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JUGEMテーマ:小説/詩 レイヴンは生まれてこの方初めてなほど、触手に全エネルギーを注ぎ入れた。幸いエネルギーの素となる分子は海水中から無限に取り込める。生成する端から各触手に送り込み、各細胞で燃焼させた。 サブ触手の数本をワタリアホウドリに巻きつけまた収容籠をしっかりと抱き、メイン触手をクジラの口端まで伸ばして出口付近の歯──というか髭のようだが──を掴む。 「レイヴン!」 「がんばれ!」 「すごい、ぼくも手伝う」収容籠の中の動物たちが激励(と多少のわがま...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2024.09.14 Sat 12:05
「夜っぽい曲」 「夜っぽいねえ。夏っぽいし」 「夏の夜だね」 続編的なの17000→18500字。いったん停止。 「夜に」新作8000→7500字で完。謎だったけど主催者さんには好評だったようで一安心。 某企画参加原稿2800字完。「書けるよってひといいね下さい」のツイートにダメもとでいいねしたらお声掛けいただけて舞い上がってしまった。たぶん近日中にお知らせできるはず。 人称について。最近は一人称で書いてから三人称限定に変更というパターンが多いんだけど、「夜に」新作では形式上一人称のままとした。一人称→三人...
水平線上の雨 | 2024.09.03 Tue 20:38
JUGEMテーマ:小説/詩 月は新月。闘技場を取り囲む松明が闇に向かいジリジリと牙を剥く。観客はいない。これは極秘裏に行われる、ダークイベントだ。 「ではこれよりユウヤ対ヒロトの竜脂炎闘試合を行う」宣言するのは固そうな木の杖をつく白髭の老人だ。「無制限一本勝負、始めッ」 俺の名はユウヤ。年齢三十一歳、独身。身長百七十センチ、体重九十八・五キロ。BMI値三十四。臍のラインに浮き輪肉がたんまりついている。上腕の下にも首の周囲にも豊富に蓄えがある。 対峙するヒロ...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2024.09.01 Sun 13:30
JUGEMテーマ:小説/詩 ゲラダヒヒの捕獲は『失敗』に終わった、と、ルルーはついに判断を下した。 彼奴らは誰かに入れ知恵でもされているのだろうか? 「タイム・クルセイダーズがこの当たりをうろついている間は、決して岩陰から表には出るな。ひたすら逃亡および隠棲を優先せよ」と。 不意に視界の中へ真っ赤な体色の生き物が映り込んできた。 はっと身構える。 シラガエボシドリだ。鳥はルルーに見向きもせず、再び彼の視界の外へ飛び去って行った。 ──なんだ、おど...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2024.08.30 Fri 21:42
三国志が小学生の頃から大好きである。横山三国志を手始めに吉川や北方、自分が読んだ漫画全般の最高傑作に認定している蒼天航路、そして蜀びいきによる架空戦記の妄想でしかない反三国志など、子供にしては一応「マニア」と呼ばれるに相応しいくらいの読書はしていた。コーエー三国志や真・三國無双もご多分に漏れず、全シリーズの半分くらいは眼球にヒビが入り膀胱が破裂するほどやった。陳宮や賈詡に姜維ら、史実ではどこか陰影を宿して描かれる人物が好みである。 そんな中で飽きるほど読んだの...
イチブログ | 2024.08.17 Sat 13:24
JUGEMテーマ:小説/詩 フェネックギツネにマルティコラスの外見的特徴を説明した後、レイヴンは再び乾燥した大地の上を浮揚推進しはじめた。 そうしながらも、出遭う動物たちに可能な限り声をかけてゆく。だが心躍るような情報が得られることはなかった。 得られるのは、動物たち自身の近況や、彼らの思想や近い将来に向けての考察、そして大部分は、食物や結婚相手についての愚痴や文句だった。 「レイヴン」収容籠の中からコスが呼びかけてきた。「どこに向かうの? これから」 ...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2024.08.15 Thu 21:23
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