?」  ソファーに近づき、彼女に軽くキスをする。彼女は擽った...

pale asymmetry | 2020.06.02 Tue 22:03

Adjust play

JUGEMテーマ:ショート・ショート   「ゆるみが出たら、このゆるみ止めを飲んで下さいね。念のために四錠出しておきますね」 「ゆるみですか?」  フェイスシールド越しだったから聞き間違えたのかと思って、私は質問した。 「はい、ゆるみです。我慢できるのなら良いですけれど、我慢できないほどのゆるみになったら飲んで下さいね」  全体が微かな水色に染まっているフェイスシールドには、真ん中に大きく流星のイラストが描かれている。いや、彗星かもしれない。そのせいだろうか。そのせいで、私はゆ...

pale asymmetry | 2020.06.01 Mon 20:40

Sleeping Bubble Dance

JUGEMテーマ:ショート・ショート   「最近、眠りがざわざわするの」  ベッドに並んで横たわり、互いに読書しているときに彼女がそう言った。眠る前に読書することが僕らの日課だった。 「ざわざわって?」  僕の問いかけに彼女はやわらかく目を閉じ黙り込む。正確で精密な表現を探しているようだった。 「舞ね」 「舞?」 「そう。舞のせいで、心がざわついてしまう感じ。眠っている最中に」 「夢の中で、舞を舞っているってこと?」 「そうではないの。舞っているのは、私の身体から剥がれ...

pale asymmetry | 2020.05.28 Thu 20:55

Wonder battery

JUGEMテーマ:ショート・ショート    旅を続ける日々が長く続くと、ふとした瞬間に自分が地球上のどこにいるのかよく解らなくなることがある。それは例えばホテルの部屋で眠り、翌朝目覚めた瞬間とかいう解りやすいシチュエーションだけではなく、街路を歩いているときや、美術館などで鑑賞しているときとか、挙げ句の果てには仕事相手と商談している最中でさえも、見失ってしまうことがある。不思議なのはその喪失感のすぐ後に、何とも言えない安堵感が湧き上がることだ。どこにいるのか解らない自身を、彷徨い続けて...

pale asymmetry | 2020.05.25 Mon 21:54

新しい青

JUGEMテーマ:ショート・ショート    頬を擽られて目を覚ます。彼女が僕を覗き込み微笑んでいる。僕の頬を擽っていたその手は真っ赤な毛糸の手袋を纏っている。ふわふわとしたなめらかな感触だった。休日の目覚め方としてはまずまずに思えた。 「うん? 何?」  彼女は手袋を纏った両手を顔の前で並べてにぎにぎする。 「新しい青を模索していたの」  そう言って、彼女は僕の頬をまた撫でる。 「新しい青? 赤い手袋なのに?」 「これは、衣替えをしていたら衣装ケースの隅で発見したの。発掘し...

pale asymmetry | 2020.05.23 Sat 20:58

いとわないのならば、はねになる

JUGEMテーマ:ショート・ショート    ふわりふわりと、薄桃色の宝石が降り続いている。そういう降り方だったから、宝石は世界を傷つけたりしない。見えないリボンを辿るように、そのリボンと戯れるように、薄桃色の宝石は落下している。地面に落ちると一旦完全に静止し、数秒後にゆっくりと転ぶ。そしてまた静止。全てのエナジーを使い果たしてしまったかのように、もう動かない。実際に、もうどんな想いも宝石の内には残っていないかのかもしれない。悠久の時を吸収しても、再び動き出すことはないのかもしれない。 ...

pale asymmetry | 2020.05.19 Tue 22:02

Phantom party

JUGEMテーマ:ショート・ショート    何の特徴もない路地の奥で、たぶん自分の記憶だけを頼りに再びこの道を辿ることは出来ないだろうと思った。でも彼女は迷うことなく軽やかな足取りで、迷宮のように気まぐれな構造の路地を進んでいる。きっと僕には見えない目印がそこかしこにあるのだろう。あるいはそれは透明のガイド標識かもしれないけれど、彼女には感じることが出来るのだろう。路地は左右に建物が隙間なく並び、人がすれ違うにも苦労するような道幅で、建物は左右とも路地側に僅かに傾いて立っているように感...

pale asymmetry | 2020.05.18 Mon 21:28

雨が降る、傘を閉じる

JUGEMテーマ:ショート・ショート   「宣言なんて、日々行われている。世界中でいろいろな宣言がね」  雨に打たれながらあなたが言う。これも宣言だろうか。いいえ、これは単なるモノローグ。シニカルなカリカチュアのような。 「いろいろな宣言が、私たちを混乱させる。あるいは興奮させるよね」  それでも私は応えてしまう。傘に突き刺さる雨滴の破壊音に負けないように。 「いいね。混乱させられたり、興奮させられたりするのは。ついでにぐるぐる回されるのも」 「でもそういうのを愉しみすぎると...

pale asymmetry | 2020.05.13 Wed 21:46

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