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JUGEMテーマ:小説/詩 「あれは誰だ〜い?」 それは、呼びかけというよりも──明らかに『歌』だった。 「あそこにいる〜、あの大きな動物は〜」 高らかに朗らかに、歌声が響く。 「熊かな? それともゴリラ?」 少なくともゴリラではなかろう。モサヒーはそう思った。棲息地域がまったく違う。 「ノーノーノー!」歌声の方もそれを否定する歌詞が続いた。 じゃあこの、今歌っているご機嫌な動物は一体? 「それはクズリー!」音量が最大となる。「クズリ、イエス、...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2025.05.23 Fri 16:28
個人経営のビストロで連れと二人、夕食を食べている。何故か学生四人組の飲み会と相席になり、彼らが代わる代わるトイレに立つので店主はコース料理を出しそびれている。わたしと連れは早々とデザートに差し掛かり、メニューを見せてもらうも全て何かしらのゲーム著作権を侵害していて慄然とする。ベースはワッフル、スフレパンケーキ、アイス等々シンプルなものだが、上にどう見ても任天堂のキャラクタが乗っており、店主は悪びれず、あのゲームのこのキャラが好きなどと事細かに説明してくれる。わたし達は気まずさに耐えかね、隙...
記4 | 2025.05.19 Mon 20:23
JUGEMテーマ:小説/詩 ぎゃお──んん 遠吠えが聞こえた。 ボブキャットはびくりと身を竦ませたが、すぐに舌打ちして前進を再開した。「ごみ漁り屋か」と呟きつつ。 モサヒーの方はただちに生体信号を検索し、それがコヨーテの遠吠えであることを認知した。双葉──ギルドが狙う対象ではない。だがこの種族も広範囲に分散し棲息しているものたちだ。何か情報を掴んでいるかも知れない。 声の聞こえた方へと浮揚推進していく。 「まじか」ボブキャットは顔をしかめた。ご...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2025.05.17 Sat 13:29
野球の国際試合を皆で観戦するため、深夜の高校に集まった。授業ではないのでそれぞれ好きな席に座り、プロジェクタの準備も終わったが、まだ半時間ほど余裕があるということで、先生の持って来た流行りっぽいショートムービを流す。 日常風景の隙間隙間に半ばモザイクのかかった二次元少女が現れると、彼女の周りで衝突が起きたり起きなかったりし、そんなシーンがカットアップで繋がって行く。背後には抒情系のポストロックがメドレーで流れ、物言いたげな雰囲気を醸し出す。一時期流行った空気系のムービーだが音楽も映像もや...
記4 | 2025.05.14 Wed 23:32
JUGEMテーマ:小説/詩 ──双葉……? ボブキャットはそれを聞いてふと足を止めた。池の畔だ。 そこに、アメリカビーバーがいることは先ほどから認知していたが、何しろそいつは池のど真ん中、水の中にいる。狩るのは困難だ。 奴が水から上がって来るのを待つという手もあるが、ここよりはもう少し先の、川べりの方が機に恵まれやすいだろう。 そう思ってその場を立ち去ろうとし、数歩歩いたところでだった。 「双葉と呼ばれる者が来なかったか」 という、恐ら...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2025.05.09 Fri 22:38
JUGEMテーマ:小説/詩 素敵だと思うのは、 「自分もなれそうだから?」 なれないものには憧れずに、 「線を引くか、叩き潰す」 そんな時代を生きて、 青春のすべては、真っ黒な心に囲まれ その心の包囲する中には 「憧れるものが一つもなく」 悲しみだけが、大地と空を駆け巡って叫んでいた 「作り上げた虚像」というものに価値をつける大人。 それを、見下し、批判した「PUNK...
Jupiter〜夢を失わずに〜 | 2025.05.04 Sun 16:06
JUGEMテーマ:小説/詩 わかっている。私が降りるべき所は、一五七六階だ。イゴナロー階、と暗記した。以後成ろう階。そこで降りなければならない。 箱はただ黙々と私たちを運び続ける。上へ。箱とは言うが相当に広い。何人乗っているのだろうか。椅子はなく、全員立っている。私は出入口ドアからおよそ十メートル程の所に立っているが、この箱に乗り込んだ時に見た記憶として反対側の壁まで優に百メートルはあった。 今のところ混雑はしておらず、乗っている人々は各々適度な距離を置き佇んでいる。中に...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2025.05.04 Sun 12:13
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